DIPS2.0完全ガイド|機体登録から飛行申請まで

ドローンの機体登録から飛行申請まで完全ガイド|DIPS2.0の使い方【2026年最新版】

本記事について
本記事は2026年8月6日時点で国土交通省が公表している情報をもとに構成しています。無人航空機の制度は改正が頻繁です。実際の申請にあたっては、必ず国土交通省の公式ページおよびDIPS2.0の最新情報をご確認ください。

「ドローンを買ったけれど、何から手続きすればいいのか分からない」

産業用ドローンの導入をご検討中のお客様から、もっとも多くいただくご相談です。機体登録、飛行許可、包括申請、リモートID、飛行日誌 ── 用語だけが並び、しかもそのほとんどが「DIPS2.0」という一つのシステムで完結する。だからこそ、全体像が見えないまま迷子になってしまう方が少なくありません。

本記事では、DIPS2.0をアカウント作成から飛行後の記録管理まで、実際の手順に沿って一気通貫で解説します。自治体・建設会社・測量会社・インフラ点検事業者・農業事業者のご担当者が、社内で説明できるレベルまで理解できることを目標にしました。

DIPS2.0とは何か

DIPS2.0(ディプス・ニーテンゼロ)は、国土交通省が運用する「ドローン情報基盤システム2.0」の通称です。ドローンに関する国への手続きを原則すべてオンラインで完結させる行政システムだとお考えください。

かつて「DIPS(飛行許可申請)」「FISS(飛行情報共有)」「DRS(機体登録)」と分かれていた3つのシステムが2022年に統合され、現在は1つのポータルからすべての手続きにアクセスできる形になっています。

なぜ登録が必要なのか

2022年6月20日の航空法改正により、重量100g以上の無人航空機は、機体登録が未完了の場合は飛行できません(航空法第132条の2)。100gは機体本体とバッテリーの合計重量で判定します(外付けリモートID機器の重量は含みません)。

目的は、事故発生時に「誰の機体か」を特定できるようにすること、そして未登録機体の飛行を抑止することです。未登録のまま飛行させた場合は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。屋外で飛ばすなら、まず登録。ここが出発点です。

「機体登録」と「飛行許可・承認」はまったく別の制度

制度性格いつ必要か
機体登録機体が「誰のものか」を国に登録する。自動車でいうナンバープレート100g以上なら、飛行方法を問わず必ず必要
飛行許可・承認本来禁止されている空域・方法での飛行を個別に認めてもらう。自動車でいう通行許可「特定飛行」に該当する場合のみ必要

表1:機体登録と飛行許可・承認の違い

登録さえすればどこでも飛ばせるわけではなく、逆に飛行許可があっても未登録の機体は飛ばせません。両方が必要です。

包括申請を実際に進める方へ 画面別の入力内容と差戻し防止ポイントを確認 簡易カテゴリー判定から機体・操縦者・マニュアルの選択、提出後の確認までを実務順に解説します。

DIPS2.0でできること

機能内容義務/任意
無人航空機の登録申請100g以上の機体の新規登録・更新・変更・抹消。登録記号の取得義務
飛行許可・承認申請特定飛行を行うための許可・承認(包括申請・個別申請)該当時義務
飛行計画の通報・確認特定飛行の日時・経路等の事前通報。他機との重複確認・調整義務
事故等の報告事故・重大インシデント発生時の報告発生時義務
技能証明の取得申請技能証明申請者番号の取得、一等・二等の交付・更新・限定変更任意
機体認証の取得申請第一種・第二種機体認証、型式認証任意

表2:DIPS2.0の主要機能(2026年8月時点)

SkyLink Japanの登録講習機関 国家資格の講習・コースを確認する 初学者向けコースを含む、SkyLink Hangar福島の講習案内です。
ここに気をつけよう!2つの注意点。
① 旧DIPS・旧FISSのアカウントは使えません。新規にアカウントを作成する必要があり、過去の申請情報も引き継げません。
② DIPS2.0に飛行日誌の作成・保存機能はありません。国土交通省のExcel/Word様式を使うか、民間アプリ・クラウドで電子管理します。

なお、リモートIDの書き込みには別途スマートフォン用アプリ「DIPS APP」を使用します(推奨OS:Android 9〜15、iOS 17〜18・26)。

DIPS2.0の6機能を準備・飛行前・事故発生時に分けた利用順序図

DIPS2.0では、必要な手続きを「準備・登録」「飛行前」「事故発生時」のタイミング別に選びます。

まず最初に準備するもの

とくに本人確認の方法選びは、手数料と本人確認にかかる時間の両方に影響します。

準備するもの詳細
メールアドレス組織で使う場合は個人アドレスではなく担当部署のアドレスを推奨(担当者交代に強い)
本人確認手段(個人)マイナンバーカード(電子証明書が有効なもの)/運転免許証/パスポート/書類の郵送
本人確認手段(法人)GビズIDプライム(またはメンバー)/書類の郵送。※GビズIDエントリーは不可
機体情報メーカー名・型式名(プルダウンから選択)
製造番号機体本体のラベルまたは操作アプリ内で確認。不明な場合はメーカーへ問い合わせ
リモートID対応状況内蔵型か外付型か。外付型なら機器の製造者名・型式・製造番号も必要
決済手段クレジットカード/Pay-easy対応のATM・インターネットバンキング
飛行経歴(申請時)飛行許可申請には、原則として機体の種類別に10時間以上の飛行経歴が必要

表3:必要なものリスト

本人確認方法で手数料が最大2.6倍変わります

申請方法本人確認1機目2機目以降
(同時申請)
本人確認の目安
オンラインマイナンバーカード(個人)
GビズIDプライム/メンバー(法人)
900円890円1開庁日程度
オンライン運転免許証・パスポート(eKYC)/書類の郵送1,450円1,050円5開庁日程度
書面(郵送)書類の郵送2,400円2,000円─

表4:機体登録の手数料(1機あたり/新規・更新とも同額)。出典:航空法関係手数料令第8条

SkyLink Japanでは、個人はマイナンバーカード、法人はGビズIDプライムを、手数料を抑えやすく本人確認も進めやすい方法としてご案内しています。

SkyLink Japanからの実務上のご案内
表の「本人確認の目安」は、機体登録全体の完了日数ではありません。DIPS2.0のメーカー・型式の選択肢にない機体は追加確認が必要です。SkyLink Japan取扱機ではWingtra、Atlas、Aureliaなどが該当し、少なくとも1週間程度を見込んで、余裕を持って申請することをおすすめします。
2機目以降の割引は「1回の申請でまとめて申請した場合」のみ。日を分けて1機ずつ申請すると毎回1機目の価格になります。複数機を導入する際は、まとめて申請するのがおすすめです。

また、GビズIDプライムの取得には印鑑証明書の郵送等が必要で日数がかかります。導入が決まった段階で、機体の到着を待たずに先に申請しておくことをおすすめします。
個人・法人別の本人確認方法を選ぶフローチャート(マイナンバーカード/GビズIDプライム)

迷ったらこのフローで判断してください。

STEP 1
DIPS2.0アカウントの作成

アカウントは個人用と法人用の2種類。機体の所有者が個人なら個人、法人なら法人アカウントを開設します。

DIPS2.0ポータルにアクセス
▼
「ログイン・アカウント作成」→ 種別選択
▼
利用規約に同意 → 必要情報を入力
▼
メール認証受信メールのURLをクリック
▼
ログインIDがメールで届く英字3文字+数字6文字

【図解④】アカウント作成の流れ

入力項目は、個人が氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレス、法人が法人番号・団体名・代表者氏名・所在地・担当者情報です。パスワードは英字・数字・記号を使用し8文字以上32文字以下。

ログインIDはメールで届きますが、パスワードは送られてきません。必ず控えておいてください。

作成時に押さえておくこと

  • ログイン時にマイナンバーカードは不要です。カードが要るのは本人確認の場面のみ
  • 一度作ったアカウントは各手続きで共通利用できます(機体登録用のアカウントで飛行許可申請も可能)
  • 60分以上操作を中断するとやり直しになる場合があります
  • ブラウザの「戻る」「更新」ボタンは使用不可。複数端末での同時ログインも禁止
  • iPadOS搭載タブレットは動作保証対象外です。PC(Chrome/Edge/Safari)またはスマートフォンをお使いください
  • 認証メールが届かない場合はinformation@dips-reg.mlit.go.jpとinformation@dips.mlit.go.jpのドメイン受信許可を設定してください
2026年7月24日の告知:振り仮名記載版のマイナンバーカードは本人確認に使用できません。該当するカードをお持ちの場合はeKYCまたは郵送をご検討ください。

STEP 2
ドローンの機体登録

100g以上のドローンを屋外で飛ばすなら、飛行方法に関係なく必ず必要です。

「新規登録」→ 本人確認方法を選択
▼
所有者情報 → 機体情報 → 使用者情報
▼
確認 →「登録申請」
▼
到達確認メールのURLをクリックここまでで申請操作が完了
▼
航空局による審査(1〜5開庁日)
▼
手数料納付通知 → 納付
▼
登録記号の発行JU で始まる記号

【図解⑤】機体登録の全体フロー

機体情報の入力 ── ここがポイント!

入力項目つまずきやすい点
製造者名・型式名プルダウンから選択。該当メーカーがない場合は「自作した機体・その他」を選択して入力を継続します
製造番号機体のラベルまたはメーカーの操作アプリ内で確認。自作機は半角英数字20桁までで自分で設定
リモートID内蔵型か外付型か。外付型は機器の製造者名・型式・製造番号も入力
改造機・自作機上記に加え、機体重量・最大離陸重量・寸法・改造の概要、4方向から撮影した機体画像が必要

表5:機体情報の入力項目

手数料の納付と、登録までの期間

審査後に「【ドローン登録システム】申請受付、手数料納付のお知らせ」というメールが届きます。納付方法はクレジットカード/Pay-easy対応ATM/同インターネットバンキングの3つ。ただし郵送で本人確認をした場合、クレジットカードは使えません。納付期限は案内後3か月以内です。

期間は、本人確認方法や申請内容、メーカー・型式の登録状況によって異なります。DIPS2.0のメーカー・型式から選択できる場合でも、手続き完了から納付通知まで1〜5開庁日、納付後の登録記号発行まで1〜5開庁日が目安です。SkyLink Japanでは合計10開庁日程度かかった事例があり、それ以上の日数を要する可能性もあります。飛行予定日から十分な余裕を持って手続きを進めてください。

機体が届いてから登録するのでは遅い。

納品日に飛ばす予定があるなら、なおさらです。国土交通省も「機体購入時の登録」を推奨しています。

登録記号の表示方法

登録が完了すると「JU」で始まる登録記号が通知され、飛行までに遅滞なく機体へ表示する義務が生じます(航空法第132条の5)。表示せずに飛行させた場合は50万円以下の罰金です。

項目ルール(航空法施行規則第236条の6)
書体装飾体でないアラビア数字またはローマ字の大文字を、耐久性のある方法で鮮明に表示
表示場所機体の胴体のうち、容易に取り外せない部分の表面で、外部から容易に確認できる場所
文字の高さ25kg未満は3mm以上/25kg以上は25mm以上
色表示場所の地色と鮮明に判別できる色

表6:登録記号の表示ルール

25kg以上は25mm以上、25kg未満は3mm以上。出典:国土交通省「無人航空機登録ハンドブック」Chapter 1-07

方法はシール貼付・油性ペン・塗装・刻印などが認められています。実務上の注意は次のとおりです。

  • バッテリーやプロペラなど取り外せる部品への表示は不可。マルチローターなら機体上面またはアーム根元付近の胴体部分が一般的です
  • 耐候シールをラベルプリンターで印刷して貼る方法が、現場ではもっとも定着しています
  • 複数機を運用するなら貼付位置を社内で統一しておくと、現場確認や監査対応が楽になります
ドローン登録記号の正しい表示位置と避ける位置

「外から見える、取り外せない場所」に表示します。

リモートIDについて

リモートIDは、飛行中の機体が自機の識別情報を電波で発信し続ける仕組みです。発信するのは登録記号・製造番号(静的情報)と位置・速度・時刻(動的情報)で、1秒に1回以上、飛行中は自動的に発信し続けます。

近年の産業機は内蔵型(機体電源で作動)が主流です。旧型機や自作機では外付型(専用バッテリーで作動)を使用しますが、機器を交換・変更した場合はDIPS2.0での変更届出が必要です。

書き込みはDIPS APPで行います。機体一覧から対象機体を選び「リモートID書込」→「接続可能機体一覧」で選択→「OK」。書込状況が「済み」になれば完了です。

搭載義務が免除されるケース条件
事前登録機体2021年12月20日〜2022年6月19日の事前登録期間中に申請を完了した機体。登録更新後もリモートID搭載は不要のまま
リモートID特定区域あらかじめ届け出た区域で、補助者の配置等の監視措置と標識の設置等を講じた飛行
係留飛行十分な強度を有する長さ30m以下の紐等で係留し、飛行範囲を制限した飛行
警察等の秘匿業務警察庁・都道府県警察・海上保安庁等の、警備その他特に秘匿を必要とする業務のための飛行

表7:リモートID搭載義務の免除ケース

登録の有効期間は3年 ── ここが最大の落とし穴

制度開始時に登録した機体は、すでに一度目の更新時期を迎えています。

項目内容
有効期間3年(航空法第132条の6)
更新の適期有効期間満了日の1か月前から満了日まで
早く更新した場合1か月前より前に更新すると、新しい期限は更新した日から3年後。実質的に期間を損します
期限が切れた場合登録は抹消され、新規登録のやり直し。登録記号も変更されます
更新中の飛行更新手続きが完了するまで飛行させることはできません
手数料/登録記号手数料は新規と同額/登録記号は更新前後で変わりません

表8:登録更新のルール

2025年4月28日から期限間近の所有者にお知らせメールが配信されるようになりましたが、見落とせば期限切れ=登録抹消です。複数機を運用する組織では、機体台帳に有効期限の列を設けて管理することを強くおすすめします。

変更・抹消・売却・中古購入

  • 登録情報の変更(所有者・使用者の氏名/住所/連絡先の変更、機体の改造など)は事由があった日から15日以内に届出
  • 抹消登録(滅失、解体、2か月間の存否不明など)も15日以内に申請
  • 売却するときは、登録を抹消してから売却するか、売却後に新所有者とともに所有者移転の手続きを行います。移転は現所有者が「移転用パスワード」を発行し、新所有者が手続きします
  • 中古機を買ったときは、前所有者が抹消済みなら新規登録、登録が有効なままなら前所有者に移転または抹消を依頼します
中古機を購入する前に確認すること。販売者へ、前所有者の登録が「抹消済み」か「有効なまま」かを確認してください。抹消済みなら、抹消完了メールや画面の提示を依頼し、購入後に新規登録します。登録が有効なままなら、販売者が移転用パスワードを発行し、購入者と所有者移転を行えることを購入前に確認します。販売者の協力なしに購入者だけで移転手続きを完了することはできないため、手順を取り決めてから購入してください。
SKYLINK REGISTRATION SUPPORT

機体登録でつまずいていませんか。

SkyLinkでは、産業用ドローンの納品時に機体登録・リモートID設定のサポートを行っています。複数機の一括登録、法人アカウントの設計、有効期限の管理方法まで含めてご相談いただけます。

機体登録について相談する

STEP 3
飛行許可・承認とは?

機体登録が終わったら、次は「どこで、どのように飛行させるか」の話です。

登録済みの機体でも、航空法が定める特定の空域・飛行方法をする場合には、あらかじめ国土交通大臣の許可または承認が必要です。これらをまとめて「特定飛行」と呼びます。

用語対象根拠条文
許可下記空域で飛行を行う場合
空港等周辺、高度150m以上、人口集中地区(DID)上空
航空法第132条の85
承認下記飛行方法を行う場合
夜間、目視外、30m未満、催し場所上空、危険物輸送、物件投下
航空法第132条の86

表9:「許可」と「承認」の違い

カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲという考え方

カテゴリー定義必要な手続き
Ⅰ特定飛行に該当しない飛行許可・承認は不要
Ⅱ特定飛行のうち、飛行経路下で立入管理措置を講じたものⅡAとⅡBで異なる
Ⅲ特定飛行のうち立入管理措置を講じないもの=第三者上空を飛ぶ飛行(レベル4)一等技能証明+第一種機体認証+本省への個別申請

表10:カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲの区分

立入管理措置とは、「第三者の立入りを制限する区画を設定し、その範囲を明示する標識の設置等を行うこと」。看板やコーンによる表示、補助者による監視と口頭警告などです。言い換えれば「関係者以外がドローンの真下に入ってこない状態をつくること」。これがあればⅡ、なければⅢです。

区分対象手続き
ⅡA①空港等周辺 ②高度150m以上 ③催し場所上空 ④危険物輸送 ⑤物件投下 ⑥最大離陸重量25kg以上技能証明・機体認証があっても必ず許可・承認が必要
ⅡB上記以外=DID上空/夜間/目視外/人・物件から30m未満原則は必要。一定の条件を満たせば不要にできる(次章)

表11:カテゴリーⅡA と ⅡB の違い

カテゴリーI・II・IIIの違いを示す比較図

立入管理措置の有無で、Ⅱ(管理あり)とⅢ(管理なし=第三者上空)に分かれます。

飛行レベル1〜4という別の切り口

行政資料や実証実験のニュースでは、自動化度合いと目視・地域の条件で整理した飛行レベルという言い方も使われます。レベル1(目視内の操縦)、レベル2(目視内の自動・自律)、レベル3(無人地帯の目視外)、レベル3.5(無人地帯の目視外のうち、補助者・看板による立入管理を機上カメラでの確認に代替。2023年12月創設)、レベル4(有人地帯=第三者上空での補助者なし目視外=カテゴリーⅢ)です。

レベル3.5の要件は、①機上カメラによる第三者不在の事前確認 ②第三者賠償責任保険への加入 ③目視内飛行の限定解除を受けた技能証明の3点。2026年1月末時点で152の事業者・団体が実施しており、インフラ点検・物流の現場で急速に広がっています。

飛行許可・承認が必要な10の飛行

この10類型のいずれにも当たらなければ、航空法上の許可・承認は不要です。

#飛行の種類内容区分
1空港等の周辺進入表面・転移表面・水平表面等の上空。空港設置管理者や管制機関との事前調整が必須。空港等周辺の空域は個別の確認が必要です。東日本は東京空港事務所、西日本は関西空港事務所が窓口となるため、申請前に管轄事務所へお問い合わせください。
窓口・管轄:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」
許可
ⅡA
2緊急用務空域災害・事故等で緊急用務の航空機が飛行する空域。許可があっても飛行できません原則
禁止
3高度150m以上地表・水面から高度150m以上となる空域。管制機関との事前調整が必要許可
ⅡA
4人口集中地区(DID)国勢調査に基づく人口集中地区の上空。都市部のほとんどが該当許可
ⅡB
5夜間飛行日没後から日出前まで。国立天文台発表の日出・日没時刻が基準承認
ⅡB
6目視外飛行モニター・双眼鏡・カメラでの監視は「目視」に当たりません。補助者が見ていても不可承認
ⅡB
7人・物件から30m未満第三者や第三者の建物・車両等から30mの距離を確保できない飛行承認
ⅡB
8催し場所上空祭り、花火大会、スポーツ大会など。人数だけでなく場所・日時・主催者の意図等から総合判断承認
ⅡA
9危険物の輸送火薬類、高圧ガス、引火性液体等承認
ⅡA
10物件投下水や農薬等の液体散布も物件投下に該当します承認
ⅡA

表12:許可・承認が必要な飛行の10類型

緊急用務空域は「許可の対象外」です。災害・事故が発生すると、消防・警察・自衛隊のヘリが活動する空域が指定されます。包括許可を持っていても、機体認証・技能証明があっても飛行できません。飛行開始前に、国土交通省ホームページと公式X(@mlit_mujinki)で該当有無を確認する義務があります。

なお2026年、都市計画法の工業専用地域内の区域はDIDの規制対象から除外されました。工場・プラント点検、資材管理を行う事業者にとって実務上大きな緩和ですが、申請時には経路上のDIDを確認済みである旨の記載が必要です。

許可・承認の確認が必要な10種類の飛行

この10類型のいずれかに当たれば、許可・承認の検討が必要です。

申請前に確認!機体認証+技能証明があれば申請不要?
── 実務での本当のところ

「二等の国家資格を取って、第二種機体認証を受けた機体を使えば、飛行申請は要らないんですよね?」

近年もっとも多くいただくご質問です。結論から申し上げると、制度上は正しい。しかし実務上は、ほとんどの事業者にとって現時点では使えません。

国土交通省は「立入管理措置を講じた上で、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合、飛行マニュアルの作成等の措置を講じることにより、許可・承認を不要とすることができます」と説明しています。法律上は「許可が免除される」のではなく、そもそも禁止規定の適用対象から外れる建て付けです。

問題は、その先にある4つの条件にあります。

条件① 対象は「カテゴリーⅡB」の4つだけ

申請不要にできる飛行(ⅡB)申請不要にできない飛行(ⅡA・Ⅲ)
① 人口集中地区(DID)上空
② 夜間飛行
③ 目視外飛行
④ 人・物件から30m未満
※いずれも最大離陸重量25kg未満
① 空港等周辺 ② 高度150m以上 ③ 催し場所上空
④ 危険物の輸送 ⑤ 物件投下(液体散布を含む)
⑥ 総重量25kg以上の機体 ⑦ カテゴリーⅢ飛行
※技能証明・機体認証があっても必ず許可・承認が必要

表13:申請不要ルートの対象範囲

測量・インフラ点検の現場を思い浮かべてください。高度150m以上、25kg以上の大型機、農薬散布(物件投下)── これらは日常的に発生し、そのすべてが対象外です。

条件② 二等の「基本形」では、夜間と目視外は使えません

ここが、もっとも誤解されているポイントです。

二等無人航空機操縦士の技能証明には、標準で「目視内飛行の限定」「昼間飛行の限定」「最大離陸重量25kg未満の限定」が付されています。そして国土交通省は明確にこう書いています。

「夜間での飛行及び目視外での飛行をカテゴリーⅡ(飛行許可・承認申請が不要な飛行)として実施する場合は、技能証明の限定変更が必要」
出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」

つまり、二等の基本形だけで申請不要にできるのは「DID上空」と「人・物件30m未満」の2つだけです。

夜間飛行には夜間飛行の限定解除、目視外飛行には目視外飛行の限定解除が別途必要です。限定の範囲外で特定飛行を行えば、行政処分(14点)の対象になります。

行政処分の点数が意味するもの:国土交通省の基準では、12〜14点は原則として技能証明の効力停止1年の区分です。13点・14点はいずれもこの区分に該当します。実際の点数と処分は、個別事情による加重・軽減や審査を経て決定されます。
出典:国土交通省「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」

条件③ 機体認証の「使用条件等指定書」の範囲内であること

機体認証を受けると、認証書と併せて「使用条件等指定書」が交付されます(航空法第132条の14)。最大飛行高度・速度、風速などの環境条件が記載され、操縦者はこの範囲内でしか特定飛行を行えません(違反は行政処分13点)。

さらに型式認証機には飛行制限記号(a=夜間禁止/b=目視外禁止/c=30m未満禁止/d=催し場所上空禁止/e=爆発性・易燃性物件の輸送禁止/f=物件投下禁止)が付きます。たとえばソニー Airpeak S1 には c、センチュリー DHOPEⅠ-J01 には b が付いており、その飛行についてはその機体で申請不要ルートを使えません。

条件④ 対象となる型式認証機を確認

申請不要ルートを使える機体は限られます。対象機種と飛行制限は、最新の一覧で確認してください。

2026年版・一覧資料 第二種型式認証機 全14機種一覧を見る メーカー・型式・重量区分・飛行制限をまとめて確認できます。

申請が不要になっても、消えない義務があります

もう一点、見落としやすい注意点があります。飛行許可・承認申請が不要になっても、他の義務は一切減りません。

機体登録、リモートID搭載、飛行計画の通報(30万円以下の罰金)、飛行日誌の作成・携行(10万円以下の罰金)、事故等の報告(30万円以下の罰金)、負傷者の救護、飛行マニュアルの作成、飛行前確認 ── これらはすべて残ります。消えるのは「DIPS2.0での許可・承認申請」というひとつの手続きだけで、包括申請ならそれは1年に1回です。

まとめ ── 制度上は正しく、実務上は「まだ早い」

整理すると、申請不要ルートが実務で使いにくい理由は6つです。

  1. 対象機体がほぼ存在しない。DJI Matrice 300 RTK(以下、M300)/DJI Matrice 350 RTK(以下、M350)/DJI Matrice 30シリーズ(以下、M30)/DJI Mavic 3シリーズ/Skydio/ACSL SOTENはいずれも対象外
  2. 個別の機体認証は費用対効果が合わない。1機418,800円 対 包括申請は無料
  3. 二等の基本形では夜間・目視外が使えない。限定解除の追加取得が必要
  4. 業務で頻出する飛行が対象外。高度150m以上、25kg以上、催し場所上空、物件投下
  5. 使用条件等指定書と飛行制限記号の縛りがある
  6. 事務負担はほとんど減らない。飛行マニュアル、飛行計画通報、飛行日誌、事故報告はすべて残る

逆に現実的なのは、型式認証済みの機体(DJI Mini 4 Pro、Matrice 4D/4TD、Airpeak S1、イームズ E6150TC など)を新規導入する場合や、飛行内容がDID上空・30m未満に限定されている場合、単発案件で包括申請の審査期間を待てない場合です。

2026年8月時点では、大多数の事業者にとって「包括申請」が現実解です。

ただし、DJIが2025年にMini 4 Pro、2026年にMatrice 4D/4TDの型式認証を取得したように、対応機種は着実に増えています。2〜3年後には状況が変わっている可能性が高い領域です。技能証明の取得自体は、申請書類の簡素化(様式3の省略)というメリットが今すぐ得られるため、無駄にはなりません。

カテゴリーIIBの申請不要ルート判定チャート

4つの関門をすべて通過してはじめて、申請不要になります。

対象機種と飛行制限は「第二種型式認証機 全14機種一覧(2026年版)」をご確認ください。

STEP 4
包括申請と個別申請

包括申請とは、一定期間内に反復して飛行する場合、あるいは複数の場所で飛行する場合に、それらをまとめて申請する方法です。業務利用の事実上の標準手続きになっています。

項目包括申請個別申請
飛行場所「日本全国」等、特定しないことが可能(1申請につき地図5つまで)場所・経路を特定(地図の作成が必須)
飛行日時期間で申請。原則3か月以内、継続的飛行が明らかな場合は1年を限度日時を特定
使用マニュアル場所を特定しない場合は航空局標準マニュアル02標準マニュアル01(01と02の併用は不可)
向いている用途反復・継続する定常業務単発案件、条件の厳しい飛行

表14:包括申請と個別申請の比較

包括申請ができない飛行

次の飛行は、場所・日時を特定した個別申請になります。

空港等周辺/高度150m以上/催し場所上空/人口集中地区上空の夜間飛行/夜間における目視外飛行/補助者を配置しない目視外飛行/趣味目的/研究開発目的。

また、第三者上空を飛ぶカテゴリーⅢ飛行(レベル4)は、国土交通省航空局安全部無人航空機安全課(本省)への個別申請で、提出期限は飛行開始予定日の20開庁日前までです。

申請の流れと提出期限

DIPS2.0の申請は10ステップで構成されます。ログイン → 無人航空機情報の登録 → 操縦者情報の登録 → 新規申請 → 簡易カテゴリー判定 → 飛行概要・飛行詳細 → 機体・操縦者の選択 → その他詳細情報 → 確認 → 提出。

「機体登録」と「無人航空機情報の登録」は別の手続きです。STEP2で行った機体登録(登録記号の取得)とは別に、飛行許可申請では基準適合性・操縦装置・運用限界などの情報を追加で登録する必要があります。「機体登録したのに申請画面に機体が出てこない」という場合は、この登録がまだの可能性が高いです。
種別提出期限
カテゴリーⅡ 新規飛行開始予定日の10開庁日前まで。国交省は3〜4週間程度の余裕を推奨
カテゴリーⅢ 新規飛行開始予定日の20開庁日前まで
更新申請(共通)期間満了日の40開庁日前から10開庁日前まで

表15:提出期限

申請先は、DIDおよび飛行の方法が東京航空局/大阪航空局、空港等周辺・高度150m以上が東京空港事務所/関西空港事務所(24時間対応)、カテゴリーⅢが本省です。

【2025年12月18日施行】民間技能認証の優遇が廃止されました。
従来、JUIDA・DPAなどの民間資格があれば「様式3および追加基準適合性資料の提出が不要」という優遇がありましたが、これは廃止され、省略できるのは国家資格(技能証明)保有者のみになりました。「航空局ホームページ掲載無人航空機」の制度も廃止され、資料を省略できるのは型式認証機・機体認証機のみです。

さらに押さえておきたいのは、旧制度を前提とした過去の申請は「複製」「変更申請」「更新申請」が行えないという点です。民間資格ベースで取得した包括許可をお持ちの場合、更新ではなく新規申請のやり直しになる前提でスケジュールを組んでください。

※画面ごとの入力内容、飛行の目的の選択肢、差戻し・補正の原因、更新/変更/複製の使い分けなど、包括申請の実務は別記事「DIPS2.0 包括申請の実務ガイド」で詳しく解説しています。

包括申請と個別申請の使い分けフローチャート

まず「包括申請ができない飛行」に当たるかを確認するのが早道です。

STEP 5
飛行計画の通報

許可を取っただけでは、まだ飛ばせません。

見落とされやすいのですが、特定飛行を行う者には、飛行のたびに飛行計画を通報する義務があります(航空法第132条の88)。違反すると30万円以下の罰金。「一度申請したから大丈夫」という思い込みが、実は少なくありません。

かつて飛行計画の共有は「FISS」という別システムで行われていましたが、FISSはDIPS2.0に統合され、現在は「飛行計画の通報・確認」機能としてDIPS2.0の中にあります。

項目内容
対象特定飛行を行おうとする者すべて(特定飛行以外でも通報が推奨)
タイミング「飛行開始前に、時間に十分なゆとりを持って」事前通報。「何時間前まで」という数値規定はありません。入力日から最長90日先まで登録可能
例外①システム障害時は飛行開始後の通報も可 ②捜索・救助目的の飛行は通報不要
中止する場合中止が判明した時点で速やかに通報を取り消す

表16:飛行計画通報の基本ルール

他機との重複確認と調整

通報は「出して終わり」ではありません。操縦者には事前に飛行経路上の他機の飛行計画を確認する義務があり、飛行日時・経路・高度のすべてが重複する場合は、飛行を中止するか、当事者間で調整して重複のない飛行計画を通報しなければなりません。

DIPS2.0は重複を検知すると警告を表示します。2024年3月からは調整掲示板機能が追加され、地図情報と掲示板が統合された画面で、定型文によるメッセージのやり取りができるようになりました。なお連絡先メールアドレスは他のユーザーに公開されるため、業務用アドレスの登録をおすすめします。

飛行計画通報と重複時の調整フロー

重複時は「計画を変更する」か「調整掲示板で相手と調整する」を選びます。

STEP 6
飛行開始前チェック

飛行前の確認は航空法上の遵守事項であり、日常点検記録として飛行日誌に残す義務があります。以下は、法令上の要求事項と実務ノウハウの両面から整理したチェック項目です。

A. 機体・機材

  • バッテリー:残量、膨張・変形・液漏れの有無、端子の汚れ
  • プロペラ:欠け・ひび・変形・緩み、取付方向、予備の携行
  • 機体外観:フレームのひび、ネジの緩み、アームのガタつき、ジンバルの動作
  • センサー・カメラ:レンズとビジョンセンサーの汚れ、レンズカバーの取り外し
  • GNSS/コンパス/IMU:受信衛星数、測位精度、キャリブレーション、エラー表示の有無
  • 送信機・端末:バッテリー残量、ファームウェアの更新状態、通信の確立
  • 記録メディア:SDカードの装着と空き容量
  • リモートID:発信状態(DIPS APPの飛行前点検機能で確認可)
  • 登録記号:機体に鮮明に表示されているか

B. 場所・環境

  • 飛行空域:DID・空港周辺・高度150m以上に該当しないか
  • 緊急用務空域:国交省HPおよび公式X(@mlit_mujinki)で該当有無を確認
  • 小型無人機等飛行禁止法:対象施設周辺に該当しないか(2026年7月14日から空港周辺がおおむね300m→おおむね1,000mに拡大)
  • その他の規制:条例、公園管理者のルール、河川管理者の許可
  • 土地所有者・管理者の許可:離着陸場所の使用許諾
  • 気象:風速(機体の運用限界内か)、降雨、視程、雷、日出・日没時刻
  • 周辺の障害物・電波環境:電線、鉄塔、樹木、クレーン、基地局や高圧線による干渉
  • 第三者の有無:立入管理区画の設定、コーン・看板の配置、補助者の配置と役割分担

C. 手続き・書類

  • 機体登録:有効期限が切れていないか
  • 許可書:許可・承認の範囲内の飛行か、有効期間内か
  • 飛行計画の通報:DIPS2.0で通報済みか、他機との重複はないか
  • 飛行日誌:紙または電子で携行しているか
  • 技能証明書:保有者は携行
  • 保険:加入内容と有効期間(総重量25kg以上は第三者賠償責任保険が必須)

D. 操縦者・体制

  • アルコール・薬物:影響下にないこと(航空法上の遵守事項)
  • 体調:睡眠不足、疲労、体調不良はないか
  • 役割分担:操縦者・補助者・安全管理者の役割が明確か
  • 緊急時の手順:不具合発生時の対応、緊急着陸地点の設定、消火器の準備
  • 周囲への周知:近隣住民・施設管理者への事前説明
現場で使えるドローン飛行前チェックリスト

現場に持ち出せる形で用意しておくと、点検の抜けが激減します。

飛行後にやること

実は、多くの事業者がもっとも取りこぼしているのがここです。

① 飛行日誌の記載(義務・罰則あり)

特定飛行を行う操縦者および使用者には、飛行日誌の作成・携行が義務づけられています(航空法第132条の89)。違反は10万円以下の罰金です。

記録記載のタイミング主な記載事項
様式1
飛行記録
飛行させた都度登録記号/種類/型式/製造番号/飛行年月日/操縦者氏名・技能証明書番号/飛行目的・経路/特定飛行の形態/離着陸場所・時刻/飛行時間/製造後の総飛行時間/安全に影響のあった事項/不具合と対応
様式2
日常点検記録
飛行させる都度登録記号/実施年月日・場所/実施者氏名/点検項目ごとの結果/特記事項
様式3
点検整備記録
定期点検整備・改造の都度登録記号/実施年月日・場所/実施者氏名/実施時点の総飛行時間/点検・修理・改造・整備の内容/実施理由/特記事項

表17:飛行日誌の3つの記録

  • 「1飛行」の定義:電源を作動させて離陸し、着陸後に電源を停止するまで。ただし単一の飛行エリア内で同一ミッションを連続実施する場合は「1飛行」として1行にまとめて記載できます
  • 電子での記録・保管は正式に認められています。クラウドや専用アプリでの管理も可能ですが、各様式のような形で表示・印刷できることが条件です
  • 常時携行が必要です。紙でも電磁的記録でも構いませんが、参照・提示できる状態にしておく必要があります
  • 保管期間:ガイドラインは「無人航空機が登録されている間は継続しなければならない」としています
繰り返しになりますが、DIPS2.0に飛行日誌の作成機能はありません。国土交通省が公開しているExcel(様式1)/Word(様式2・3)を使うか、民間のアプリ・クラウドをご利用ください。複数機・複数名を運用するなら、早い段階で電子管理の仕組みを決めておくことを強くおすすめします。紙の日誌は、監査対応や総飛行時間の集計で必ず行き詰まります。

② 事故・重大インシデントの報告(義務・罰則あり)

事故等が発生した場合、直ちに飛行を中止し、負傷者を救護するとともに国土交通大臣に報告する義務があります。

区分該当する事象
事故① 人の死傷(重傷以上。操縦者・関係者も含む)② 第三者の物件の損壊(軽微なものも含めすべて)③ 航空機との衝突・接触(機体に損傷が確認できるもの)
重大
インシデント
① 航空機との衝突・接触のおそれ(回避措置を講じた場合)② 人の負傷(軽傷)③ 制御が不能となった事態(機体不具合による場合。操縦ミスは除く)④ 飛行中に発火した事態

表18:報告が必要な事故・重大インシデント

報告はDIPS2.0の「事故等の報告」機能から速やかに行います。区分の判断に迷う場合、初回はどちらかを選んで報告すれば、報告の要否・区分は航空局が判断してくれます。迷ったら報告するのが原則です。罰則は、報告義務違反が30万円以下の罰金、救護義務違反が2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

③ 整備記録とバッテリー管理

法令上の義務は点検整備記録ですが、実務上はこれに加えて、バッテリーの充放電サイクル管理(ID・購入日・サイクル数・膨張の有無の台帳化)、保管時の充電率(メーカー推奨の40〜60%程度)、プロペラの交換サイクル、ファームウェアの更新履歴、総飛行時間の自動集計までを仕組み化しておくと、機体の健全性と記録の両方を無理なく維持できます。

飛行日誌から点検整備記録までの管理サイクル

記録は「義務だから残す」ではなく、機体の健全性を保つための仕組みです。

2025〜2026年の制度改正まとめ

ここ1〜2年で、実務に直結する改正が集中しています。

古い記事やスクールのテキストを見て手続きを進めると、現行制度と食い違うおそれがあります。

時期改正内容実務への影響
2025年
3月24日
カテゴリーⅡ飛行の申請手続の簡素化/総重量25kg以上の機体要件の改正申請書類の一部が簡素化
2025年
10月1日
総重量25kg以上の機体は、第三者賠償責任保険への加入が必須に未加入だと新規申請が通りません
2025年
12月18日
審査要領の大幅改正。①「ホームページ掲載無人航空機」制度の廃止 ②「民間技能認証」による省略制度の廃止 ③「航空局HP掲載の団体等が定める飛行マニュアル」の廃止旧制度前提の許可は複製・変更・更新ができず、新規申請のやり直しが必要
2025年
12月26日
航空局標準マニュアルが現行版に改訂古い版を使っている場合は差し替えが必要
2026年人口集中地区(DID)から、都市計画法の工業専用地域内の区域を除外工場・プラント点検、資材管理で規制が緩和
2026年
6月2日
「多数機同時運航ガイドライン」第二版を公開(操縦者1人あたり機体5機まで)複数機同時運航を計画する事業者に影響
2026年
7月14日
小型無人機等飛行禁止法の改正。対象空港周辺地域がおおむね300m→おおむね1,000mに拡大航空法とは別の法律ですが実務上の影響は大。空港周辺の飛行計画は要再確認
2026年
7月14日
「無人航空機の飛行の安全に関する教則」第5版が学科試験に適用技能証明の受験予定者は最新版で学習を
2026年
7月28日
航空法第132条の92の特例適用事例にクマ対策を含む獣害予防飛行を追加自治体の鳥獣対策部門に関係

表19:2025〜2026年の主な制度改正

2025年から2026年のドローン制度改正タイムライン

まとめ ── 手続きの全体像を1枚で

① DIPS2.0アカウントの開設本人確認方法を先に決める
▼
② 機体登録(100g以上は必須)登録記号の取得 → 表示 → リモートID書込
▼
③ 飛行内容の確認特定飛行か?カテゴリー判定
▼
④ 飛行許可・承認申請包括/個別。10開庁日前まで
▼
⑤ 飛行計画の通報飛行のたびに必須。違反は30万円以下の罰金
▼
⑥ 飛行前チェック → 飛行
▼
⑦ 飛行日誌の記載・記録の管理違反は10万円以下の罰金。事故時は速やかに報告

【図解⑮】DIPS2.0を軸にした手続きの全体フロー

  • 機体登録と飛行許可・承認は別制度。100g以上なら飛行方法を問わず登録が必要で、特定飛行なら加えて許可・承認が必要です
  • 本人確認方法で手数料と日数が変わります。個人はマイナンバーカード、法人はGビズIDプライムが最安・最速
  • 機体登録の有効期間は3年。更新の適期は満了日の1か月前から満了日まで。切らすと登録記号ごと取り直しです
  • 「機体認証+技能証明で申請不要」は制度上正しいが、実務上はまだ使えない。2026年時点では包括申請が現実解です
  • 申請が終わっても義務は続きます。飛行計画の通報と飛行日誌は、許可の有無にかかわらず特定飛行に付いてまわります
  • 2025年12月18日の改正は要確認。民間資格ベースの旧許可は更新できず、新規申請のやり直しが必要です

手続きは、飛ばすためのハードルではなく、飛ばし続けるための土台です。

自社で申請して飛ばすか、飛行業務をプロに任せるか

測量・点検・空撮などの成果が必要な場合、必ずしも自社で機体・操縦者・運航体制を抱える必要はありません。必要なときに、飛行業務そのものを委託する方法もあります。

  • 測量・計測:飛行計画、データ取得、点群・オルソなどの成果物作成
  • インフラ・設備点検:現場条件に合わせた機体・センサー選定と撮影
  • 空撮・現況記録:目的に合わせた撮影計画とデータ納品
  • 高難度の現場運用:グループの専門チームと連携した運航体制を提案
PROFESSIONAL DRONE OPERATIONS

飛行が難しい現場こそ、プロにお任せください。

SkyLink Japanは、現場条件に合わせた機体選定から、飛行計画、現場運用、データ取得まで一気通貫で対応します。

ドローン業務の委託を相談する

※実施可否は、空域、土地管理者の承諾、現場条件、天候、安全要件などを確認したうえで判断します。

あわせて読みたい

出典・参考
  • 国土交通省「無人航空機の飛行ルール」 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
  • 国土交通省「無人航空機登録ポータルサイト」 https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
  • 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html
  • 国土交通省「飛行計画の通報・飛行日誌の作成」 https://www.mlit.go.jp/koku/operation.html
  • 国土交通省「事故等の報告及び負傷者救護義務」 https://www.mlit.go.jp/koku/accident_report.html
  • 国土交通省「機体認証等」 https://www.mlit.go.jp/koku/certification.html
  • DIPS2.0 ポータルサイト https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
  • ドローン登録システム よくある質問 https://www.dips-reg.mlit.go.jp/contents/drs/question.html
  • 無人航空機登録要領 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001442849.pdf
  • 審査要領(カテゴリーⅡ飛行)※令和7年12月12日最終改正 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001866503.pdf
  • 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版 https://www.mlit.go.jp/common/002010809.pdf
  • 型式認証を取得している無人航空機一覧(令和8年6月19日現在) https://www.mlit.go.jp/koku/content/002008366.pdf
  • 機体認証手数料 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001572190.pdf
  • 無人航空機の飛行計画の通報要領 https://www.mlit.go.jp/common/001878897.pdf
  • 無人航空機の飛行日誌の取扱要領 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001574394.pdf
  • 航空法/航空法施行規則/航空法関係手数料令(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231

本記事の制度情報・数値は2026年8月6日時点の公表資料に基づきます。制度は改正が頻繁なため、実際の手続きにあたっては必ず各出典元で最新情報をご確認ください。本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の申請の可否を保証するものではありません。

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