包括申請は、入力を始める前に迷いやすいポイントを確認しておくと、手続きを進めやすくなります。この記事では、申請前の判断から提出後の確認まで、実際の作業順に見ていきます。
まず確認しておきたいのは、次の4点です。
- その飛行を経路未特定で申請できるか
- 機体・操縦者の事前登録が済んでいるか
- 飛行マニュアルを正しく選べているか
- 高度、目視、住所を正しく入力できているか
ここを押さえたうえで、申請画面を順番に進めていきましょう。
- 申請したい飛行が「経路を特定しない申請」の対象か確認する
- 機体情報と操縦者情報を登録する
- 「新規申請」から簡易カテゴリー判定を行う
- 飛行概要、使用機体、操縦者、飛行マニュアルを入力する
- 保険・緊急連絡先を入力し、申請書を提出する
- 「申請書一覧」でステータスを確認する
申請は、飛行開始予定日の10開庁日前までに行う必要があります。補正を求められる場合もあるため、できれば3〜4週間前から準備しておくと安心です。
1. その飛行は包括申請できる?
包括申請は、同じ申請者が一定期間に繰り返し飛行する場合や、複数の場所で飛行する場合に、まとめて申請する方法です。継続的に飛行することが明らかな場合は、最長1年で申請できます。
ただし、すべての飛行を「日本全国」などの経路を特定しない形で申請できるわけではありません。
| 申請時に必要な特定 | 主な飛行 |
|---|---|
| 経路を特定しない申請が可能 | DID上空、夜間、目視外、30m未満、危険物輸送、物件投下など(ほかの条件を満たす場合) |
| 飛行経路の特定が必要 | 空港等周辺、地表・水面から150m以上、DID上空の夜間、夜間の目視外、補助者を配置しない目視外、趣味・研究開発目的 |
| 経路と日時の特定が必要 | DID上空での夜間・目視外飛行、催し場所上空 |
飛行内容によって必要な特定の範囲が異なります。
経路を特定しない場合は、原則として航空局標準マニュアル02を使用します。場所を特定する申請では、飛行内容に合うマニュアルを選んでください。
判断に迷う場合
DIPS2.0の「簡易カテゴリー判定」を行い、表示された結果と国土交通省の包括申請の案内を照合してください。
2. DIPS2.0を開く前に準備するもの
入力の途中で確認作業に戻らなくて済むよう、次の情報を先に揃えておきましょう。
- DIPS2.0のアカウント
- 機体の登録記号と登録有効期限
- 飛行申請用の「無人航空機情報」
- 操縦者情報と機種別10時間以上の飛行経歴
- 飛行目的、場所、期間、飛行方法
- 使用する飛行マニュアル
- 保険会社・商品・対人対物の補償額
- 緊急連絡先
「機体登録」と「無人航空機情報の登録」は別です
機体登録を済ませて登録記号を取得しただけでは、飛行許可・承認申請に使えない場合があります。申請ではさらに、機体の基準適合性、操縦装置、運用限界、飛行方法などを「無人航空機情報」として登録します。
申請画面に機体が表示されない場合は、この登録が済んでいるか確認してください。他人が所有する機体を使う場合は、所有者側で「機体情報の提供」が必要です。
3. 申請画面は6段階で進めます
国土交通省の操作マニュアルでは新規申請を10ステップで説明しています。画面上は項目が多く見えますが、作業の流れを6段階に分けると整理しやすくなります。
- 事前登録機体情報と操縦者情報を登録します。機体登録だけでは、飛行申請に使う機体情報の登録まで終わっていない場合があります。
- 簡易カテゴリー判定空域、飛行方法、立入管理措置、技能証明・機体認証、機体重量などを回答します。
- 飛行概要・詳細目的、必要な許可・承認、場所、期間を入力します。全国包括か場所特定型かを取り違えないようにします。
- 機体・操縦者・マニュアル使用機体、操縦者、追加基準、飛行マニュアルを選択します。
- その他詳細保険、緊急連絡先、許可書の受取形式を入力します。
- 確認・提出申請書全体を確認して提出し、「作成中」のまま終了していないか確認します。
簡易カテゴリー判定
「新規申請」を選ぶと、最初に簡易カテゴリー判定が表示されます。主に次の内容を回答します。
- 空港周辺、150m以上、DIDなどの飛行空域
- 夜間、目視外、30m未満、危険物輸送、物件投下などの飛行方法
- 立入管理措置と補助者の配置
- 技能証明・機体認証の有無
- 機体重量の区分
結果が「カテゴリーⅠ」または「申請不要」なら、航空法上の飛行許可・承認申請は不要です。カテゴリーⅡまたはⅢの場合は、判定結果をもとに次へ進みます。
飛行概要・詳細
| 入力項目 | 確認すること |
|---|---|
| 飛行目的 | 該当する目的をすべて選ぶ |
| 立入管理措置 | 補助者や立入禁止区画など、実際に行う措置を選ぶ |
| 許可・承認が必要な理由 | 対象となる空域と飛行方法を選ぶ |
| 年間を通じた飛行 | 1年間の継続飛行を予定する場合は「はい」 |
| 飛行場所 | 全国包括か、住所・地図を登録する場所特定型かを選ぶ |
| 飛行期間 | 天候による延期と審査期間を見込んで設定する |
機体・操縦者・マニュアル
使用する機体と操縦者を選び、機体ごとに追加基準への適合性を入力します。独自マニュアルを添付する場合は、航空局標準マニュアルとの差異も記載します。基準適合性に「否」がある場合は、代替的な安全対策の入力が必要です。
保険情報を入力して提出
保険会社名、商品名、対人・対物の補償金額、緊急連絡先を入力します。最後に申請書全体を確認し、提出します。
提出後は「申請書一覧」を開き、ステータスが「審査待ち」または「審査中」になっていることを確認してください。
4. 差戻しを防ぐ7項目チェック
入力を終えたら、提出ボタンを押す前に次の7点を見直しましょう。
- 高度:地表等からの高度と海抜高度を混同していない
- 目視:双眼鏡や補助者の監視を目視として扱っていない
- 住所:都道府県から地番まで省略していない
- 調整機関:空港管理者などを正式名称で記載した
- 機体登録:登録の有効期限が切れていない
- 資格・資料:廃止された旧優遇を前提にしていない
- 保険:総重量25kg以上の機体は第三者賠償責任保険に加入済み
2025年12月以降は旧データの流用に注意
2025年12月18日以降、民間技能認証と「航空局ホームページ掲載無人航空機」を前提とした資料省略の扱いが変わりました。過去の申請を複製・更新するときは、古い優遇を前提とした内容が残っていないか確認してください。
- 操縦者資料の省略対象は、原則として国家資格である技能証明の保有者
- 機体資料の省略対象は、型式認証機・機体認証機
5. 更新・変更・複製の違い
| 操作 | 使う場面 |
|---|---|
| 更新 | 許可内容を変えず、飛行期間だけ延長したい |
| 変更 | 許可期間中に機体、操縦者、マニュアルなどを変更したい |
| 複製 | 過去の申請をもとに、編集可能な新規申請を作りたい |
提出後に誤りに気づいた場合は、申請書を複製して正しい内容に直し、元の申請を取り下げます。
6. 提出後のステータスを確認する
| ステータス | 状態 |
|---|---|
| 作成中 | まだ提出されていません |
| 審査待ち/審査中 | 送信済みで、受付または審査が進んでいます |
| 補正申請書作成中 | 補正指示への対応が必要です |
| 許可書発行/手続終了 | 審査・発行手続きが完了しています |
「送信できたか分からない」ときは、まず申請書一覧を確認しましょう。「作成中」のままなら、まだ提出されていません。
申請から現場運用まで相談したい方へ
SkyLink Japanでは、測量・点検・空撮などのドローン業務を全国で承っています。現場条件を確認したうえで、機体選定、飛行計画、当日の運用、データ取得まで対応します。
ドローン業務について相談する※実施可否は、空域、土地管理者の承諾、現場条件、天候、安全要件などを確認したうえで判断します。
出典・参考資料を表示
制度に関する記載は、2026年8月6日時点の公表資料をもとにしています。手続きの前に、各出典元で最新情報をご確認ください。
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