電源が続く限り、降ろさない。係留ドローンという「止まらない目」。
バッテリー交換のたびに途切れる監視を、テザー給電による連続飛行に置き換える。指令・映像はすべてテザー(有線)を経由し、機体側の無線送信を前提としない構成。米陸軍で最も配備されている係留UASプラットフォーム、SPECTRE と SENTRY を SkyLink Japan がご案内します。
上記はメーカー公称値です。日本国内での運用可否・高度・電波利用については、航空法および電波法に基づく個別確認が必要です(本ページ「日本国内で運用する際の確認事項」参照)。
Issue
「常時、上から見ていたい」現場で、マルチコプターが越えられない6つの壁。
災害対応・重要インフラの警備・大規模イベントの管制。いずれも必要なのは30分の映像ではなく、事案が終わるまで途切れない映像と通信です。
バッテリーで監視が途切れる
一般的なマルチコプターの飛行時間は1本あたり20〜40分程度。交換のたびに降下・着陸・再離陸が発生し、その間の空白は記録に残りません。
夜間・長時間の張り付きに人手が持たない
交代要員とバッテリー本数がそのまま人件費になります。24時間の警戒を続けるほど、機体ではなく運用体制がボトルネックになります。
地上の無線が地形に負ける
山間部・谷筋・建物影では地上局同士の見通しが取れず、災害現場ほど通信が細くなります。アンテナを上げれば解決しますが、鉄塔は現場に持ち込めません。
映像伝送のセキュリティを説明できない
調達側から問われるのは価格より「データがどこを通り、誰に届き得るか」。無線区間を持つ構成は、その説明コストが常につきまといます。
操縦できる人が足りない
自由飛行機体は熟練度が成果を左右します。人が入れ替わる組織では、技量に依存しない離着陸と保持が求められます。
調達要件を満たす機体の選択肢が狭い
非中国製・セキュリティ要件・国内保守。この3条件を同時に満たす係留プラットフォームは限られます。
Solution
テザーが、電源と通信の両方を担う。
Hoverfly の係留ドローンは、地上局から伸びる1本のテザーで機体へ給電し、同じテザーで指令(C2)と映像データをやり取りします。バッテリー容量が飛行時間を決めないため、電源が供給される限り滞空を継続できます。
給電はテザーから
飛行時間は電源側の条件で決まります。整備インターバルはメーカー公称で1,500時間。
C2・映像もテザー経由
機体⇔地上局の指令・データを有線で伝送。機体側からのRF送信を前提としない構成です。
GPSに依存しない位置保持
テザー張力を用いた特許技術により、GPSが得にくい環境でも地上局に対する相対位置を保持します。
光学センサ不要の自動離着陸
ランディングリングへ工具不要で着脱。夜間・降雨・逆光といった条件でも手順が変わりません。
テザー1本で給電・指令・映像を伝送する(画像提供:Hoverfly Technologies)
前提として明示しておくこと
- 「連続飛行」は、地上電源が供給され、かつ気象・整備条件を満たす場合の設計上の特性です。無停止を保証するものではありません。
- テザーで伝送するのは機体⇔地上局の区間です。地上局から先のネットワーク構成は別途設計が必要です。
- 機体に無線機(通信中継用など)を搭載する構成では、その無線機について日本国内の技術基準適合証明(技適)・電波法上の取り扱いを個別に確認する必要があります。
Lineup
2機種。搭載重量と可搬性で選ぶ。
重いセンサ・無線機を上げるなら SPECTRE、少人数で運び定点に張り付けるなら SENTRY。いずれも運用高度と立ち上げ時間は共通です。

搭載力で選ぶ上位機
無線機の搭載を前提に設計された最上位モデル。EO/IRジンバル、メッシュ無線、カウンターUAS用レーダーなど、重量のあるペイロードを高度60mへ上げ続けます。
- ペイロード搭載量 5.0〜8.0 lbs(約2.3〜3.6 kg)※消費電力に依存
- 機体重量 4.0 kg/地上局 32 kg/輸送2ケース計79 kg
- 消費電力 連続2,000W未満・ピーク2,400W
- 米国DIU「Blue UAS List」認証(係留UASとして)

可搬性で選ぶ定点機
最も多く配備されている係留UAS。輸送重量は2ケース計45 kg、消費電力は連続1,000W未満。可搬発電機やポータブル電源との組み合わせで、車両が入れる場所ならほぼ運用できます。
- ペイロード搭載量 1.5〜2.0 lbs(約0.7〜0.9 kg)
- 機体重量 3.2 kg/地上局 20 kg/輸送2ケース計45 kg
- 消費電力 連続1,000W未満・ピーク1,500W
- IP54・MIL-STD-810 準拠(メーカー公称)
Features
配備側の目線で効いてくる6つの設計。
立ち上げ10分未満
ケースからの展開・高度到達までメーカー公称10分未満。設定済みであれば最高高度到達まで約2分。
技量依存を下げる自動化
離着陸・高度保持を自動制御。操縦者は監視と介入に集中でき、教育期間を短く抑えられます。
オープンアーキテクチャ
公開APIと .NET / C++ 向けSDK。全機能制御・ペイロード制御のみ・テレメトリ監視のみの3階層でアクセス権を設計できます。
冗長設計とフェイルセーフ
電源喪失・通信途絶時を想定した冗長アーキテクチャ。テザー張力は自動リールで管理されます。
耐候・耐風
定常風25 mph(約11 m/s)、突風30 mph(約13 m/s)まで。MIL-STD-810準拠の環境試験(メーカー公称)。
現地整備前提の構成
予備部品キットによる現地交換を前提に設計。整備インターバルは1,500時間(メーカー公称)。
HIVE Suite
同じ機体を、5つの役割で使い分ける。
Hoverfly は係留UASの運用形態を5つの構成(HIVE)として体系化しています。機体は共通、上げるペイロードと運用方法が変わります。

RECON / 常時監視
EO/IRペイロードを上げ続ける定点監視。夜間も含め、事案が終わるまで同じ画角を維持します。

SPEARHEAD / 移動運用
車両搭載での運用。上空に上げたまま低速で移動する運用形態(メーカー公称で概ね10 mph以下)。

RELAY / 可変高アンテナ
無線機を高度60mへ。樹林・尾根を越えて地上系の通信到達距離を広げる、持ち運べる仮設鉄塔。

SHIELD / 上空警戒
拠点・車列の頭上に常時1機。地上のセンサ網と組み合わせ、死角を上から埋めます。

NEXUS / 無人機連携
地上ロボット・他の無人機とのネットワーク中継ノードとして機能させる構成。
Applications
「終わるまで見続ける」必要がある現場へ。
SkyLink Japan では、以下の3領域を主な適用先として想定しています。
防災・公共安全(自治体・消防)
災害対策本部への映像共有、夜間の被害状況把握、避難所・被災地の広域確認。地上系無線が届かない区域での臨時中継。イベント・雑踏警備における全体俯瞰。
想定される財源:緊急防災・減災事業債 等(年度ごとに要件が変わるため適合可否は要確認)
重要インフラ・プラント警備
変電所・貯蔵タンク・ヤード・港湾など、固定カメラでは死角が残る広い敷地の上空監視。夜間の侵入監視、工事期間中の仮設監視、緊急時の初動確認。
固定式監視設備の増設と比較した際の、設置工事不要・移設可能という特性が判断材料になります。
防衛・警備
拠点警備、車列の上空警戒、可変高アンテナによる通信到達距離の確保。米陸軍をはじめとする配備実績と、米国製であることに基づく調達要件への適合性。
本用途については、パートナー企業と連携して個別にご相談を承ります。
米国内で設計・製造・サポート(画像提供:Hoverfly Technologies)
Procurement
調達要件で問われる論点に、先に答えておく。
製造国
米国 Hoverfly Technologies にて設計・製造・サポート。中国製部品への依存を避けたい調達要件に対する選択肢となります。
米国側の認証
SPECTRE は米国防総省DIUの「Blue UAS List」に係留UASとして掲載。NDAA準拠として評価されています。
データ経路
機体⇔地上局のC2・映像をテザー経由で伝送。無線区間を持たない構成が取れるため、経路の説明が簡潔になります。
保守体制
SkyLink Japan グループとして、国内での導入支援・トレーニング・保守受付の体制構築を前提にご提案します(体制の詳細はお問い合わせください)。
Blue UAS List・NDAA準拠はいずれも米国政府調達における評価枠組みであり、日本国内の許認可(航空法・電波法)や補助金の適合可否を保証するものではありません。
Japan Compliance
日本国内で運用する際の確認事項。
係留ドローンは、日本の制度上「係留していれば自由」というものではありません。導入検討の初期段階で押さえるべき論点を、あらかじめ整理しておきます。
航空法上の許可・承認
係留による飛行は、30 m以下の十分な強度を有する紐等で係留し、かつ飛行可能な範囲内への第三者の立入管理措置を講じた場合に、一部の許可・承認が不要とされています。本機の標準運用高度は60 mであり、この範囲を超える運用では通常どおり許可・承認の手続きが必要です。運用高度を30 m以下に設定する場合の取り扱いを含め、個別に確認します。
電波法・技適
機体⇔地上局をテザーで結ぶ構成では、機体側の無線送信を前提としません。一方、通信中継(RELAY構成)などで無線機を搭載する場合は、その無線機が日本国内で使用可能か(技適の有無、使用周波数、免許の要否)を機種ごとに確認する必要があります。
電源の確保
SENTRY で連続1,000W未満、SPECTRE で連続2,000W未満(いずれもメーカー公称)。商用電源、可搬発電機、車載電源のいずれで賄うかによって現場での構成が変わります。自己発電構成のご相談も承ります。
機体登録・操縦者要件
国内で飛行させる無人航空機としての登録、remote ID の取り扱い、操縦者の技能証明の要否について、運用形態に応じて確認が必要です。
本ページの記載について
- 仕様値はすべてメーカー公称値であり、日本国内での実運用における性能・可用性を保証するものではありません。
- 制度・補助金の適合可否は年度および運用形態によって変わります。記載内容は検討の出発点としてご利用いただき、実際の適合性は個別にご確認ください。
- 国内での価格・納期・保守条件は構成により異なるため、本ページには記載していません。お問い合わせください。
Specifications
主要仕様(メーカー公称値)
| 項目 | SPECTRE | SENTRY |
|---|---|---|
| ペイロード搭載量 | 5.0〜8.0 lbs(約2.3〜3.6 kg)※消費電力に依存 | 1.5〜2.0 lbs(約0.7〜0.9 kg)※消費電力・条件に依存 |
| 飛行時間 | 連続(整備インターバル 1,500時間) | 連続(整備インターバル 1,500時間) |
| 運用高度 | 60 m/200 ft(地上局基準) | 60 m/200 ft(地上局基準) |
| 環境性能 | 耐候(MIL-STD-810 準拠) | IP54/MIL-STD-810 準拠 |
| 耐風(定常) | 25 mph(約11 m/s) | 25 mph(約11 m/s) |
| 耐風(突風) | 30 mph(約13 m/s) | 30 mph(約13 m/s) |
| 機体重量(ペイロード無し) | 8.8 lbs/4.0 kg | 7.0 lbs/3.2 kg |
| 地上局重量 | 70 lbs/32 kg | 45 lbs/20 kg |
| 消費電力 | 連続 2,000W未満/ピーク 2,400W | 連続 1,000W未満/ピーク 1,500W |
| 輸送形態 | 2ケース 計175 lbs/79 kg | 2ケース 計100 lbs/45 kg |
| 立ち上げ時間 | ケース開梱から高度到達まで10分未満 | ケース開梱から高度到達まで10分未満 |
| 離着陸 | 工具不要のランディングリングへ着脱/光学センサに依存しない精密着陸 | 工具不要のランディングリングへ着脱/光学センサに依存しない精密着陸 |
| 操作環境 | 堅牢型タブレット/PC/ATAK/RaptorX/SDK | 堅牢型タブレット/PC/ATAK/RaptorX/SDK |
| 整備 | 予備部品キットによる現地交換 | 予備部品キットによる現地交換 |
| カメラ系ペイロード例 | PTZS、Raptor、Microkestrel WAMI(Logos Technologies)、HD25-LV、HD40-LV、CM102、STAG-4 | PTZ2、Raptor、HD25-LV |
| 無線機連携例 | TrellisWare(750/875/950)、Silvus(SC4200シリーズ/SC4400)、L3Harris(PRC-152/161/163)、Persistent Systems(MPU5)、Domo Tactical、UXV Technologies、goTenna、Thales、Bats Wireless ※日本国内での使用可否は無線機ごとに技適・免許の確認が必要です。 | |
| 米国側の認証 | DIU Blue UAS List 掲載 | 要確認 |
| 製造 | 米国 Hoverfly Technologies(設計・製造・サポート) | 米国 Hoverfly Technologies(設計・製造・サポート) |
| 国内価格・納期・保守 | 構成により異なります。お問い合わせください。 | 構成により異なります。お問い合わせください。 |
ポンド・フィート・マイル表記からの換算値は概数です。正式な仕様は最新のメーカー仕様書をご確認ください。
Process
導入までの流れ
要件のヒアリング
監視対象、必要な滞空時間、電源条件、通信要件、運用体制を確認します。
構成案・概算の提示
機種、ペイロード、電源構成、想定される許認可手続きを含めてご提案します。
デモ・実地確認
実機での確認機会をご相談ください(実施条件は個別調整)。
導入・トレーニング
納入、初期設定、操縦・運用トレーニングを実施します。
保守・運用支援
定期点検、予備部品、運用に関する継続的なサポートを提供します。
FAQ
よくあるご質問
係留ドローンは、本当に飛ばし続けられるのですか。
高度60 mまでしか上がらないのはなぜですか。
日本国内で、許可・承認なしに飛ばせますか。
電波法上の手続きは必要ですか。
操縦にはどの程度の技量が必要ですか。
GPSが入りにくい場所でも使えますか。
夜間でも監視できますか。
車両に搭載して移動しながら使えますか。
中国製ではない機体を探しています。
価格と納期を教えてください。
「終わるまで見続ける」体制を、どう組むか。まず要件からご相談ください。
監視対象・必要な滞空時間・電源・通信・許認可。SkyLink Japan は機体の販売だけでなく、運用設計から保守までを含めてご提案します。
本ページに掲載している製品写真は Hoverfly Technologies 提供素材です。仕様値はすべてメーカー公称値であり、予告なく変更される場合があります。日本国内での運用可否・許認可・補助金適合については個別にご確認ください。SPECTRE および SENTRY は米国特許 10054943/10365663/11518542/11713118 の対象です。