EUのドローン政策、何が変わる? DECODERと日本への影響。EUの旗と欧州の地図、ドローンを組み合わせたヒーロー画像

EUのドローン政策、何が変わる?|DECODERと日本への影響

EUのドローン政策、何が変わる? DECODERと日本への影響。EUの旗と欧州の地図、ドローンを組み合わせたヒーロー画像
欧州のドローン政策を表現したイメージ(AI生成)。地図は参加国の範囲を示すものではありません。

EUのドローン政策、
何が変わる?DECODERと日本への影響

情報確認日:

欲しい機体が見つかっても、納期が読めなければ導入計画は立てられません。故障したときに、交換部品を入手できるかどうかも気になります。

2026年9月28日、EU理事会は5件の「欧州共通利益防衛プロジェクト(EDPCI)」を承認しました。その一つが、ドローンと、不審なドローンを探知・対処する仕組みを扱うDECODER(デコーダー)です。

今回の発表で注目したいのは、機体の開発に加えて、増産と共同購入も計画に含めていることです。このブログでは、DECODERと関連する支援制度を確認しながら、日本で欧州製品を検討する際にどう関わるのかを考えます。

まず押さえたい3つのポイント
  • DECODERは研究だけでなく、「開発→試験→量産→共同購入→配備」までを参加国が連携して進める計画です
  • EUは機体の開発に加え、工場や部品の生産ラインの拡張にも資金を出しています
  • 日本での導入を考える際は、納期・部品供給・国内の運用条件まで検討します

本ブログは2026年9月29日時点の情報をもとにしています。将来の供給や市場への影響は、SkyLink Japanの見立てとして記載しています。

28か国が関わるDECODER。EUは何を共同で進めるのか

加盟国から集まった9件の提案を欧州委員会が7月に5件へ絞り込み、今回EU理事会が承認しました。5件はEUの「欧州防衛産業プログラム(EDIP)」から資金を受けられるようになります。

プロジェクト分野参加国数想定規模
DECODERドローンとドローン対策28か国(EU26か国+ノルウェー・ウクライナ)35億〜50億ユーロ(2033年まで)
IMSD海と海底の防衛17か国430億〜720億ユーロ(2045年まで)
SPACE宇宙(早期警戒衛星、衛星通信など)16か国最大240億ユーロ(2034年まで)
EU-FIAMD防空・ミサイル防衛16か国550億〜800億ユーロ(2040年まで)
EFWEU東側国境の防衛(ドローン防衛も柱の一つ)15か国600億〜1,000億ユーロ(2036年まで)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

DECODERは5件の中で想定規模は最も小さく、参加国は最も多い計画です。対象や期間が異なるため、金額だけで重要度は比べられませんが、28か国が参加する点からは、ドローンとドローン対策への関心の広さがうかがえます。

注意|「35億〜50億ユーロ」はEUの予算額ではありません

参加国の投資も含めた、プロジェクト全体の想定規模です。EDIPが用意しているEU資金は、5件合計で3億2,500万ユーロです。両者は対象と期間が異なり、DECODERに35億〜50億ユーロのEU予算が確定したという意味ではありません。

出典・参考資料

参加国数・想定規模は、2026年7月3日の欧州委員会提案(理事会決定案の付属書)の記載です。参加国数はノルウェー・ウクライナを含みます。

量産を見据え、開発と共同調達を進める

正式名称は「DronE and Counter Drone European Resolve」(理事会の発表では「Drone and Counter-Drone European Resolve」)。欧州委員会の提案では、次の取り組みが挙げられています。

  • 欧州製のドローンとドローン対策システムを、各国が連携して開発・増産・配備する
  • 必要な機材を複数の国でまとめて買う(共同調達)
  • 工場や生産ラインを増やす
  • 「欧州ドローン技術ハブ・ネットワーク」で試験をしやすくし、新技術を早く部隊に届ける
  • 国やメーカーが違っても一緒に動かせること(相互運用性)を重視する
  • 欧州の外への依存を減らし、技術的な自立と産業の強さを保つ

民生と防衛の両方で使える技術(デュアルユース)や、軍と民間の協力にも取り組むとされています。

開発試験量産共同購入配備

各国が少量ずつ別々に発注する状況では、メーカーは生産量を見通しにくくなります。複数の国がまとめて購入する計画があれば、工場や設備への投資も判断しやすくなるはずです。DECODERには、共同調達を通じて増産を促す狙いがあると読めます。

出典・参考資料

EUがドローンを戦略産業として扱い始めた背景

ウクライナでの大量使用と、欧州で相次いだ不審機の目撃

ロシアのウクライナ侵攻では、カメラ映像を見ながら操縦する安価な小型ドローン、偵察ドローン、長距離ドローン、敵のドローンに体当たりして落とす迎撃ドローンなどが大量に使われるようになりました。ウクライナの生産量は、政府発表や報道で年間数百万機規模とされています(数字には発表者によって幅があります)。

欧州でも、2025年9月にコペンハーゲン空港が不審なドローンの目撃で一時閉鎖されるなどの事案が相次ぎました。EUは2025年10月の「防衛即応ロードマップ2030」で「欧州ドローン防衛イニシアティブ」を旗艦事業に位置付け、2027年末の本格稼働を目指しています。

2026年9月には欧州とウクライナの企業18社による「EU・ウクライナ・ドローン同盟」も始動し、欧州委員会の担当委員は、製品を数日で改良し数週間で増産するウクライナのやり方に学びたいと述べています。

出典・参考資料

性能に加え、量産力と改良の速さが問われる

ウクライナの事例を見ると、比較的安価な無人機を多くそろえ、運用中も改良を続ける能力が重視されていると読めます。高性能な装備を少数調達する方法とは、製造や更新の進め方が異なります。

比較の視点従来型の装備開発小型無人機で重要性が増す視点
基本の考え方高価で高性能な装備を少数そろえる比較的安い無人機を大量につくり、改良し続ける
重視されること性能性能に加え、量産力、価格、部品の調達、ソフト更新の速さ、電波妨害への強さ、他の機材とのつながり
改良のサイクル年単位週〜月単位

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

ウクライナでは、実戦で得た情報を製品の改良に反映し、短期間で増産する動きが続いています。欧州がこの方法を取り入れるなら、試験や生産に加え、各国が購入を決めるまでの時間も短くする必要があるでしょう。

研究・量産・共同購入を支えるEUの制度

EUには、共同研究を助成する制度や、生産設備の拡張を支援する制度があります。DECODERがどこに位置するのか、主な制度を役割ごとにまとめました。

段階制度役割
研究開発欧州防衛基金(European Defence Fund:EDF)国をまたぐ共同研究開発に資金を出す
実戦技術の取り込みBraveTechEUウクライナの実戦で鍛えられた技術と欧州企業をつなぐ
量産・調達欧州防衛産業プログラム(EDIP)工場の拡張、共同購入、大型プロジェクトに資金を出す
大型の共同計画EDPCI(DECODERなど)複数の国による長期の計画
購入共同調達各国がまとめて買う

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

欧州防衛基金では、ドローン対策の共同開発「E-CUAS」(約7,100万ユーロ規模)に各国の企業が参加しています。BraveTechEUの実地試験プログラムでは、2026年6月のエストニア開催回で「電波妨害下でも使える無人機」がテーマに掲げられました。

EDIP(2025〜2027年、総額15億ユーロ)の主な内訳は次のとおりです。

項目金額内容
産業強化7億ユーロ超EDIP最大の柱。工場・生産ラインの拡張を支援
共同調達2億4,000万ユーロドローン対策や防空システムなどの共同購入を支援
EDPCI3億2,500万ユーロDECODERなど5件の立ち上げと初期配備
ウクライナ支援枠3億ユーロウクライナ防衛産業の強化。BraveTechEUの名称で行う技術革新支援(3,530万ユーロ)を含む

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。産業強化の一部はウクライナ支援枠と重なるため、各項目の合計は総額と一致しません。

出典・参考資料

電池・カメラ・無線部品の増産も支援対象に

EDIPの「産業強化」は、企業が工場や生産ラインを増やすための資金です。公募は4本で構成され、対象によって条件が異なります。受付状況や要件は各公募の資料で確認する必要があります。

EU加盟国・ノルウェーの企業向け(2本):EUの支援は原則として費用の最大35%、国をまたぐ協力や新しい生産ラインの建設などの条件を満たせば最大50%です。ドローンに関係が深い「主要電子部品」の枠(1億2,225万ユーロ)では、無線モジュール、マルチスペクトルカメラ、リチウムイオンポリマー電池、半導体など、ドローンの「中身」にあたる部品が対象です。

ウクライナの防衛産業向け(2本):EUとウクライナの企業が応募でき、支援率は最大100%です。このうち「無人システムとドローン対策システム」の枠(8,000万ユーロ、締切2027年2月16日)では、無人機本体、迎撃用の機体、電波妨害に強い機体、ドローン対策システムとそれを支える機材が対象です。

機体を増産するには、部品の調達量も増やさなければなりません。今回の公募は、電池・カメラ・無線部品の生産設備も支援する内容です。

出典・参考資料

量産が進むと、メーカーの何が変わるのか

欧州のあるメーカーが、生産を年間1,000台から10,000台に増やせたとします。起こり得る変化は次のとおりです。

  • 1台あたりのコスト:設計・試験・設備の費用を多くの台数で割れるため、下がる可能性がある
  • 納期:生産ラインが常に動くことで、短くなる可能性がある
  • 部品の調達・在庫:まとめて発注でき、供給が安定しやすい
  • 修理・保守:交換部品を継続して供給できれば、保守体制を組みやすい
  • ソフトウェア更新:売上規模が継続的な開発を支える
  • 海外への供給:日本など欧州の外へ出荷する余力が生まれる可能性がある
量産支援が、値下がりや納期短縮を保証するわけではありません

軍・政府向けの需要が優先され、民間向けや輸出向けの供給がかえって厳しくなる可能性があります。需要の急増で部品の取り合いが起きることも考えられます。増産が実現するかどうかは、各国の発注やメーカーの設備投資にも左右されます。

ドローン対策は、探知から対処までの組み合わせ

ジャマー(電波妨害装置)は、ドローンへの対処手段の一つです。その前に、不審な機体を見つけ、種類や動きを判断する必要があります。ドローン対策(Counter-UAS、C-UAS、Counter-Droneとも呼ばれます)は、大きく次の5段階に分けて考えられます。

  1. 見つける(探知):レーダー、ドローンが出す電波をとらえる装置、カメラ(昼間用・赤外線)、音を拾うセンサーなど
  2. 見分ける(識別):鳥か、許可を得た業務用ドローンか、不審なドローンかを判断する
  3. 追いかける(追跡):位置と動きを追い続ける
  4. まとめて判断する(統合・指揮):複数のセンサーの情報をAIなども使って一つの画面にまとめ、誰がどう対処するかを決める
  5. 止める(対処):電波妨害、衛星測位(GPSなど)の妨害、迎撃ドローン(Interceptor Drone)など

日本の防衛省も、基地警備用の「ドローン対処器材」を「探知・識別・対処」ができる器材と説明しています。

例えば、A社のセンサーとB社の指揮システムを使うなら、探知した情報を両者で共有できなければなりません。欧州防衛基金のE-CUASも、複数のセンサー、対処手段、指揮システム、通信を組み合わせる設計です。DECODERが重視する相互運用性は、このように異なる機器やシステムを連携させて使うための条件です。

出典・参考資料

メーカーの実績と、DECODERへの参加は分けて確認する

今回確認したEUの発表・提案資料では、DECODERの参加者として国が挙げられています。個別企業の参加・採択は、この資料からは確認できません。下の表では、EUの研究事業への参加実績と、各社の製品展開を分けて整理しています。

区分企業の例確認できたこと
DECODERへの参加が確認された企業(今回の確認資料に記載なし)確認した発表・提案資料では国を列挙
EUのドローン対策研究への参加が確認できる企業Leonardo(伊)、Indra(西)、Thales(仏)、Saab(スウェーデン)などJEY-CUAS(Leonardoが主導、Indraが中核)、E-CUAS(Leonardo、Thales、Saabなどが参加)
欧州ドローン対策市場の主要企業(EU制度との関係は未確認)Hensoldt(独)、Robin Radar(蘭)、MyDefence(デンマーク)、CERBAIR(仏)、Aaronia(独)、MARSS(モナコ)、Origin Robotics(ラトビア)などレーダー、電波探知、指揮システム、迎撃ドローンなど得意分野は各社で異なる
欧州製ドローン本体メーカーの例Parrot(仏)下記のとおり(DECODER参加は未確認)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。表中の企業のドローン対策製品は、いずれもSkyLink Japanの取扱製品ではありません。

出典・参考資料

欧州製ドローンの例:Parrot ANAFI UKR

フランスのParrotは、ウクライナでの運用経験を踏まえた小型偵察ドローン「Parrot ANAFI UKR」を展開しています。フィンランド国防軍が約1,500万ユーロ(付加価値税込み)で調達を決め、2026年3月にはNATO支援調達庁(NSPA)経由の最初の発注も行われました。Parrotは100〜500機単位で出荷し、将来は数千機規模を見込むとしています。

衛星測位が使えない環境でもカメラ映像で位置を把握して飛べる機能や、電波妨害・なりすましに強い無線を備え、他社の機体に組み込める自律飛行モジュール「CHUCK 3.0」も展開しています。

Parrotの事例では、欧州で設計・生産された機体が、NATOの共同調達を通じて発注されています。ただし、ParrotのDECODER参加は確認できていません。ここで挙げたのは、フィンランドやNSPA経由の受注実績です。

出典・参考資料

部品と設計の決定権まで含めて、域外への依存を減らす

EUの公式資料では、「技術的な自立」と「戦略的な依存の低減」が掲げられています。EDIPの支援を受ける製品には、部品の調達先や設計の権限について、次の条件があります。

  • 部品コストの65%以上が、EUまたは関連国(ノルウェーなど)由来であること
  • 製品の設計を決める権限(デザインオーソリティ)が、原則としてEU側にあること
  • EUや加盟国の安全保障上の利益に反する国からの部品調達は認めないこと
出典・参考資料

欧州で組み立てた機体でも、域外から主要部品が届かなくなれば、生産や修理に支障が出ます。代替部品を使うにも、設計を変更する権限が必要です。部品の調達先と設計の権限を条件に含めるのは、こうした供給リスクへの備えと読めます。

この政策から、特定メーカーの製品に安全保障上の問題があるとは判断できません。民生分野では性能と価格の面で中国メーカーの製品が広く使われています。一方、欧米の政府調達では、どこで設計・製造されたか、データがどう扱われるかが調達条件として重視される傾向が強まっています。

米国の認証規制とEUの産業支援、それぞれの重点

両地域とも産業支援と規制を組み合わせています。ここでは、米国のFCC認証とEUのEDIPという異なる政策手段の重点を比較します。

米国では2025年12月、連邦通信委員会(FCC)が、海外で生産されたドローンと主要部品を新機種の認証を認めない対象リストに加えました(認証済みの機種は引き続き使用可)。「Blue UAS Cleared List」掲載品や、Buy American Standardの国内最終製品要件を満たす製品には例外があり、この例外は2028年1月1日まで延長されています。

個別の条件付き承認を受けた製品などにも例外があるため、製品ごとの最新の扱いを確認する必要があります。DJIなど一部の中国メーカーには、2025年度国防授権法(NDAA)に基づく別の措置もあります。

出典・参考資料
比較の視点米国の認証規制EUのEDIPによる支援
主な手段海外生産品の新規認証を制限生産設備や共同調達を資金面で支援
対象の考え方海外生産品は原則対象、例外リストで認める域内の部品比率・設計の決定権を満たす製品を支援
産業の強化国内生産の強化加盟国どうしの共同開発・共同調達

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

米国の措置は中国製に限らず、例外に当たらなければ欧州製も対象になります。米国向けに販売しにくくなれば、欧州メーカーが日本などへの販売を増やそうとする可能性もあります。日本向けに何を、いつ供給するかは、各社の販売計画によります。

日本では、製品選定と国内での運用条件を一緒に考える

防衛省の令和9年度(2027年度)概算要求では、重視する分野に「無人アセット(無人機など)」が挙げられ、「世界一無人アセットを駆使する組織」を目指すと明記されました。迎撃用の無人機の取得(76億円+金額未定の要求)、基地警備用のドローン対処器材(38億円+同)、民生部品を活用して安く大量生産できる無人機の開発も盛り込まれ、「生産力こそ抑止力」という考え方が示されています。

上記は2026年8月公表の概算要求です。要求額や事業内容は、今後の予算編成・国会審議で変わる可能性があります。

EUは共同調達、日本は装備導入と国内生産を後押し

日本の動きは、防衛装備の導入だけではありません。経済産業省は2026年3月、「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」を公表しました。完成機に加え、モーターやバッテリーなど重要部品の量産基盤も支援し、特定国に供給を依存する状況の改善を目指しています。

EUとの共通点は、必要な数を継続して供給できる体制を重視していることです。違いは、その進め方にあります。DECODERは複数国の需要をまとめ、共同調達や国境をまたぐ生産体制づくりを進める構想です。日本では、防衛省の装備導入・開発と、経産省による機体・部品の国内生産支援が進められています。同盟国・同志国との供給網の協力も想定されています。

日本で製品を選ぶ側としては、国産か欧州製かに加えて、部品の供給が続くか、国内で修理できるかを確かめたいところです。政策支援の有無と、実際に納入・保守できる体制を分けて見る必要があります。

出典・参考資料

国内で使うには、電波や飛行の条件も確認する

2026年7月14日には改正小型無人機等飛行禁止法が施行され、同法で指定される対象施設の周囲の飛行禁止区域が、おおむね300mから1,000mへ広がりました。対象施設や例外手続は、飛行前に最新の指定情報を確認する必要があります。

出典・参考資料

今後は、防衛・警察・消防・空港・港湾・発電所や原子力関連施設などの重要インフラ・大規模イベントの警備で、ドローン対策機器や、防衛ドローンを含む非中国製ドローンの需要が広がる可能性があります。

日本でも、欧州で開発・量産される製品を国内の機器と組み合わせる方法が考えられます。例えば海外製の探知センサーを導入するなら、既存の監視システムとの接続や通信回線も含めた検討が必要です。

導入前に確認したい、日本での電波・運用条件

国内で使う無線設備は、周波数や出力、用途に応じて、技適(技術基準適合証明等)や無線局免許などの要件を確認する必要があります。電波妨害などの対処手段は、使用する主体と法的な権限・条件を個別に確認することが前提です。日本語への対応、国内での保守・修理体制も欠かせません。

欧州メーカーを見るときの確認項目

選定ポイント|機体性能と価格に加えて、3つの視点で確認します

1.政策支援と調達の実績

  • 欧州防衛基金(EDF)やEDIPでの採択実績
  • DECODERなど共通プロジェクトの参加国による調達実績
  • PESCO(EU加盟国の常設の防衛協力の枠組み)のプロジェクトとの関係
  • NATO/NSPA(NATO支援調達庁)経由の調達実績
  • ウクライナでの実証や実戦からのフィードバック

2.生産能力と供給体制

  • 年間の生産台数と増産計画
  • 電池・カメラ・無線など主要部品のEU域内調達
  • 製品の設計を決める権限(デザインオーソリティ)を誰が持っているか
  • 電波妨害を受けても動けるか
  • 他社のシステムや指揮システムとつなげられるか
  • データの暗号化などのサイバーセキュリティ対策

3.日本での運用と保守

  • 周波数・出力、技適や無線局免許の要否・取得状況
  • 航空法、小型無人機等飛行禁止法などの運用に合うか
  • 国内での保守・修理・部品供給体制
  • 日本語対応、国内の補助金・調達要件との整合
用語メモ
ドローン対策(Counter-UAS/C-UAS/Counter-Drone)
不審なドローンを見つけ、見分け、追いかけ、止めるための仕組み全体
迎撃ドローン(Interceptor Drone)
不審なドローンに接近して無力化するためのドローン
EDPCI(欧州共通利益防衛プロジェクト)
1か国では難しい大型の防衛計画を、複数の国で進めるEUの枠組み
EDIP(欧州防衛産業プログラム)
生産能力の拡大や共同購入を支援するEUの制度
European Defence Fund(EDF/欧州防衛基金)
国をまたぐ防衛分野の共同研究開発を支援するEUの基金

増産が進んだ製品を、日本で導入するには

欧州メーカーの採択や大型受注のニュースを見たら、その後の工場の増設や出荷状況も確認したいところです。計画どおりに生産台数が増えているか、日本向けの輸出に対応できるかで、導入の判断は変わります。

日本で導入する際は、納期、交換部品の供給、保守の窓口をメーカーや国内代理店に確認します。欧州での受注増が、日本での入手しやすさに直結するとは限りません。

DECODERも、次は参加国からの発注とメーカーの生産状況に注目していきます。

海外製ドローンの導入をご検討の方へ

海外製ドローンの選定や、日本で使用する際の技適・保守体制について、SkyLink Japanにご相談ください。

用途、運用場所、希望する導入時期をお知らせいただくと、機材や運用条件を具体的に検討できます。

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