調査基準日:2026年9月2日(米国東部時間)。第13章「米国製ドローンを日本へ導入する可能性」の日本側データは2026年9月4日に追加調査しています。本ブログは法的・税務的助言ではなく、一般的な情報提供です。実際の輸出、通関、認証、政府調達への参加にあたっては、米国の通関業者、弁護士、認証機関、政府調達の専門家へ個別にご確認ください。本文中で参照した資料は、末尾の参考資料一覧にまとめています。
Commercial UAV Expo 2026を歩いて感じたこと
2026年9月、ラスベガスのCaesars Forumで開かれたCommercial UAV Expo 2026を3日間歩きました。出展は240社を超え、来場者は3,700人規模。会場で目立ったのは、DJI Enterpriseがブースを構えていた一方で、BRINC、Inspired Flight、Teal、Hoverflyなど、米国製・非中国製を前面に出す機体・システムメーカーが強い存在感を見せていたことでした。
政府・公共安全向けのブースでは、「NDAA compliant」「Blue UAS」「Made in USA」といった、それぞれ意味の異なる言葉が、飛行時間やカメラ性能と同じくらい強く打ち出されていました。誰が、どこで、どの部品を使ってつくったのかという「調達適格性」そのものが、製品価値になっていると感じました。
FIELD NOTE|会場で聞いたこと
他方で、現地の関係者からは「DJIの交換部品や重要部品が米国に入ってこない」という話も聞きました。規制の影響は新機種の投入だけでなく、既存機の修理、保守、継続運用にまで及び始めています。
既に認証された機体の使用が直ちに禁止されているわけではありませんが、必要な部品を調達できなければ、現場では使い続けることができません。制度上の禁止範囲とは別に、供給面からもDJIをはじめとする中国メーカーが米国市場から事実上押し出されつつある。その現実を会場で確認しました。
しかし、会場で見えたのは、中国メーカーが後退して単純に市場の空白が生まれた、という話ではありません。米国市場へ参加するための条件そのものが書き換えられています。買い手が確認するのは機体の性能や価格だけではなく、製造国、部品の原産国、通信とデータの管理、サイバーセキュリティ、交換部品の在庫、米国内での修理・保守体制にまで広がっています。
そして偶然にも、会期最終日の9月3日は、通商拡大法232条に基づく新たなドローン関税が発効した日でした。25kg超の機体やサーマルカメラ搭載機、ドッキングステーション、指定重要部品など、対象品目によっては関税率が100%となります。日本原産品には一定条件の下で上限15%の枠組みがあるものの、原産国と部品構成が価格競争力を直接左右する制度が始まりました。
基調講演にはFAAとEASAの規制当局者が登壇し、セッションにはFCC Covered List、NDAA準拠、Part 108(目視外飛行)といったテーマが並びました。主催者自身が「規則が書かれている最中に、運用者は難しい決断を迫られている」と表現した通り、米国のドローン市場は転換点にあります。
この変化は、日本のドローンメーカーにとって確かな機会です。中国製以外の機体や部品を求める需要が拡大するなか、日本企業が持つ品質、製造技術、産業用途の経験を生かせる余地があります。
今回の会場でも、ACSLがSOTENを展示し、ミネベアミツミはモーター、ベアリング、GNSSアンテナ、コネクター、電池保護ICなどを展示していました。商機は完成機だけでなく、部品、安全装備、データ基盤にも広がっています。

一方、日本製であれば自動的に米国市場へ入れるわけではありません。米国の制度上、日本製も「外国製」です。FCC、関税、原産国、政府調達、部品表、データ管理、現地保守といった条件を、製品開発と事業体制の両面から満たす必要があります。
つまり、日本メーカーにとって米国市場へ挑戦するとは、日本でつくった機体をそのまま輸出することではありません。米国の制度と顧客要件に合わせて、製品構成、サプライチェーン、販売、修理、継続支援までを組み直すことです。
この前提を踏まえて、まず結論から整理します。
先に結論:米国は「輸出すれば入れる市場」ではなくなった
POINT|2026年9月2日時点の結論
- 市場規模:米国単独で世界の約3割、北米で約4〜5割が主要調査会社の数字です。「約50%」は北米かつ軍用を含む定義でのみ近い値で、米国単独の民生市場では裏付けられません。
- FCC:2025年12月22日以降、外国製UASと重要部品は新規のFCC機器認証を受けられません。日本製も対象です。既に認証済みの機種は輸入・販売・使用を続けられます。新機種は、Blue UAS掲載、DoW/DHSの条件付き承認(Conditional Approval)、米国内製造(部品コストの65%超が米国製)のいずれかが必要です。
- 関税:2026年9月3日から232条関税。25kg以下・非サーマル機は25%、25kg超・サーマル搭載機・ドック・指定重要部品は100%。日本原産品は「実質すべての重要部品と技術が米国・日本・EU・英国・韓国・台湾・スイス製」と輸入者が証明できれば上限15%です。中国製部品の比率が高い機体はこの上限を使えない可能性があります。
- 政府調達:連邦調達のASDA(American Security Drone Act)は「企業」ベース、国防総省の848条は「部品」ベースで判定します。日本はTAA指定国かつDFARS適格国であり、制度上は不利ではありません。
- 逆方向(米国製機の日本導入):日本で使える非中国製機は増えていますが、まだSkydio、Parrot、Wingtra、Flyabilityなど数社に限られ、価格は同等クラスで2〜4倍、ドック運用込みで5倍前後。輸入して使えるかは市場(防衛・国の機関・インフラは成立、自治体・民間は限定的)で決まります。日本が米国型の「非中国製必須」に追随するかは、法律より補助金要件と発注仕様書次第です。
- 勝機:「日本製だから売れる」わけではありません。開発段階から非中国BOMを組み、米国内の拠点と保守体制を持ち、FCCの免除経路と関税の15%上限を設計に織り込める企業に、具体的な機会があります。
なぜ米国ドローン市場を無視できないのか
規模だけでなく、運用者の厚みと需要の広がりが米国市場の特徴です。FAAの最新予測によると、2025年末時点で商用(Part 107)登録の稼働機体は約42.4万機、リモートパイロット資格の発行累計は49.3万人を超え、レクリエーション登録者は累計166万人に達しています。商用機は2030年に約54万機まで増える見通しです。
日本メーカーにとって意味がある分野を挙げます。
- 公共安全(警察・消防・災害対応):DFR(Drone as First Responder)の飛行許可を得た機関は2026年2月時点で1,000を超え、2025年4月から2026年2月の許可件数は過去7年分を上回りました。2026会計年度NDAAでは、州・地方の公共安全機関によるUAS・対UAS装備の購入が連邦補助金の対象に明記されています。
- インフラ点検・エネルギー:電力・ガス・通信塔の点検は、後述するACSLの米国初期顧客でもある分野です。
- 測量・建設・農業:世界的にはエネルギー、建設、農業が商用ドローンの最大用途です(DII)。ただし農薬散布機は後述の通り、米国では最も規制の影響を受けやすいカテゴリーです。
- 物流:BVLOS(目視外飛行)を常態化するPart 108は2026年9月時点でまだ最終規則になっていません。
- 防衛・安全保障:国防総省の「Drone Dominance Program」は2026会計年度に約11億ドルを計上し、小型攻撃・偵察機を30万機規模で調達する計画です。2027会計年度予算要求ではドローンと対ドローン分野に750億ドル規模が報じられています(要求段階)。
- ソフトウェア・データ管理・保守・教育:DIIの推計では、2026年の世界民生ドローン市場444億ドルのうちサービスが78.5%、ハードウェアは17%にとどまります。機体を売る発想だけでは、市場の大半を取りこぼします。

日本との対比も押さえておきます。インプレス総合研究所の推計では日本の2025年度ドローンビジネス市場は4,973億円(うち機体1,227億円)です。Grand View Researchの米国市場推計293億ドル(2025年、軍用含む)とは定義が異なるため単純比較はできませんが、桁として米国は日本の数倍から10倍近い規模と見ておくのが妥当です。
米国市場は本当に世界市場の約50%を占めるのか
結論から言うと、「米国単独で世界の約50%」を裏付ける一次資料は見つかりませんでした。主要調査会社の2025年実績ベースの数字を並べると、米国単独は約26〜35%、北米は約26〜48%のレンジに収まります。
表A:世界ドローン市場に占める米国・北米の割合(調査会社別、2026年9月2日参照)
| 調査会社・資料 | 対象範囲 | 世界市場規模 | 北米シェア | 米国シェア | 実績/予測 | 公開日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Fortune Business Insights | 全体(商用・防衛・公共安全・農業、HW61%/SW24%/サービス15%) | 918.8億ドル(2025年) | 38% | 「nearly 32%」と明記 | 2025年推計 | 2026年8月17日 |
| Grand View Research(全体) | 消費者・商用・軍用・政府 | 838億ドル(2025年) | 40% | 北米の86%超=約34%(換算) | 2025年推計 | 2026年6月 |
| Grand View Research(商用のみ) | 商用(政府・法執行含む、軍用除く) | 244億ドル(2025年) | 26%超(アジア太平洋31.6%が首位) | 約15%(換算) | 2025年推計 | 2026年6月 |
| IMARC Group | 全体(軍用30.5%含む) | 339億ドル(2025年) | 48.4% | 非公開 | 2025年推計 | 2026年 |
| MarketsandMarkets | 軍用・商用・政府・消費者 | 261.2億ドル(2025年) | 約42%(北米109.8億ドル÷世界、換算) | 非公開 | 2025年推計 | 2026年2月18日 |
| Mordor Intelligence | 民生中心 | 92.9億ドル(2026年) | 37.86% | 非公開 | 2025年推計 | 2026年5月14日 |
| Drone Industry Insights(DII) | 民生のみ(軍用・対ドローン除く、HW+SW+サービス) | 444億ドル(2026年)→830億ドル(2035年) | 「アジアが最大、北米が僅差で2位」(数値非公開) | 非公開 | 予測 | 2026年5月6日 |
| Teal Group(軍用のみ) | 軍用UAS支出 | 10年累計2,587億ドル | — | R&Dの81%、調達の59% | 2024〜2033年予測 | 2024年1月3日 |
※世界市場規模が92億ドルから919億ドルまで10倍開くのは、サービス・軍用・コンシューマーを含めるかどうかの定義差です。「換算」は本ブログで公開値から割り戻した参考値で、調査会社の公式シェアではありません。有料レポートの無料要約部分のみ確認しています。
数字が割れる理由は明快です。軍用を含めれば北米(実質は米国)が首位になり、民生だけならアジア(中国)が首位になります。「約50%」という直感は、米国が世界の軍用UAS研究開発費の8割を占めるというTeal Groupの数字や、IMARCの北米48.4%あたりから来ている可能性があります。
推奨する表現
「米国は世界最大級の単一国市場であり、米国単独で世界の約3割、北米では定義により約4〜5割を占める」。「米国が世界の半分」という言い方は、社内資料でも避けたほうが安全です。
日本メーカーにとって重要なのは、シェアの数字そのものよりも中身です。米国では公共安全と防衛が需要をけん引し、そこは非中国製であることが調達条件になっている領域です。民生の価格競争を避けて、調達要件が参入条件を絞ってくれる市場を選べる、という点が米国の特徴だと言えます。
米国でDJI離れが進む背景と、実際に何が禁止されているのか
「米国ではDJIが禁止された」という報道の多くは、複数の制度を一つにまとめた表現です。実際は輸入禁止、一般販売禁止、新規認証の禁止、政府調達の禁止、連邦資金の利用禁止、州独自の制限がそれぞれ別の法律・規則で動いています。順に追います。
2019年から2025年まで:政府調達と国防の領域で積み上がった制限
- 2019年12月 FY2020 NDAA 848条:国防総省が中国製UAS、および中国製のフライトコントローラー、無線、データ伝送装置、カメラ、ジンバル、地上局、運航ソフト、ネットワーク・データ保存を使うUASを調達・運用することを禁止。FY2023 NDAA 817条でロシア・イラン・北朝鮮に拡大。部品単位で判定する点が特徴です。
- 2020年1月 内務省(DOI):長官令3379号で中国製機を原則グラウンディング。
- 2020年12月 商務省Entity List/2021年12月 財務省NS-CMICリスト/2022年10月 国防総省1260Hリスト:DJIが順次掲載。1260H掲載をめぐるDJI対国防総省訴訟は、2026年8月14日にD.C.巡回区控訴裁が一部差し戻しましたが、掲載自体は維持されています。
- 2023年12月 American Security Drone Act(ASDA、FY2024 NDAA 1821〜1833条):連邦機関による「covered foreign entity」製UASの調達禁止(2023年12月22日)、運用禁止と連邦資金(補助金・契約)による購入禁止(2025年12月22日)。判定は企業単位で、FASCリスト(SAM.gov)に載る中国所在・支配の企業とその子会社が対象です。
2025年12月22日:FCCが「外国製UAS全体」を新規認証の対象外に
転機はここです。FY2025 NDAA 1709条は、国家安全保障機関が1年以内にDJI・Autelのリスク判定を行わない場合、FCCが両社をCovered Listに追加すると定めていました。
期限前日の2025年12月22日、FCCは両社の機器に加えて、「外国で生産されたUASおよびUAS重要部品」(UAS and UAS critical components produced in a foreign country)をCovered Listに追加しました。生産企業の国籍ではなく、生産地が外国かどうかで判定されます。
重要部品として挙げられたのは、データ伝送装置、通信システム、フライトコントローラー、地上局・コントローラー、航法システム、センサー・カメラ、バッテリー・BMS、モーター、および関連ソフトウェアです。
この措置で禁止されたのは新規の機器認証(FCC ID等の新規取得)です。2025年12月22日より前に認証を受けた機種の輸入・販売・使用は禁止されていません。ただし、認証の取り直しが必要になる設計変更はできないため、既存機種を「凍結」した状態で売り続けることになります。
その後の免除措置は次の通りです。
- 2026年1月7日(DA 26-22):Blue UAS Cleared List掲載品と、Buy American法上の「国内最終製品」(米国製造かつ部品コストの65%超が米国製)を免除。
- 2026年3月18日(DA 26-253):国防省(DoW)・国土安全保障省による個別の条件付き承認(Conditional Approval)を開始。企業構造、サプライチェーン、米国内へのオンショアリング計画を審査します。
- 2026年6月15日(DA 26-588):150g以下でカメラ・GNSS・ネット接続を持たない「トイドローン」を免除。
- 2026年7月21日(DA 26-761):Blue UASと国内最終製品の免除を2028年1月1日まで延長。条件付き承認は、オンショアリング計画を守る限り期限なしに変更。
- 2026年7月27日(DA 26-775):条件付き承認の追加。ここにはEXEDY Globalparts Corporationの「Ayre CX」(承認日2026年7月24日)が含まれています。日本の親会社を持つ米国法人が承認を得た事例として参考になります。
注意|次の一手が審議中です
FCCは2026年7月21日(DA 26-758)に、既に認証済みの外国製UASであっても、55ポンド(約25kg)以上、農薬等の散布機、サーマルカメラ搭載機、LiDAR搭載機、ドッキングステーション、群制御機などの「軍用グレード」区分については輸入・販売を止める案を公表し、意見募集を行いました(締切2026年9月2日)。採択されれば180日の移行期間後、2027年初頭にも適用されます。購入済み機体の継続使用は認める案です。産業用途の日本製機はまさにこの区分に入るため、動向の確認が欠かせません。

州法:フロリダ型の「承認メーカーリスト」が広がっている
フロリダ州は州法934.50条と規則60GG-2により、州・自治体機関が購入できるドローンを承認メーカーリストの製品に限定しています(当初リストはSkydio、Parrot、Altavian、Teal、Vantage Roboticsの5社)。
テキサス、アーカンソー、ミシシッピ、テネシー、ネバダ、コネチカット(2028年10月1日から運用禁止)などが同様の制限を持っています。日本メーカーが州の承認リストに載っている例は、今回の調査では確認できませんでした。多くの州は連邦のリストを参照するため、Blue UAS掲載が最も持ち運びやすい資格になっています。
表3:制度のステータス一覧
ここまでの制度を、日本メーカーの視点で一覧にします。
表3:米国のドローン関連制度のステータス(2026年9月2日時点)
| 制度名 | 所管 | 種別・対象 | 一般販売への影響 | 政府調達への影響 | 中国製部品への影響 | 現在のステータス | 発効日 | 今後の重要日程 | 公式情報 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2020 NDAA 848条/FY2023 NDAA 817条 | 国防総省 | 法律。中露イラン北朝鮮製UASと指定部品(FC、無線、データ伝送、カメラ、ジンバル、GCS、OS、ネットワーク・保存) | なし | DoDの調達・運用を禁止 | 部品単位で失格(モーター・電池は対象外) | 施行中 | 2019年12月20日 | FY2027 NDAA上院案847条で通信機器・航法・センサーに拡大案 | DFARS 225.70 |
| Section 889(FY2019 NDAA) | FAR協議会 | 法律。Huawei、ZTE、Hytera、Hikvision、Dahua | なし | 連邦契約者の使用禁止 | Hikvision等の熱画像モジュールは、契約内容と構成によって「実質的部品」に該当する可能性がある | 施行中 | 2019〜2020年 | — | EAC解説 |
| American Security Drone Act(FY2024 NDAA 1821〜1833条) | OMB/FAR協議会 | 法律。covered foreign entity(中国所在・支配企業等)が製造・組立したUAS | なし | 連邦の調達・運用・連邦資金による購入を禁止。補助金事業にも適用 | 企業単位。中国製部品を含む日本製機は対象外 | 施行中(FAR暫定規則) | 調達2023年12月22日、運用・資金2025年12月22日 | FAR最終規則の発行状況と、約2028年12月と見込まれる失効時期は最新規則を参照 | FAR 52.240-1 |
| Secure Equipment Act(2021年)/47 CFR 2.903 | FCC | 法律・規則。Covered List掲載機器の新規認証禁止 | 新製品の販売不可 | 間接的 | 掲載企業の論理部品を含む機器も対象(2026年7月) | 施行中 | 2021年11月11日 | — | FCC Covered List |
| FY2025 NDAA 1709条→FCC Covered List追加 | FCC(DoW/DHS判定) | 行政措置。外国製UASと重要部品全体+DJI・Autel | 新規認証不可。既認証機は継続可 | Blue UAS掲載・国内最終製品・条件付き承認で免除 | 部品も外国製なら新規認証不可 | 施行中(DJI・Autelが第9巡回区で係争中) | 2025年12月22日 | 免除期限2028年1月1日。DJI主意見書2026年11月2日 | DA 25-1086 |
| FCC DA 26-758(軍用グレード外国製UASの輸入・販売停止案) | FCC | 提案。55lb超、散布機、サーマル、LiDAR、ドック、群制御等 | 採択なら既認証機でも輸入・販売停止(使用は可) | 連邦購入・Blue UAS等は除外 | — | 意見募集終了、審議中 | 未定 | 採択後180日で適用(早ければ2027年1月) | DA 26-758 |
| FCC 26-50 第3次報告・命令/FNPRM | FCC | 規則+提案。UAS全体の認証義務化、HBOM/SBOM開示、「外国生産」の定義明文化 | 採択なら米国内の責任者設置等が義務化 | — | 掲載企業部品の組み込み禁止は即時 | 一部施行、提案部分は意見募集中 | 2026年7月22日 | 意見2026年9月8日、反論9月21日。マーケットプレイスのFCC ID表示義務2027年3月1日 | FCC 26-50 |
| Countering CCP Drones Act | 議会 | 法案→FY2025 NDAA 1709条として成立 | 上記に同じ | 上記に同じ | — | 成立済み(1709条に統合) | 2024年12月23日 | — | H.R.2864 |
| 商務省BIS ICTS(UASサプライチェーン) | 商務省BIS | 事前規則案告示(ANPRM)。中露関連のUAS ICTS | 提案段階 | — | — | ANPRM(2025年1月)以降、規則案は未確認 | — | 未定 | Federal Register |
| 大統領令14307「Unleashing American Drone Dominance」 | ホワイトハウス | 行政方針。米国製優先、Blue UAS拡大、Part 108策定指示 | — | 各省庁に米国製UASの優先を指示 | — | 施行中 | 2025年6月6日 | Part 108最終規則は未公表 | White House |
| 内務省 長官令3379号 | DOI | 行政方針。中国製機の原則グラウンディング | なし | DOIの運用・調達 | — | 施行中(2022年に一部再開) | 2020年1月29日 | — | GAO-24-106924 |
| Blue UAS(Cleared List/Framework) | DCMA(2026年1月からDIUより移管) | 調達参照リスト。848条適合+サイバー評価 | なし(ただしFCC免除の根拠) | DoD・多くの州が参照 | 848条指定部品に中国製があると不可 | 運用中 | — | 2027年までにマーケットプレイス化予定 | DIU発表 |
| 232条ドローン関税(大統領布告11055号) | 商務省/CBP | 関税。全原産国のUASと重要部品 | 価格に直結 | Blue UAS掲載企業は180日猶予 | 日本原産でも重要部品が中国製だと15%上限を使えない可能性 | 成立済み | 2026年9月3日(附属書III は2027年2月9日) | 商務省の証明手続き公表待ち | 91 FR 53699 |
| 州法(フロリダ934.50条等) | 各州 | 法律。州・自治体の購入・運用制限 | なし | 承認リスト外は購入不可 | 州により異なる | 施行中(州により時期が異なる) | フロリダ2023年1月1日ほか | コネチカット運用禁止2028年10月1日 | Florida DMS |
※「一般ユーザーの継続使用」は、本表のどの制度でも禁止されていません。ASDAの失効規定と州法の個別日程は一次資料での再確認を推奨します。
日本市場ではなぜDJIの存在感が強いのか
米国と比べるために、日本市場を分野別に見ます。数字を先に置くと、経済産業省の無人機産業基盤強化検討会の中間取りまとめ(2025年12月24日)は、国内の登録機体約36万台のうち約9割が中国製(主にDJI)とし、産業用途でも9割が中国製と報じられています。国産シェアは約3%です。
表B:日本市場における中国製ドローンの扱い(分野別、2026年9月2日時点)
| 分野 | 法的な使用制限 | 調達方針・実態 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 一般市場・個人 | なし | DJIが圧倒的。航空法・電波法の一般ルールのみ | 登録機体の約9割が中国製(経産省) |
| 民間企業 | なし | 点検・測量・農業で中国製が主流。ただし官公庁案件の受託時は発注仕様で制限されることがある | 同上 |
| 政府機関・独立行政法人 | 法律ではなく申合せ | 2020年9月の関係府省庁申合せで「セキュリティが確保されたドローン」に限定。2021年度以降の新規調達に適用、既存機の置換も方針化 | 内閣官房 関係府省庁連絡会議(第10回) |
| 自治体 | なし(国の申合せは直接適用されない) | 自治体ごとに判断。補助金要件で非中国製が実質条件になる場合があるため、公募要領の個別確認が必要 | — |
| 警察・消防・海上保安庁 | 申合せの対象(国の機関) | 海上保安庁は2019年12月に中国製排除方針を報道。消防・警察は非中国製へ移行中と見られるが機種構成は非公表 | 日本経済新聞(2019年12月) |
| 重要インフラ | なし(民間事業者) | 国・独法からの受託案件では申合せ相当の要件が仕様書経由で降りる | — |
| 防衛・安全保障 | 調達仕様で限定 | 自衛隊保有機の国産化率は約3割(2025年9月末、国会答弁)。定義は非公表 | DroneTribune(2025年11月20日) |
この表から言えるのは、「日本ではDJIが問題なく使える」と一律には言えないが、一般市場と民間企業の範囲では米国より明らかに広く使える、ということです。米国のようにFCCが新機種の認証を止めたり、州法が購入先を限定したりする仕組みは日本にはありません。海外から見れば「まだDJIの新機種が普通に買える市場」であることは、事実として否定できません。
海外メーカーが日本を後回しにしやすい理由
「日本市場は海外メーカーにとって参入優先度が上がりにくい」という仮説を、確認できた範囲で検証します。
- 市場規模:4,973億円(2025年度)は米国の数分の一。機体市場は1,227億円です。
- 価格差:ACSLは、自社標準機がDJI比で約2倍の価格だと説明しています。ニデックは「モーターやプロペラは中国製が低価格で多く流通し、価格で国産が優位に立つことは難しい」としています。
- 参入・撤退事例:ソニーはAirpeak S1の販売を2025年3月31日で終了。Parrotはコンシューマー機から撤退済み。一方でSkydioは2020年に日本法人を設立し、2025年9月にはX10用ドックを日本で一般提供。Red Cat/Tealは2026年4月に陸上自衛隊向け173システムを伊藤忠アビエーション等を通じて受注しました。撤退したのは民生、伸びているのは官公庁・防衛という構図です。
- 規制面の障壁:電波法の技適(FCC認証は日本では無効)、電気用品安全法に基づくPSE対応(対象となるリチウムイオン電池・AC充電器の適合確認と表示)、100g以上の機体登録、日本独自仕様のリモートID(届出済み機器でなければ外付けモジュールが必要)、型式認証(第二種取得機は13件、2026年6月時点で米国製はゼロ)、日本語サポート、代理店網。
「海外メーカーが日本を優先しない」と断定できる統計はありません。ただ、上の材料を並べる限り、民生ではDJIとの価格差と規制対応コストが重く、官公庁・防衛では米国製が入り始めている、というのが2026年時点の実態に近いと考えます。この構図は、後述する「米国製ドローンを日本へ輸入する」流れの前提になります。
日本から米国へ輸出する際の関税
先に結論を置きます。2026年9月3日以降、日本原産のドローン完成機にかかる追加関税は「232条関税」が中心になり、条件を満たせば通常関税込みで上限15%、満たさなければ25%または100%です。2026年の前半に大きく制度が入れ替わっているので、時系列を押さえないと古い情報で見積もってしまいます。
HTS分類:完成機は8806、ほとんどの電子部品は第85類
ドローン完成機はHTSUS第8806項(無人航空機)に分類されます。2022年のHS改正で新設された項で、遠隔操縦専用機(8806.21〜29)と自律飛行可能機(8806.91〜99)が最大離陸重量で区分されます。日本原産品への通常関税(Column 1 General)は全区分でFree(無税)です。
表C:ドローン関連製品のHTS分類と通常関税率(hts.usitc.gov、2026年9月2日確認)
| 製品 | 該当し得るHTS | 通常関税(日本原産) | 232条関税の扱い(2026年9月3日〜) |
|---|---|---|---|
| 完成機 250g超7kg以下(遠隔操縦専用) | 8806.22.00 | Free | 附属書II:25%(サーマル搭載は附属書I:100%) |
| 完成機 7kg超25kg以下 | 8806.23.00(自律型は8806.93.00) | Free | 同上 |
| 完成機 25kg超150kg以下 | 8806.24.00/8806.94.00 | Free | 附属書I:100% |
| 機体部品(プロペラ、脚、その他) | 8807.10/8807.20/8807.30/8807.90 | Free | 25kg超機向けは附属書I:100%(小売配送・農業・国防省向けを除く)。その他は附属書III:25%(2027年2月9日〜) |
| フライトコントローラー | 8537.10.91.70 | 2.7% | 附属書I:「UAS用」は100% |
| ESC(静止型変換器) | 8504.40.95.80 | 品目分類により異なる(過去の裁定例では0.3%) | 附属書I:「UAS用」は100% |
| カメラ・ジンバルカメラ | 8525.89.xx | Free | 布告時点の附属書には記載なし(商務省が追加可能) |
| 通信モジュール・映像伝送 | 8517.62.00.90 | Free | 同上 |
| GNSS受信機/送信機(プロポ) | 8526.91.00/8526.92.50 | Free | 同上 |
| LiDAR | 9015.80(測量用光学機器)ほか | Free | 同上 |
| リチウムイオン電池 | 8507.60.00 | 3.4% | 布告時点の附属書には記載なし |
| ブラシレスモーター | 8501.31ほか(出力で細分) | 2.4〜4% | 同上 |
2026年に追加関税の枠組みが3回変わった
- 2025年9月〜2026年2月:日米合意に基づくIEEPA相互関税。日本原産品は通常関税と合わせて15%になるよう上乗せ(HTS 9903.02.73)。民間航空機の免除は「無人航空機を除く」と明記されており、ドローンは対象外でした。
- 2026年2月20日:最高裁がIEEPA関税を無効と判断。Learning Resources v. Trump(6対3)で、IEEPAは大統領に関税賦課権限を与えていないと判示。大統領令14389号で2月24日に徴収停止。すでに払った分は輸入者(IOR)への還付手続きが進んでいます。代替として通商法122条の10%課徴金(2月24日〜7月24日、150日で失効)。
- 2026年7月24日〜:301条「強制労働輸入禁止」措置。USTRが60経済圏を対象に発動。日本原産品は通常関税と合算して12.5%になるよう上乗せ(HTS 9903.05.49)。中国は既存の301条関税に加えて一律12.5%。
- 2026年9月3日〜:232条ドローン関税(大統領布告11055号、2026年8月13日署名)。
232条ドローン関税の中身
- 100%(附属書I):最大離陸重量25kg超の機体、サーマルカメラ搭載機(重量を問わず)、ドッキングステーション、UAS用のフライトコントローラー(8537.10.9170)とESC(8504.40.9580)、25kg超機向けの機体部品(8807)。
- 25%(附属書II):25kg以下でサーマルカメラを搭載しない機体。
- 25%(附属書III、2027年2月9日〜):その他のUAS向け機体部品(8807)。
- 日本・EU・韓国・台湾・スイス・リヒテンシュタイン原産品は上限15%(通常関税込み)。条件は、輸入者が「実質すべての重要部品と技術が米国・日本・韓国・台湾・スイス・リヒテンシュタイン・EU・英国の産品」であると証明すること。英国は上限10%。証明手続きは商務省が定めることになっていますが、2026年9月2日時点で公表を確認できていません。
- 猶予:2026年9月2日時点でBlue UAS Cleared List、Blue UAS Framework、FCC条件付き承認を得ている企業の該当製品は180日間適用が延期されます。
- オンショアリング:2029年1月20日までに米国内工場を完成させる計画を商務省が承認すれば、建設期間中の部材・設備輸入が232条関税免除になります。
- ブラシレスモーター、リチウムイオン電池、カメラ、通信モジュールは、布告時点の附属書には見当たりません。ただし布告は「重要部品」として電池・モーター・ESCを名指ししており、商務省が官報告示で追加できる建付けです。
注意|301条(12.5%)と232条が重なるかは判断が分かれます
USTRの301条告示は「232条関税の対象品目は除外」と定めており、Greenberg Traurigは重複課税されない解釈を示しています。
ただしCBPの実装コード(9903.05.90)には鉄鋼・アルミ・銅・自動車・木材・半導体などが列挙されているのみで、UASを追加する告示は2026年9月2日時点で確認できていません。また301条告示の民間航空機免除(9903.05.88)に無人航空機が含まれるかも、提案段階の文言(「unmanned aircraftを含む」)と最終告示の文言が一致するか未確認です。見積もりは「15%」と「15%+12.5%」の両方で持ち、通関業者に確認してください。
概算例:6つの製品パターン
いずれも商品価格(FOB)を1万ドルとし、日本からの航空輸送、原産国は日本と仮定します。関税は課税価格(米国では輸送費・保険料を含まないFOBベースが原則)にかかります。通関関連費用としてMPF(物品取扱手数料0.3464%、2026会計年度は最低33.58ドル・最高651.50ドル)、HMF(港湾維持費0.125%、海上輸送のみ)、通関業者手数料(目安100〜250ドル)を分けて示します。
表D:関税・通関費用の概算例(商品価格1万ドル、2026年9月3日以降の入港を想定)
| 製品例 | HTS・通常関税 | 追加関税の考え方 | 関税額の目安 | 通関関連費用 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. 日本製ドローン完成機(5kg、非サーマル、重要部品は日米欧台製) | 8806.22/Free | 232条 附属書II 25%→日本原産の上限15%を証明。301条12.5%は重ならない前提 | 1,500ドル | MPF 34.64ドル+業者手数料 | 約1,700ドル(約17%)。301条が重なる場合は約2,950ドル |
| 2. 日本で組み立てた中国製カメラ搭載ドローン(5kg、非サーマル) | 8806.22/Free(日本原産と認められる場合) | 232条25%。中国製カメラは「重要部品」のため15%上限の証明が困難と見込まれる | 2,500ドル | 同上 | 約2,700ドル(約27%)。サーマルカメラなら関税1万ドル |
| 3. 日本製の産業用カメラ(単体) | 8525.89/Free | 232条附属書に記載なし。301条 強制労働措置で12.5% | 1,250ドル | 同上 | 約1,450ドル(約14.5%) |
| 4. 中国製通信モジュールを含む日本組立ドローン(5kg) | 8806.22/Free | 例2と同じ。通信システムは重要部品 | 2,500ドル | 同上 | 約2,700ドル(約27%) |
| 5. 日本から輸出する交換用バッテリー | 8507.60/3.4% | 301条で合計12.5%になるよう上乗せ(9.1%)。232条附属書には現時点で記載なし | 1,250ドル | 同上+危険物取扱費 | 約1,450ドル(約14.5%) |
| 6. 米国で組み立てるために輸出する日本製部品(フライトコントローラー) | 8537.10.9170/2.7% | 232条附属書I 100%→日本原産の上限15%(通常関税込み)。商務省承認のオンショアリング計画があれば免除 | 1,500ドル(免除なら0) | 同上 | 約1,700ドル(約17%)または約200ドル |
※あくまで概算の考え方を示すもので、実際の税率は製品の機能・仕様、HTS分類、原産国判定、輸入時期、証明手続きの整備状況で変わります。例2・例4の原産国は「日本での組立が実質的変更にあたる」ことが前提で、単純組立と判断されれば原産国は中国となり、中国向けの301条関税(List 3で25%)と強制労働措置12.5%が加わります。
通関実務で最初に決めること
- Importer of Record(IOR):関税の納付と申告内容に責任を負う輸入者。米国法人、米国の販売代理店、または日本の輸出者が「非居住者IOR」として米国代理人と保証(Customs Bond)を立てる形があります。DDP条件で売るなら自社がIORです。
- Customs Bond:継続保証は最低5万ドルまたは前年の関税・手数料の10%。関税率が15〜100%に上がると保証額の見直しを求められます。
- 課税価格:取引価格(支払価格+梱包費、販売手数料、アシスト、販売条件になっているロイヤルティ等)。国際輸送費・保険料は含みません。関連会社間取引は独立企業間価格の説明が必要です。
- 記録保存:輸入関係書類は入港から5年間(19 CFR 163.4)。
- 事前教示(Binding Ruling):eRulingsで分類・原産国の判断をCBPから書面で得られます。8806.2xと8806.9xの区分、「サーマルカメラ搭載」の判定、「UAS用」部品の該当性は、教示を取っておく価値があります。
- 誤分類のリスク:19 U.S.C. 1592により、過失でも関税差額の2倍(最大20%相当)、重過失で4倍、虚偽なら国内価格までの罰金があり得ます。232条の証明が虚偽だった場合は遡及課税と罰則の対象です。
- デミニミス(少額免税):2025年8月29日に全世界向けで停止、2026年2月の大統領令14388号で再確認。交換部品の少額発送も通常の通関が必要です。
原産国と中国製部品の考え方
「中国製部品を使うと中国向けの関税がかかるのか」「中国製部品があると米国で売れないのか」という質問には、どの制度の話かによって答えが変わるとしか答えられません。原産国という言葉は、少なくとも4つの意味で使われています。
表E:「原産国」の4つの判定と、中国製部品の影響
| 制度 | 判定方法 | 日本で組み立てた中国製部品入り機体の扱い |
|---|---|---|
| 税関上の原産国(原産国表示、301条・232条の適用国) | 実質的変更(substantial transformation)。部品が新しい名称・性質・用途を持つ製品に変わったか。単純組立は不可 | 日本での組立・統合・ファームウェア書込・校正・試験が「複雑で意味のある工程」なら日本原産。中国製部品を含むだけでは中国向け301条関税はかからない。ただし232条の15%上限は部品の原産国を見る |
| TAA(貿易協定法)上の原産国(連邦調達、FAR 25.4) | 同じく実質的変更。CBPが19 CFR 177に基づく最終判定を出す | 日本で実質的変更されていれば「指定国産品」として連邦調達に参加可能 |
| Buy American法の「国内最終製品」(FAR 25.101) | 米国製造+国内部品コスト65%超(2029年から75%超)。COTS品は部品テスト免除 | 日本製機は該当しない(価格評価で20〜30%不利になるが、TAA適用案件では問題にならない) |
| FTCの「Made in USA」表示 | 「すべて、または実質的にすべて」が米国製 | 米国で最終組立しただけでは表示できない |
これに加えて、セキュリティ上の「サプライチェーン要件」が別軸で走ります。
- FCC Covered List:国籍ではなく生産地。日本製の完成機も、中国製の重要部品も、どちらも「外国製」として新規認証の対象外です。中国製の通信モジュールが自前のFCC IDを持っていても、それを組み込んだ新しい日本製機体の認証は取れません(FCCのFAQは自動取得できず、法律事務所の解説でも明示されていないため、免除がない限り取得不可と考えるのが安全です)。
- ASDA(連邦調達):企業単位。中国所在・支配の企業が製造・組立したUASが対象で、日本企業が日本で組み立てた機体は、中国製部品があっても「covered UAS」ではありません。
- NDAA 848条(国防総省):部品単位。フライトコントローラー、無線、データ伝送装置、カメラ、ジンバル、地上局、運航ソフト、ネットワーク・データ保存のいずれかが中国・ロシア・イラン・北朝鮮製なら失格。モーター、バッテリー、ESC、フレームは対象外です。Blue UAS掲載機の多くが中国製モーターを使っていることも報じられています。
- UFLPA(ウイグル強制労働防止法):新疆産または指定企業の原材料を「一部でも」含む貨物は、最終組立地を問わず輸入禁止の推定を受けます。指定企業リストは2026年8月3日時点で187社に拡大し、炭酸リチウムなど電池材料、アルミ、銅が含まれます。ドローンでは電池セル、アルミ部品、ドック用太陽光パネル(ポリシリコン)が留置リスクの高い部材です。留置されると30日以内にトレーサビリティ資料を出す必要があります。
POINT|4つの原産国と2つのセキュリティ要件を、同じBOMで答えられるようにする
税関、TAA、Buy American、FTC、FCC、ASDA、848条は、どれも「部品ごとの製造国・製造者・機能」を聞いてきます。聞かれ方が違うだけで、答えの元データは一つのBOMです。製品を完成させてから遡って調べるのではなく、設計段階でBOMにこれらの項目を持たせるのが、いちばん安い対応です。
日本メーカーが持つべきBOMの最低限の管理項目
| 管理項目 | 何に使うか |
|---|---|
| 部品名/型番/メーカー | すべての制度の起点。メーカーの親会社・所在地まで |
| 製造国/最終加工国 | 税関原産国、232条の15%上限証明、FCC「生産地」、848条 |
| サプライヤー所在地・資本関係 | ASDAの企業判定、1260H・Entity List照合、UFLPA指定企業照合 |
| 通信機能の有無/データ送信機能の有無 | FCC認証区分、848条の「無線・データ伝送装置」該当性 |
| ファームウェアの開発・管理主体(国・企業) | 848条の運航ソフト、FCCのSBOM要求(提案中)、顧客のセキュリティ審査 |
| クラウド接続先・データ保存場所 | 848条のネットワーク・保存、DOJ大量データ規則、州法 |
| 政府調達上の禁止・制限対象か | 848条指定部品、Section 889企業の部品、Covered List掲載企業の論理部品 |
| 代替部品の有無と切替リードタイム | 規制追加時の対応期間、供給途絶時のBCP |
| 原材料の産地(電池セル、アルミ、ポリシリコン) | UFLPAの留置対応 |
| 部品コスト(米国製・同盟国製の比率算出用) | Buy American 65%テスト、232条「実質すべて」の説明 |
表2:製品・部品別の確認事項
表2:製品・部品別の確認事項(2026年9月2日時点)
| 対象 | HTS分類 | 原産国 | FCC | FAA | 輸送規制 | セキュリティ | 政府調達 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ドローン完成機 | 8806.2x/9x(重量・自律性で区分) | 組立地での実質的変更が要件。232条15%上限は部品原産国を見る | 外国製は新規認証不可。免除経路が必要。既認証機は継続可 | Remote ID DOC必須。人の上空飛行Cat2/3はDOC任意。55lb超は44807・型式証明 | 電池内蔵はUN3481。空輸は充電率30%以下(2026年IATA) | Blue/Green UAS、CISA指針、データ保存地 | ASDA(企業)、848条(部品)、TAA原産国 | 232条100%区分(サーマル・25kg超)、DA 26-758の輸入停止案 |
| フライトコントローラー | 8537.10.9170(2.7%) | PCB実装地・ファーム書込地で判断 | 重要部品。無線非搭載なら認証対象外だが、FNPRMで認証義務化案 | — | — | 848条の最重要部品。ファーム管理主体を文書化 | 中国製なら848条失格 | 232条附属書I 100%(日本原産は15%上限) |
| 通信モジュール | 8517.62(Free) | モジュール製造地 | モジュール認証+ホスト側SDoC。「Contains FCC ID」表示。中国製で掲載企業製なら組込禁止 | — | — | 暗号化方式、周波数(6GHz帯はUAS制御に使用不可) | 848条「無線・データ伝送装置」 | アナログ5.8GHz映像伝送は業務用途で使用不可 |
| カメラ | 8525.89(Free) | センサー・レンズ・組立地 | 重要部品(センサー・カメラ) | — | — | Hikvision等の熱画像コアはSection 889に触れ得る | 848条「カメラ・ジンバル」 | サーマル搭載機は232条100%、DA 26-758対象区分 |
| センサー(LiDAR等) | 9015.80ほか(Free) | 同上 | 重要部品。FCCは障害物回避LiDARの追加を検討との報道 | — | レーザークラス表示(FDA/CDRH) | 点群データの保存先 | FY2027 NDAA上院案でセンサーを848条に追加案 | LiDAR搭載機はDA 26-758対象区分 |
| GNSS関連部品 | 8526.91(Free) | 受信機製造地 | 重要部品(航法システム) | Remote IDの位置精度要件 | — | スプーフィング対策の説明を求められる | FY2027 NDAA上院案で航法を追加案 | — |
| モーター | 8501.31ほか(2.4〜4%) | 巻線・組立地。磁石の産地は別途 | 重要部品(FCC)だが無線非搭載 | — | — | — | 848条の対象外(Blue UAS機にも中国製あり) | 232条附属書への追加可能性。中国のレアアース磁石輸出管理 |
| ESC | 8504.40.9580 | 同上 | 重要部品 | — | — | — | 848条の対象外 | 232条附属書I「UAS用」100% |
| バッテリー | 8507.60(3.4%) | セル製造地とパック組立地を分けて記録 | 重要部品(電池・BMS) | — | UN38.3試験概要、49 CFR 173.185、Wh表示、リチウム電池マーク、UN3480は旅客機貨物不可・30%充電 | UFLPAの電池材料リスク | 848条の対象外 | 中国依存度が最も高い部品。301条で合計12.5% |
| 送信機(プロポ) | 8526.92(Free) | 製造地 | 認証必須(意図的放射器)。地上局として重要部品 | — | 内蔵電池はUN3481 | — | 848条「地上局」 | — |
| クラウドサービス | 物品ではない | — | — | Part 108でADSP(第三者サービス)認定制度案 | — | DOJ 28 CFR 202(中国等へのアクセス経路)、州法(外国への送信禁止) | 連邦向けはFedRAMP。848条「ネットワーク・保存」 | データ保存地が米国外だと公共案件で不利 |
| データ管理サービス | 物品ではない | — | — | 飛行ログの保存義務(Part 107.165等) | — | SOC 2/ISO 27001、SBOM、脆弱性開示窓口を求められる | CMMC(防衛下請けは2026年11月10日からLevel 2第三者認証) | 日本本社からの遠隔アクセスが審査対象になる |
※HTSの細分と税率は2026年9月2日にhts.usitc.govで確認した値です。個別製品の分類は事前教示で確定させてください。
米国で販売・運用するための規制(FAA・FCC・バッテリー・データ)
米国には、小型ドローンを「販売するための型式承認」はありません。その代わり、メーカーが自分で宣言・登録する義務(FAA)、無線機器の認証(FCC)、危険物としての電池輸送(DOT/PHMSA)、そして法律ではないが実質的に必須になる顧客要件(データ・セキュリティ)が並びます。
FAA:販売と飛行は別の話。メーカーの義務はRemote IDと人の上空飛行の宣言
- 機体登録(14 CFR Part 48):0.55ポンド(250g)以上は運用者が登録。メーカー側は登録番号を貼れる外装と、ANSI/CTA-2063-A形式のシリアル番号を用意します。
- Part 107(運用者の規則):目視内、400フィート以下、夜間飛行は衝突防止灯と講習で可(2021年4月〜)。目視外や人の上空飛行は権利放棄(waiver)または後述の区分に従います。
- 人の上空飛行(Part 107 Subpart D):Category 2(衝突エネルギー11ft-lb以下)・Category 3(25ft-lb以下)はメーカーがFAA承認の適合手段(MOC)に基づき適合宣言(DOC)を提出し、機体にラベルを付けます。義務ではありませんが、公共安全・都市部の顧客には重要な差別化になります。パラシュート(ASTM F3322)で対応する例が多く、2024年にはサードパーティのパラシュートメーカーが申請者となった事例もあります。
- Remote ID(Part 89):2022年9月16日以降に生産する機体はStandard Remote IDへの適合宣言が必須。宣言はuasdoc.faa.govからメーカーが提出し、受理されると公開リストに載ります。宣言書には無線機器のFCC IDを記載する必要があるため、FCC認証が取れない新機種はRemote IDの宣言も実質できません。
- 型式証明(Part 21):Part 135の貨物配送、Category 4、55ポンド超で44807条の免除を使わない場合などに必要。小型産業機の販売には不要です。
- Part 108(BVLOS):2025年8月7日に規則案公示、意見募集は2026年2月に再開分も終了。大統領令14307号の期限(2026年2月頃)は過ぎましたが、2026年9月2日時点で最終規則は未公表です。案では、型式証明の代わりにメーカーがASTM規格への適合宣言を出す「airworthiness acceptance」と、第三者サービス(ADSP、Part 146)の認定制度が入っています。
- 農薬散布機:55ポンド超は44807条の免除申請+Part 137+Part 47登録。承認機種リストへの追加申請が必要で、FAAの手続きに加えてFCCの新規認証停止と232条100%関税が重なる、最も参入しにくいカテゴリーです。
- 重要インフラ上空(2209条):2026年5月に規則案公示、意見募集は7月に終了。最終規則待ちです。
FCC:認証の仕組みと、2025年12月以降に新機種が通る3つの経路
- 認証区分:2.4GHz/5.8GHz/900MHzの送信部は認証(Certification)でFCC IDを取得。デジタル回路部分は適合宣言(SDoC)で、SDoCの責任者は米国内に所在する必要があります(47 CFR 2.1077)。認証の申請者(grantee)は外国企業でも可能ですが、2023年以降、米国内の送達代理人の指定が必須です(47 CFR 2.911(d)(7))。
- モジュール認証の利用:認証済み無線モジュールを組み込めば送信部の再認証は不要ですが、ホスト機体としてのSDoC、アンテナ・RF曝露条件の維持、「Contains FCC ID: xxx」表示が必要です(KDB 996369)。
- 周波数:Part 15.247(2.4/5.8GHz、900MHz)、Part 15.407(5GHz U-NII、DFS)。6GHz帯はUAS制御に使えません。LTE/5Gモジュールは通信事業者側の承認(PTCRB等)、衛星端末はPart 25。アナログ5.8GHz FPV映像伝送はアマチュア無線免許の範囲でしか使えず、業務用製品には向きません。
- 試験機関:2025年9月8日施行の規則で、中国政府等の支配下にある試験所・TCBは排除されました。中国の試験所で取った過去のデータは新規申請に使えない可能性があるため、日本・米国・EUの承認試験所を使います。
- Covered List後の経路:(1)Blue UAS Cleared List掲載(2028年1月1日まで有効)、(2)DoW/DHSの条件付き承認(オンショアリング計画を守る限り無期限)、(3)米国内製造で部品コストの65%超を米国製にする(2028年1月1日まで有効)、(4)150g以下のトイドローン。既存機種を設計変更せずに売り続けるのは5つ目の選択肢で、セキュリティ更新は2029年1月1日まで免除されています。
- 2026年7月の追加規則:Covered List掲載企業の論理部品(チップセット等)を組み込んだ機器は、販売者が別会社でも認証不可。オンラインマーケットプレイスには2027年3月1日からFCC IDの表示義務。さらにUAS全体を認証必須(SDoC不可)にし、HBOM/SBOM開示と米国内責任者を求める案が意見募集中です(意見2026年9月8日、反論9月21日)。
現場では|「FCC IDが取れるか」が事業計画の起点になる
2025年までは「機体ができてからFCCと通関」で足りました。2026年からは順番が逆で、FCCの免除経路(Blue UAS、条件付き承認、米国製造)のどれで行くかが、BOM、生産地、資本構成、投資額を決めます。条件付き承認には米国内へのオンショアリング計画が求められるため、「日本で作って輸出する」だけの計画では申請が成立しにくい点に注意してください。
バッテリーと製品安全:義務と任意を分ける
- 義務:UN 38.3試験と試験概要書(Test Summary)の提供、49 CFR 173.185に基づく梱包・表示・書類(UN3480単体/UN3481機器同梱、Class 9、リチウム電池マーク、Wh表示)。単体電池は旅客機の貨物に積めず、空輸は充電率30%以下。2026年1月のIATA DGR第67版から、機器同梱(UN3481)の電池も2.7Wh超は充電率30%以下が原則になりました。海上輸送(IMDG)に充電率制限はありません。
- 義務:消費者製品の場合、CPSCへの欠陥報告(15条(b)、24時間以内)とリコール対応。ドローン固有の強制安全基準はありません。2026年6月のCPSCの電動モビリティ電池規則案もドローンは対象外です。
- 任意だが求められる:UL 2054/UL 62133-2(電池)、UL 3030(UASの電気系)、UL 2271。NRTL認証は法律上ドローン本体に義務付けられていませんが、AC電源に接続する充電器・ドック・地上局は職場での使用にNRTL品を求められる実務があります。マーケットプレイス、ディストリビューター、保険会社が要求するのが実態です。
- 製造物責任:州法による厳格責任。メーカー、輸入者、販売者の全員が訴訟対象になり、日本のメーカーも管轄が及びます。米国向けの製造物責任保険(航空製品)と、代理店との補償条項の設計が必要です。
データ・サイバーセキュリティ:法律、調達条件、顧客要求の3層
| 層 | 内容 | 日本メーカーへの実務的影響 |
|---|---|---|
| 法的義務 | DOJ大量機微データ規則(28 CFR 202、2025年4月8日施行):米国人の精密位置情報等を中国・ロシア等の「懸念国」の主体がアクセスできる形で扱う取引を制限。州法(フロリダ等):外国主体へのデータ送信禁止 | クラウドやサポート体制に中国側からのアクセス経路があると抵触し得る。日本本社からの遠隔アクセスは禁止対象ではないが、説明責任は生じる |
| 調達条件 | Blue UAS(サイバー・物理評価)、AUVSI Green UAS(2025年7月からBlueへの経路として認定)、CMMC(防衛下請け。2026年11月10日からLevel 2は第三者認証)、FedRAMP(連邦向けクラウド)、CISA/FBIの2024年1月指針 | 公共・防衛案件では、機体だけでなくクラウド、ファームウェア更新、遠隔アクセス、飛行ログの保存場所を審査される |
| 顧客の独自要求 | 848条適合表明書、米国内データ保存、SBOM/HBOM、SOC 2/ISO 27001、ファームウェア署名と脆弱性開示窓口、TAA証明書、米国内サポート | 法律ではないが、電力・通信・州機関の入札仕様に入る。準備がないと入札段階で落ちる |
米国政府のIoTセキュリティラベル「U.S. Cyber Trust Mark」は任意制度で、2026年4月にioXt Allianceが運営主体に選ばれましたが、9月時点で製品へのラベル付与は始まっていません。
政府調達と米国製部品比率
「米国製部品を何%以上使えば政府に売れるのか」という質問に、単一の数字で答えることはできません。ドローンについて「米国製部品○%」を法律で義務付けた連邦制度は、2026年9月時点で存在しません。数字が出てくるのは、Buy American法の国内最終製品テスト(65%超、2029年から75%超)と、それを借用したFCCの免除条件、そしてインフラ補助金のBABA(55%超)だけで、しかも適用場面が異なります。
制度ごとの適用範囲
| 制度 | 適用場面 | 判定基準 | 日本製ドローンの扱い |
|---|---|---|---|
| Buy American Act(FAR Part 25) | 連邦の直接調達で、TAA閾値未満の案件や小規模事業者向け留保案件 | 米国製造+国内部品コスト65%超(2024〜2028年)、75%超(2029年〜)。COTS品は部品テスト免除(鉄鋼製品除く)。国内品がなければ55%の代替基準(2030年1月1日失効)。価格評価で外国品に20%(大企業)/30%(小規模)、国防総省は50%の不利 | 「国内最終製品」にはならない。価格評価で不利になるが、購入禁止ではない |
| Trade Agreements Act(FAR 25.4) | 連邦の直接調達で、物品・サービス174,000ドル以上(2026〜2027年、WTO政府調達協定) | 指定国で製造または実質的変更された製品は米国製と同等に評価。Buy Americanは適用されない | 日本は指定国。日本原産のドローンは対等に評価される。中国製部品を含んでいても、日本で実質的変更されていれば可 |
| DFARS 225.872(適格国) | 国防総省の調達 | 相互防衛調達覚書を結んだ適格国の製品にはBuy Americanの制限を金額を問わず適用しない | 日本は適格国。ただし848条(部品)とASDA(企業)の禁止は別途適用 |
| Build America, Buy America(BABA) | 連邦補助金によるインフラ事業 | 製造品は米国製造+国内部品55%超 | OMB M-24-02により、インフラに組み込まれない「工具・設備・備品」は対象外。ドローンは原則BABA対象外と読める。ただし補助金にはASDAの連邦資金禁止が適用される |
| American Security Drone Act | 連邦の調達・運用・連邦資金(補助金含む) | covered foreign entity(中国所在・支配企業等)が製造・組立したUASを禁止 | 日本企業製は対象外。ただし米国法人が中国企業の支配下にあると対象 |
| NDAA 848条/DFARS暫定条項252.225-7972/7973 | 国防総省の調達・運用 | 指定部品・ソフト・ネットワークが中露イラン北朝鮮製なら禁止 | 部品単位で確認。モーター・電池は対象外 |
| Blue UAS(Cleared List/Framework) | 国防総省の参照リスト。多くの州・連邦機関が事実上参照 | 848条適合+サイバー・物理評価。DoW部門の推薦、公募評価、認定評価機関(Green UAS等)の3経路 | 外国企業も掲載可(Parrot、Wingtra、Quantum Systemsなど)。第三者情報ではACSLの旧機体PF2の掲載事例があるものの、最新リストでの掲載状況は確認できず |
| 州・自治体の独自要件 | 州機関、警察・消防、学校区など | 州法の承認リスト、「懸念国」排除条項、州のBuy American | フロリダ型の承認リストに載る必要がある州では、Blue UAS掲載が実質的な前提 |
比率や判定方法が変わる条件を整理すると、次の通りです。調達機関(民生省庁か国防総省か)、契約年度(65%か75%か)、製品カテゴリー(一般製品か鉄鋼製品か、COTSか)、直接調達か補助金事業か、契約金額(TAA閾値の上下)、日本が指定国・適格国として扱われるか、waiverの有無、部品コスト基準か製造工程基準か、小規模事業者向け留保の有無。同じ製品でも、買い手と契約の形で答えが変わります。
似て非なる7つの言葉
- 米国内で最終組立した製品:税関上の原産国が米国になるとは限らず(実質的変更の要否)、Buy Americanの国内最終製品にも自動的にはなりません。
- 米国原産品:税関の実質的変更基準で判定。政府調達上の判定とは別。
- 米国政府が購入できる製品:TAA指定国産品(日本製を含む)は購入できます。ASDA・848条・FCCの制限に触れないことが条件。
- TAA適合製品:指定国で実質的変更された製品。日本製で該当します。
- Blue UAS掲載製品:国防総省の参照リストに載った製品。法的な「認証」ではありませんが、実務では最も強い資格です。
- 一般市場で販売できる製品:FCC認証(または免除)があり、FAAのRemote ID宣言を済ませた製品。政府調達の可否とは無関係です。
- Made in USAと表示できる製品:FTC基準で「すべて、または実質的にすべて」が米国製。最終組立だけでは表示できません。
表1:販売先別の主な要件
表1:販売先別の主な要件(日本製ドローン、2026年9月2日時点)
| 販売先 | 輸入可否 | 関税 | FAA | FCC | 原産国 | 中国製部品 | 国内調達要件 | セキュリティ要件 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般消費者 | 可 | 232条25%(日本原産・証明で15%) | Remote ID宣言、登録番号スペース | 既認証機は可。新機種は免除経路必須 | 表示義務(Made in Japan) | 法的制限なし(FCCは生産地で判定) | なし | CPSC報告義務、州のプライバシー法 | DJI既存機種との価格競争。デミニミス停止で少額発送も課税 |
| 民間企業 | 可 | 同上。サーマル搭載は100%区分 | Part 107、Cat2/3 DOCがあると有利 | 同上 | 同上 | 顧客の任意要件 | なし | DOJデータ規則、SOC 2等の契約要求 | 保守・部品在庫・英語サポートで選ばれる |
| 州・自治体 | 可 | 同上 | 同上 | 同上 | TAA・州のBuy Americanは州により異なる | 州法の「懸念国」排除。承認リスト州では実質Blue UAS前提 | 州により独自 | 州法(外国へのデータ送信禁止等) | 連邦補助金が入る購入はASDAが適用 |
| 警察・消防 | 可 | 同上 | DFR waiver、Cat2/3、夜間 | 同上 | 同上 | 同上 | DOJ/FEMA補助金はASDA適用 | CISA指針への適合説明、映像データの保存地 | FY2026 NDAAで補助金対象化。Blue/Green UASが事実上の入場券 |
| 連邦政府(民生省庁) | 可 | 同上 | 省庁のUASポリシー | 同上 | TAA指定国産品(174,000ドル以上)。未満はBuy American価格評価 | ASDAは企業単位。部品は各省庁の追加要件 | Buy American/TAA | OMB M-26-02の調達手続き、FedRAMP(クラウド) | EO 14307で米国製優先。DOIは長官令で独自運用 |
| 国防関係 | 可 | 同上(DoW向け25kg超部品は232条対象外の区分あり) | 軍用は別体系 | Blue UAS掲載でFCC免除 | DFARS適格国(Buy American免除) | 848条:指定部品が中露イラン北朝鮮製なら失格 | DFARS、Blue UAS | Blue UASサイバー評価、CMMC、ITAR判定 | Drone Dominance等は米国製優先。同盟国製の参加余地は案件ごと |
| 重要インフラ(電力・通信・パイプライン等) | 可 | 同上 | 2209条規則(案)、BVLOS waiver | 既認証機は可 | 顧客要件 | 顧客要件(848条準拠を求める例が多い) | 連邦補助金・規制当局の要件による | NERC CIP等の事業者側基準、データ保存地 | ACSLの初期顧客層。長期保守契約が前提 |
| 連邦補助金を使用する事業 | 可 | 同上 | 事業ごと | 同上 | BABAは原則ドローン対象外(設備扱い) | ASDA(連邦資金禁止、2025年12月22日〜) | 補助金要綱(NOFO)の条件 | OMB M-26-02 Appendix D | 州DOTは連邦資金事業で該当機の運用停止・隔離を実施 |
※「輸入可否」はいずれも可ですが、FCC DA 26-758が採択されると既認証機でもサーマル・LiDAR・25kg超・散布機・ドックは輸入停止になる可能性があります。
ACSLの米国展開から学べること
日本メーカーで最も米国展開の情報が公開されているのがACSL(東証グロース 6232)です。以下は同社の適時開示・プレスリリースと米国法人の発表に基づく事実で、第三者評価は分けて書きます。

公式発表で確認できる事実
- 米国法人:ACSL, Inc.をカリフォルニア州サンタクララに2023年1月設立(対外発表2023年5月)。CEOは元DJI北米エンタープライズ責任者のCynthia Huang氏。設立前の2022年後半に、電力向けディストリビューターGeneral Pacificで実証を実施。
- 製品:小型空撮機SOTEN(蒼天)の米国版。標準パッケージ1万ドル未満、FAA Remote ID対応、2.4/5.8GHz二波、AES-256暗号化、映像データのSDカード書込前暗号化、ISO 15408認証、「NDAA準拠」「Made in Japan」を訴求。2025年8月にNDAA準拠のスマートコントローラーTAITENと赤外線ペイロードSAMOの改良版を発表。
- 販売網:2024年1月に正規ディーラー8社を発表。2024年10月、北米大手ディストリビューターExertis Almoとマスターディストリビューター契約を結び500台(337.5万ドル)を受注、2025年11月に追加400台。2026年5月にはカナダのDraganflyと独占販売契約。米国内ディーラーは20社超。
- 顧客・事例:電力大手Amerenとガス設備点検のホワイトペーパー(2024年11月)、American Tower CorporationとMOU(2025年10月)、公共安全分野の事例(2026年3月)。
- サプライチェーン:完全国産はコストが1.5〜2倍になるため「非中国依存サプライチェーン」を選択。共同CEOはSOTENについて日本・米国・台湾部品で100%非中国を達成したと説明。モーターは国内、センサーは米欧、バッテリーは中国依存が課題と明言。
- 業績:2025年12月期は売上25.99億円(前期比-2.1%)、営業損失18.4億円、純損失13.6億円。2026年12月期は売上40億円を計画し、第2四半期累計で売上16.48億円(+68.9%)、北米売上10.1億円、エンドユーザーへの販売が前年同期比11.6倍。北米向けに最大31億円の第三者割当と、2026年8月に海外募集による新株発行(最大480万株)を決定。
- 中期経営計画「ACSL Accelerate FY26」(2025年12月23日):北米を最重要成長軸に位置づけ、2026年にSOTEN 1,000台以上、2028年に売上50億円以上。過去2回の中計は未達で経営体制を刷新。
- 防衛:2026年3〜4月に防衛装備庁からSOTEN累計約14.2億円を受注。
- 地政学:2026年6月29日、中国商務部公告2026年第28号で、ACSLとTerra Droneが「注視リスト」に掲載。中国からの部材調達に個別許可・リスク評価・誓約が必要になります。
第三者の評価と、公開情報から読める課題
- DroneXL(2026年3月)はSOTENを「DJIを使えない運用者向けの現実的な選択肢」と評価しつつ、2025年末出荷予定だった機能が2026年3月時点で未出荷である点を「買い手の信頼を損なう」と指摘しています。
- Blue UAS Cleared Listについて、第三者の整理では旧機体ACSL-PF2の掲載が確認できますが、SOTENの掲載は確認できませんでした(DCMAの最新リストは直接確認できていません)。米国ディーラーのカタログでもSOTENは「NDAA準拠」区分で、Blue/Greenのバッジは付いていません。
- FCC Covered List追加(2025年12月22日)について、同社は既に認証済みのSOTENは重大な影響なく販売継続可能と説明しています。次世代小型機(2026年後半投入予定)の米国での新規認証をどの経路で取るかは、開示資料からは確認できません。
- 東洋経済の取材では、標準機の価格がDJI比で約2倍と述べられています。
ACSLの歩みから引き出せる5つの教訓
- 現地法人と現地の経営陣が先。ディストリビューター契約も顧客の実証も、米国法人と米国市場を知る経営者がいてから動いています。
- 販路はディストリビューター経由で一気に。500台+400台という規模はディーラー個社の積み上げでは出ません。
- 「非中国100%」は最初からBOMで作る。完成後の置き換えではなく、部品調達先を日本・米国・台湾に絞って設計しています。それでも電池は課題として残っています。
- 既認証機は資産、新機種は経路設計が必要。2025年12月以前に取ったFCC IDが、いま米国で売れる根拠になっています。
- 時間と資金がかかる。2023年設立から北米売上が四半期で数億円規模になるまで3年。その間に増資を重ねています。
ACSL以外の動き
- Terra Drone:2024年に米UTM大手Aloft Technologies(FAAのLAANC申請の84%超を処理)へ出資し、2025年9月に完全子会社化。機体ではなく運航管理ソフトから米国に入る形です。2026年5月には米国子会社設立予定と報じられています。
- ヤマハ発動機:産業用無人ヘリFAZERを米国で長年展開し、2018年にFAA承認。農業分野の先行例です。
- SkyDrive:eVTOLでFAA型式証明を申請し、2026年7月にFAAとの会議を開始(2028年就航目標)。
- EXEDY Globalparts Corporation:2026年7月24日付でFCCの条件付き承認をUAS「Ayre CX」について取得。日本の親会社を持つ米国法人が、オンショアリング計画を伴う承認を得た例です。
- 部品:ニデックがドローン用モーター5種を開発し、LiberawareのIBISやSkydio X10に採用されています。ソニーのイメージセンサーなど、日本製部品が米国製ドローンに入っている例は、公式発表で確認できる範囲では限られます。
日本メーカーに生まれている市場機会
DJI離れは、正確には「中国製の新機種が米国に入らなくなり、既存機種も公共分野から順に置き換えられていく」流れです。DJIは2026年に予定していた25機種の投入が止まったとされます。置き換え需要は、2026〜2027年に公共安全・重要インフラ・州機関で集中的に発生します。日本メーカーが取れる位置を、強みごとに具体化します。
- 非中国系サプライチェーンとトレーサビリティ:848条の指定部品を非中国で揃え、BOMで証明できる企業は、そのままBlue/Green UASの審査に進めます。日本の製造管理(工程記録、ロット管理、変更管理)は、この審査で評価される資産です。
- 品質・耐久性・産業用途:米国の公共・インフラ顧客は、DJI並みの完成度を求めつつ、セキュリティで選べる機体を探しています。塩害・高温・電磁環境での実績や、日本のインフラ点検・災害対応での運用知見は、仕様書に書ける差別化になります。
- 特殊用途へのカスタマイズ:狭所点検、屋内、プラント、原子力、防爆など、量産メーカーが手を出しにくい領域は、米国でも競合が少ない分野です。
- 精密部品・センサー:完成機を売らなくても、米国メーカー(Skydio、Red Cat、Freefly、Inspired Flightなど)は非中国製のモーター、センサー、電池、光学部品を探しています。Blue UAS Frameworkは部品単位のリストで、部品メーカーの参入口になります。ニデックのモーターがSkydio X10に採用された事例は、その典型です。
- 米国企業との共同開発:FCCの条件付き承認がオンショアリング計画を求める以上、米国メーカーに日本製部品やサブシステムを供給する形は、関税の15%上限と免除経路の両方に整合します。
- 日本企業としての信頼性:TAA指定国、DFARS適格国、同盟国という制度上の立場は、EU・韓国・台湾と同じ「上限15%グループ」に入っていることで具体的な形になっています。
日本メーカーが直面する課題
率直に書きます。「DJIが排除されれば日本メーカーが自動的に勝てる」という状況ではありません。理由は、置き換え需要の受け皿になる米国メーカー(Skydio、Red Cat/Teal、Freefly、Inspired Flight、Anduril、AeroVironmentなど)と、同じ上限15%グループのParrot、Wingtra、Quantum Systemsが、すでにBlue UASに載り、州の承認リストに入り、現地保守網を持っているからです。
| 課題 | 実態 | 手当ての方向 |
|---|---|---|
| DJIとの価格差 | 非中国製で約2倍(ACSL)。関税15〜25%がさらに乗る | 民生の価格競争を避け、調達要件で絞られる市場に集中する |
| 米国メーカーとの競争 | Blue UAS掲載、州承認リスト、EO 14307の米国製優先 | 米国企業との共同開発・部品供給で「米国製」の側に入る |
| 生産能力・供給スピード | Exertis Almoの500台規模に応える量産と納期 | 米国内組立、委託生産の併用 |
| 販売網・現地保守・修理部品在庫 | ディーラー20社規模でも、修理拠点と部品在庫がないと公共案件は取れない | ディストリビューターの保守機能、RMA拠点、部品の米国内在庫 |
| 操縦訓練・英語サポート | Part 107講習との接続、英語マニュアル、24時間対応 | 現地パートナーの訓練プログラムに載せる |
| 製造物責任・保険 | 厳格責任、集団訴訟リスク | 米国向け航空製品賠償責任保険、代理店との補償条項 |
| 認証費用 | FCC(免除申請含む)、Remote ID、Cat2/3、UN38.3、UL、Blue UASサイバー評価 | 機種を絞り、認証を機種ごとに計画 |
| 政府調達の実績 | 米国の公共案件は実績を要求する | 州・郡レベルの小規模案件、パイロット導入から積み上げる |
| 政策情報の収集・ロビー活動 | FCC・議会・州法が月単位で動く | AUVSI等の業界団体加入、法律事務所のアラート購読、月次モニタリング(後述) |
| 中国製部品の置き換えコスト | 電池は依然として中国依存度が高い | 電池は日韓台のセル、パック組立は日本または米国 |
| ソフトウェア・クラウド | 米国内データ保存、SBOM、脆弱性開示窓口 | 米国リージョンのクラウド、ファームウェア署名 |
| 米国顧客が求める機能との違い | DFRの自動出動、ドック運用、サーマル標準装備、LTE経由の遠隔運用 | 米国の運用形態を先に調べてから仕様を決める |
POINT|勝機がある企業の条件
(1)848条の指定部品を非中国で組んだBOMがあり、(2)FCCの免除経路(Blue UAS掲載、条件付き承認、米国内製造)のどれかを事業計画に持ち、(3)米国内に保守・部品・サポートの拠点があり、(4)公共安全・インフラ・防衛のいずれかで日本での運用実績を仕様書に書ける。この4つを満たす企業には、2026〜2027年の置き換え需要に間に合う可能性があります。
米国進出モデルの比較
ここまでの制度を踏まえて、進出モデルを比較します。ポイントは、関税、FCC、政府調達の3つが、それぞれ「どこで作るか」に反応することです。
表4:米国進出モデルの比較(2026年9月2日時点の制度に基づく)
| モデル | 初期費用 | 関税 | 原産国 | 政府調達 | 生産能力 | 保守体制 | 主なメリット | 主なリスク | 適している企業 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1. 日本から完成機を輸出 | 低(認証・IOR・保険) | 232条25%/100%。同盟国部品で上限15% | 日本 | TAA指定国産品として可。848条は部品次第 | 日本の設備に依存 | 代理店に委託 | 既認証機なら最短。投資が小さい | 新機種のFCC認証が取れない。DA 26-758で産業機の輸入停止の可能性 | 既にFCC IDを持つ機種がある企業、小規模な試験販売 |
| 2. 米国で最終組立 | 中(組立拠点、人員) | 部品に232条(FC・ESCは100%→上限15%)、その他部品に301条12.5%。オンショアリング承認で免除 | 米国(実質的変更が必要。単純組立では日本原産のまま) | 部品コスト65%超が米国製なら国内最終製品。未満でも米国製造としてFCC免除の要件に近づく | 米国側で調整可 | 拠点が保守も兼ねる | FCC条件付き承認の「オンショアリング計画」に合致。関税の一部を回避 | 「米国製」表示は不可。65%の証明に部品コストの開示が必要 | 公共・防衛市場を本気で狙う中堅以上 |
| 3. 米国で現地生産(法人+工場) | 高 | 設備・部材に関税。オンショアリングプログラムで建設中は免除 | 米国 | Buy American国内最終製品、Blue UAS、州承認リストに最も近い | 大 | 自社 | すべての制度で最も有利 | 投資回収、労務、部品の米国内調達網 | グループに米国製造拠点を持つ企業 |
| 4. 米国企業との共同開発 | 中(開発費の分担) | 日本製部品に上限15% | 米国(米国側が製造) | 米国側企業の資格(Blue UAS等)を使える | 米国側 | 米国側 | 関税・FCC・調達の三重の壁を米国側が担う | 知的財産の帰属、収益配分、主導権 | センサー・電池・モーター等に強みを持つ部品メーカー |
| 5. 部品のみ輸出 | 低 | FC・ESCは232条(上限15%)、その他は301条12.5% | 日本 | Blue UAS Frameworkに部品単位で掲載可 | 日本 | 不要(部品保証のみ) | 完成機の規制を受けない。米国メーカーの非中国化需要に直接応える | FCC FNPRMで重要部品も認証対象になる案。232条附属書への追加 | モーター、電池、センサー、光学、GNSSの部品メーカー |
| 6. ライセンス生産(米国企業に設計を供与) | 低〜中 | なし(米国生産) | 米国 | 米国側企業の資格による | 米国側 | 米国側 | 資本投下なしで米国製の枠に入る | 技術流出、品質管理、ロイヤルティの課税価格算入 | 設計力はあるが量産・販売網を持たない企業 |
9つのパターンで見ると、次のように整理できます。
- 日本製完成機を米国へ輸出:モデル1。既認証機の継続販売が現実的な範囲です。
- 日本製部品を米国へ輸出し米国で組み立てる:モデル2。FCC免除と関税の両面で、いま最も制度に整合する形です。
- 日本企業が米国法人と工場を設置:モデル3。2029年1月20日までの工場完成を約束すれば、232条のオンショアリングプログラムが使えます。
- 米国の製造会社へ生産委託:モデル2と3の中間。委託先の資本関係(中国資本でないこと)と、実質的変更の要件を満たす工程設計が要ります。
- 日米企業の共同開発:モデル4。
- 米国製完成機を日本へ輸入:次章で扱います。
- 米国製機体に日本製のカメラ・センサー・モーターを組み込む:モデル5の発展形。Blue UAS Frameworkへの部品掲載が入口です。
- 日本向け仕様を米国で製造:米国製造機を日本の技適・リモートID・型式認証に合わせる形。日本市場向けに米国工場を使う経済合理性は、日米で同じBOMを使える場合に限られます。
- 日米共同で非中国系部品の調達網を構築:電池・磁石・センサーの共通調達。中国の注視リスト掲載(ACSL、Terra Drone)が示すように、日本側の部材調達も中国依存を減らす必要があり、動機は日米で共通です。
米国製ドローンを日本へ導入する可能性
米国の調達要件に合わせて米国内で製造された機体を日本へ輸入する流れは、すでに始まっています。Skydioは2020年に日本法人を設立し、2024年11月にX10の国内出荷を開始、2025年9月にはX10用ドックを米国外で初めて日本で一般提供しました。Red Cat/Tealは2026年4月に陸上自衛隊向け173システムを受注しています。
日本側でも、2020年の政府調達方針と2025年12月の特定重要物資指定、2030年に国内需要約14万台のうち約8万台を国内供給網で賄う経産省目標が、非中国製の需要を作っています。
ここで扱う問いは3つです。米国から持ち込んで使える機体は実際に増えているのか。NDAA準拠機は高いが、それを輸入して事業として成立する市場はどこか。そして、米国で「中国製以外を使うこと」が必須になっていく流れに、日本も追随するのか。

米国から持ち込んで使える機体は増えているのか
結論は「増えているが、まだ数えられる程度で、主戦場は官公庁・電力・防衛」です。国内正規代理店と国内出荷実績が公開情報で確認できる非中国製の産業用機を表にします。
表H:日本で入手できる非中国製エンタープライズ機の状況(2026年9月4日時点)
| 機種(メーカー・国) | Blue UAS | 国内代理店・国内出荷 | 国内投入時期 | 国内価格 | 第二種型式認証 | 主な国内ユーザー・実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Skydio X10(Skydio・米) | 掲載(X10、X10D、Dock) | KDDIスマートドローン(プライマリーパートナー)、NTT e-Drone Technology、センシンロボティクス等。2024年11月11日国内出荷、上空LTE対応 | 2023年9月発表→2024年11月出荷 | オープン価格・要問合せ。KDDIの上空LTEパッケージは年48万円 | 未取得 | 石川県(Dock初号)、石川県警(実証)、東京電力リニューアブルパワー(Dock実装パートナー)、国交省点検技術カタログ掲載 |
| Skydio Dock for X10 | 掲載 | KDDIスマートドローン、NTTドコモ | 2025年9月3日、米国外で初の一般提供 | 要問合せ(米国の公的契約価格表ではDock単体36,000ドル) | — | 石川県・能登地域から展開 |
| Black Widow(Red Cat/Teal・米) | Teal 2は掲載。Black Widowの掲載状況は確認できず | HAMA K.K.、伊藤忠アビエーション(国内調整・保守訓練) | 2026年4月30日発表、2026年度納入 | 非公開(米国のSRR構成は26,758ドル) | 対象外(防衛) | 陸上自衛隊 173システム |
| ANAFI USA/UKR/Ai(Parrot・仏) | ANAFI USA GOV/MIL、UKR掲載 | KMTドローンサービス、NTT e-Drone、JIW等。SkyLink JapanでもANAFI UKR等を取り扱い | ANAFI USAは2020年7月 | 要問合せ(UKRは欧州で15,000ユーロ〜) | 未取得 | — |
| ELIOS 3(Flyability・スイス) | 非掲載 | ブルーイノベーション(独占代理店)、NTT e-Drone(2025年7月〜) | 販売中 | 要問合せ | 未取得(屋内主体) | 下水道・プラント点検 |
| WingtraOne Gen II/WingtraRAY(Wingtra・スイス) | 掲載 | サイバネテック、SkyLink Japan等 | 販売中 | 要問合せ | 未取得 | 測量事業者 |
| Freefly Astro/Alta X、Inspired Flight IF800/IF1200A、BRINC Lemur 2、Vantage Vesper、Ascent Spirit(いずれも米) | Freefly、IFT、Vantage、Ascentは掲載 | 国内代理店・国内出荷を公開情報で確認できず | — | 米国価格:Astro Max 28,995ドル(NDAA/Blue版)、IF800 23,000ドル〜 | — | — |
| Anduril Ghost/Ghost-X(米) | 掲載 | Anduril Japan設立済み。2026年6月に日産追浜工場の取得交渉と国内生産検討が報道 | 機体の防衛省納入は未確認 | カスタム | 対象外 | — |
| (参考)ACSL SOTEN(日) | 未掲載 | 多数 | 2021年〜 | 要問合せ(米国では標準セット1万ドル未満) | 未取得(PF2は第一種) | 官公庁、消防、防衛装備庁 |
※技適の取得有無は総務省の技適検索で直接照会できなかったため、国内正規代理店が国内出荷・上空LTE利用を公表している事実からの推定です。国交省の型式認証一覧(2026年6月19日現在、11型式)に米国製はありません。
表から読めることは2つあります。ひとつは、日本に入ってきているのはSkydioのように日本法人と通信キャリア系の代理店を持つメーカーに限られ、Blue UASに載っている米国メーカーの大半はまだ日本に代理店すらないこと。もうひとつは、入ってきた機体も型式認証や日本独自のリモートID届出までは進んでおらず、DJIが2026年6月にMatrice 4D/4TDで第二種型式認証を取ったのとは対照的だということです。
NDAA準拠機はどれくらい高いのか
「NDAA準拠にすると価格がかなり上がる」は、米国の公的資料で数字が出ています。
- GAO(米会計検査院):内務省のドローン平均調達単価は、中国製を使っていた2017〜2020年度の約2,600ドルから、NDAA準拠機に切り替えた2022年度は1万4,000ドル超、2023年度は1万5,000ドル超へ。山火事対応の空中点火装備一式は非準拠約52,000ドル(2019年度)に対し準拠約86,000ドル(2024年度)。機数が足りず、一部の局はヘリコプター等に戻したと報告しています。
- Freefly:同じAstro Maxで、NDAA/Blue UAS版28,995ドル、通常版22,995ドル。同一メーカー同一機種で約26%の「NDAA割増」が公表価格に出ている例です。
- フロリダ州:2023年の州法で中国製機の使用を止めた際、州は置換に2,500万ドルを計上。郡や市の実例では、DJI機が1台約2,500ドルだった消防が置換に1万〜1.5万ドル、Skydio X10を1台2万5,000ドルで購入した市もあります。内務省内部メモには「Blue sUASはDJIの8〜14倍」という記述が引用されています。
- 米国の公表価格:DJI Matrice 4Tが約7,849ドル、Matrice 30Tが約12,602ドルに対し、Skydio X10は公的契約価格表で11,642〜16,192ドル(キット構成による)、Dock単体36,000ドル、Black Widow SRR 26,758ドル、Inspired Flight IF800は23,000ドル〜。
- 日本:DJI Matrice 4Tは税込1,108,800円で公表販売されている一方、Skydio X10は「オープン価格・要問合せ」で、公表された国内価格は見つかりません。ACSLの共同CEOは自社標準機について「DJIの2倍あるいはそれ以上高い」「切り替えは思うように進んでいない」と述べています。
まとめると、同等クラスの機体で2〜4倍、ドック運用まで含めると5倍前後の差がつくのが、公開されている数字から読める相場感です。しかも米国側の価格に、日本向けの技適取得、日本語化、国内保守網、為替、そして中国製部品を避けた部材コストが乗ります。
「輸入して使えるか」は市場が決める
この価格差があるため、米国製・NDAA準拠機を日本へ持ち込む事業は「輸入できるか」ではなく「どの市場なら価格差を吸収できるか」で決まります。分野ごとに整理します。
| 日本側の市場 | 非中国製が条件になっているか | 価格差を吸収できるか | 米国製機の日本導入が成立する見込み |
|---|---|---|---|
| 防衛 | 調達仕様で国産・国内生産基盤を要件化する案件が増加(迎撃ドローン早期取得プログラムは国産が要件)。一方でBlack Widow 173システムのように米国製の採用もある | 予算上は可能。無人アセット関連は2026年度当初で2,773億円 | 成立している。ただし将来のライセンス生産・国内整備が前提になりやすい |
| 国の機関・独法(インフラ点検、公安、救難) | 2020年9月の申合せで「セキュリティが確保された機体」に限定。2021年度以降の新規調達に適用、既存機の置換も方針 | 案件単位では可能 | 成立しうる。Skydio X10の石川県・電力事例がこの層 |
| 電力・通信・鉄道などの重要インフラ事業者 | 法的制限なし。国の受託案件では仕様書経由で要件が降りる | 点検の外注費や停電リスクと比較できる事業者は可能 | ドック運用型(遠隔常駐)では成立しうる。手動点検の置き換えでは価格差が重い |
| 自治体・消防・警察 | 国の申合せは直接適用されない。消防庁の2024年12月の事務連絡(ライセンス取得費の特別交付税措置)に中国製排除やセキュリティ要件の記載はない。都道府県として非中国製を明文化した方針は見つからない | 1台あたりの予算が限られ、フロリダで起きた「台数が減る」問題がそのまま起きる | 現時点では限定的。補助金の要件が変わるかどうかで一変する |
| 民間企業(測量・建設・農業・点検) | 制限なし。DJIはMatrice 4D/4TDで第二種型式認証を取得し、産業機を公表価格で販売中 | 難しい。価格差を説明できる要因(顧客要件、データ管理)がなければ選ばれない | 成立しにくい。顧客からセキュリティ要件を受ける事業者に限られる |
| 一般消費者 | 制限なし | 不可能 | 成立しない |
現場では|機体単価ではなく「運用1件あたり」で比べる
米国製機を日本に持ち込む提案が成立している案件は、機体を1台ずつ売る形ではなく、ドックによる遠隔常駐、点検の成果物納品、災害時の出動体制といった運用単位で価格を比べられる案件です。機体単価でDJIと並べた時点で、2〜4倍の差は説明できません。逆に言えば、輸入する側は「この機体でしかできない運用」を先に定義してから機種を選ぶ必要があります。
日本は米国に追随するのか:懸念と、いま確認できる材料
米国では、DJIを普通に使う市場は2025年12月のFCC措置で事実上終わりました。新機種は入らず、公共分野では既存機の置き換えが進み、今後は中国製以外の機体を使うことが必須条件になっていきます。日本もこの流れに追随するのではないか。これは本ブログを書いている私たち自身の懸念でもあります。その場合、価格差を吸収できない自治体・消防・民間の現場で、フロリダと同じ「台数が減り、運用が縮む」問題が起きかねません。
ただし2026年9月時点で、日本が米国型の全面規制に進んでいるとは言えません。追随している要素と、そうでない要素を分けて置きます。
| 米国に近づいている要素 | 米国と違う(まだない)要素 |
|---|---|
| 国の機関・独法の調達を「セキュリティが確保された機体」に限定(2020年9月申合せ、2021年度〜) | FCCのような新機種の認証停止はない。DJIはMatrice 4D/4TDで2026年6月に第二種型式認証を取得 |
| 防衛調達で国産・国内生産基盤を要件化する案件の増加。自衛隊保有機の国産化率は約3割(2025年9月末) | フロリダ型の州法・自治体法による購入禁止はない。自治体・民間に法的制限なし |
| 無人航空機を特定重要物資に指定。139億円で量産支援、2030年に年8万台・国内需要6割の目標 | 2026年の補助金はメーカーの量産支援であって、ユーザーの中国製購入を禁止する制度ではない |
| 自治体のIT機器(PC・通信機器・サーバー等)を国認定品に限定(2026年6月省令改正、2027年夏運用) | この制度にドローンは明記されていない |
| JC-STAR(IoTセキュリティラベル)の政府調達での活用決定(2025年12月)。ドローンではエアロセンスが2026年7月に初取得 | 消防庁・農水省・国交省のユーザー向け補助金では、中国製を明示的に除外した条項を公開情報で確認できず |
| 中国側の対日規制(ACSL・Terra Droneの注視リスト掲載)が、国産化の必要性を政策側に印象づけている | ACSL共同CEO自身が「切り替えは思うように進んでいない」「2030年6割はかなり難しい」と述べている |
いまの日本は「国と防衛は非中国製へ、自治体と民間は自由」という二層構造です。追随が起きるとすれば、入口は法律ではなく補助金の要件と発注仕様書だと考えています。緊急防災・減災事業債やライセンス取得支援のような自治体向け制度に「セキュリティが確保された機体」の要件が入った瞬間、消防・警察・自治体の調達は一斉に動きます。Terra Droneの徳重社長は「部品の国産化を入札要件に」「防衛省は国産部材比率65%以上を入札の最低条件に」と提言しており、業界側からも要件化を求める声が出ています。
そこで問題になるのが、置き換えられる側の受け皿です。フロリダでは受け皿が高価で台数が減りました。日本で同じことを避けるには、非中国製機の価格が下がるか、運用単位で価格差を吸収できる提案が普及するか、あるいは補助金が価格差を埋めるかのどれかが必要です。「日本も追随する」という前提で動くなら、輸入する側も国内メーカーも、機体単価ではなく運用1件あたりのコストで提案を組み立てておくことが、いちばん現実的な備えになります。
米国製機を日本で販売・運用するための確認事項
ただし、米国製であるだけで日本でそのまま販売・運用できるわけではありません。確認すべき項目を概要として整理します。
| 項目 | 要点 | 確認先・根拠 |
|---|---|---|
| 日本の関税 | 第8806項・第8807項は無税(2026年4月1日版実行関税率表) | 税関 実行関税率表 第88類 |
| 輸入手続き | 消費税10%(CIF+関税に課税)。輸入者が製造物責任を負う | 税関、PL法 |
| 電波法・技術基準適合証明 | 機体・送信機・Wi-Fi/Bluetooth/LTEの各無線部に技適(工事設計認証等)が必要。FCC認証は日本では無効。米国仕様の5.8GHz映像伝送は日本で使えない場合がある | 総務省、登録証明機関(TELEC、JQA等) |
| 航空法 | 100g以上は機体登録。飛行許可・承認(DIPS 2.0)。型式認証は任意だが、機体認証手数料が型式認証機3,100円に対し非取得機は418,800円と大差 | 国土交通省 無人航空機登録制度 |
| リモートID | 日本独自仕様。米国のRemote IDとは互換性がなく、「届出済み機器」でない海外製内蔵RIDは要件未達扱いで、外付けモジュールが必要になる | 国土交通省 |
| 型式認証 | 第二種取得は13件(2026年6月19日時点)。米国製の取得機はゼロ。取得には7〜12か月 | 国土交通省 型式認証一覧 |
| バッテリー輸送 | UN38.3、航空輸送の危険物規則。国内配送も危険物扱い | IATA DGR、国土交通省航空局 |
| 製品安全 | 電気用品安全法(PSE)は製品組込の電池単体には原則非適用だが、ドローン用電池・AC充電器の扱いは製品仕様に応じて当局への個別確認を推奨 | 経済産業省、JET Q&A |
| 日本語表示・マニュアル | 法的義務はないが、PL法上の警告表示と操作説明は輸入者責任。実務上は必須 | — |
| 保守・修理体制 | 国内修理拠点、部品在庫、ファームウェアの日本語対応。官公庁案件では国内保守が仕様に入る | — |
| データ管理・セキュリティ | 政府調達方針の「セキュリティが確保されたドローン」要件、NEDO・経産省のサイバーセキュリティガイドライン、発注仕様書のデータ保存地要件 | NEDO ガイドライン(2022年3月31日) |
米国製機の日本導入で実務上いちばん効いてくるのは、技適とリモートIDです。米国メーカーが日本仕様の無線部と届出済みリモートIDを最初から設計に入れているかどうかで、輸入後の手間が大きく変わります。この点は、日本のディストリビューターが米国メーカーに対して価値を出せる部分でもあります。
日米双方向のサプライチェーン
ここまでの材料を重ねると、日米の間で次のような双方向の流れが形になりつつあります。
- 日本→米国:既認証の完成機、非中国製の部品(モーター、センサー、光学、GNSS、電池パック)、米国組立用のサブアセンブリ、運航管理ソフト(Terra Drone/Aloftの例)。
- 米国→日本:Blue UAS掲載機を中心とした公共・防衛向け完成機(Skydio、Teal)、ドック運用システム。
- 共通:中国依存度が高い電池・磁石の代替調達。中国のレアアース輸出管理と対日デュアルユース規制、米国のUFLPAと232条が、同じ部材に同時に効いています。
この流れを「既定の事実」として書くのは避けます。確認できるのは、(1)米国の制度が「米国内製造または同盟国製部品」を明確に優遇し始めたこと、(2)日本の制度が非中国製の国内需要を作り始めたこと、(3)ACSL、Terra Drone、EXEDY Globalparts、Skydio、Red Catの動きがその方向に沿っていること、までです。
双方向の市場が本格化するかどうかは、Part 108の最終規則、FCC DA 26-758の帰趨、日本の8万台目標に対する補助金の設計次第で、2027年に入るまでは断定できません。
現場では|同じBOMで日米両方の要件に答えられる設計を
日本の政府調達方針、米国の848条、FCCの重要部品、232条の15%上限、中国の注視リスト対応。聞かれる項目はほぼ同じで、答えの元は部品ごとの「製造国・製造者・機能・ファーム管理主体・データ経路」です。米国向けと日本向けで別々のBOM管理を作るより、一つのBOMに両方の項目を持たせるほうが、結果として安く、早く動けます。
日本メーカー向け参入チェックリスト
米国進出前に行うことを実行順に並べます。「担当部署」は一般的な例で、自社の組織に合わせて読み替えてください。
表F:米国進出前チェックリスト(実行順)
| # | 項目 | 担当部署 | 必要資料 | 確認先 | 完了の判断基準 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 販売する製品と用途を定義する | 経営企画・事業開発 | 製品仕様書、想定用途、競合比較 | 米国ディストリビューター候補、業界団体(AUVSI) | 機種・用途・重量区分(25kg、55lb)・サーマル搭載有無が文書化されている |
| 2 | 一般市場と政府調達のどちらを狙うか決める | 経営企画 | 市場別の要件比較(表1) | 現地法律事務所、Blue UAS認定評価機関 | 主戦場と、それに伴うFCC免除経路の候補が決まっている |
| 3 | 製品・部品ごとのHTS分類を確認する | 貿易管理・物流 | 仕様書、図面、機能説明 | 通関業者、CBP eRulings(事前教示) | 8806.2x/9xの区分、部品の細分、232条附属書該当性が確定 |
| 4 | BOMを部品単位で作成する | 設計・調達 | 設計BOM、購買BOM | — | 「最低限の管理項目」10項目が全部品で埋まっている |
| 5 | 各部品のメーカーと原産国を確認する | 調達・品質保証 | サプライヤー証明書、製造地証明 | 各サプライヤー、商工会議所(非特恵原産地証明) | 製造国・最終加工国・親会社所在地がサプライヤー署名付きで揃っている |
| 6 | 中国製の重要部品を洗い出す | 設計・調達 | BOM、848条・FCC重要部品の定義 | DroneXL等のNDAAガイド、現地法律事務所 | 848条指定部品・FCC重要部品・232条重要部品の各リストで中国製がゼロ、または代替計画がある |
| 7 | ソフトウェア・ファームウェアの開発・管理主体を確認する | 開発・情報セキュリティ | SBOM、開発委託契約、署名鍵の管理規程 | — | 開発国・管理主体・更新経路が文書化され、中国所在の主体が含まれない |
| 8 | クラウド接続先とデータ保存場所を確認する | 開発・情報セキュリティ | データフロー図、クラウド契約 | DOJ Data Security Program、CISA指針 | 米国顧客データが米国内に保存され、懸念国からのアクセス経路がない |
| 9 | 関税と輸入コストを試算する | 貿易管理・経理 | 表D形式の試算、FOB価格、部品原産国比率 | 通関業者 | 15%上限の証明可否を含む複数シナリオの試算がある |
| 10 | Importer of Recordを決める | 貿易管理・法務 | 販売契約(インコタームズ)、Customs Bond見積 | 通関業者、保証会社 | IOR、Bond額、記録保存の責任者が契約で確定 |
| 11 | FAA要件を確認する | 開発・認証 | Remote ID適合宣言、Cat2/3 MOC、シリアル番号仕様 | uasdoc.faa.gov、FAA承認MOC提供者 | Remote ID DOCが受理され公開リストに掲載。Cat2/3の要否が決定 |
| 12 | FCC認証を確認する | 開発・認証 | 既存FCC ID一覧、免除経路の申請書類、米国代理人契約 | TCB、承認試験所、drones@fcc.gov(条件付き承認)、DCMA(Blue UAS) | 既存機種はFCC IDと設計凍結範囲が確定。新機種は免除経路が申請済み |
| 13 | バッテリー輸送要件を確認する | 物流・品質保証 | UN38.3試験概要書、SDS、梱包仕様 | 電池メーカー、危険物取扱フォワーダー | 空輸・海上それぞれの梱包・表示・充電率ルールが手順書化 |
| 14 | 政府調達要件を確認する | 事業開発・法務 | TAA原産国の説明、848条適合表明書、Blue/Green UAS申請書類 | 認定評価機関(AUVSI、MTSI、Dark Wolf)、現地法律事務所 | 狙う調達区分ごとの要件表が完成し、Blue/Green UASの申請可否が判断されている |
| 15 | サイバーセキュリティ要件を確認する | 情報セキュリティ | SBOM/HBOM、脆弱性開示ポリシー、SOC 2等の監査報告 | Green UAS評価機関、CMMC C3PAO(防衛) | 顧客に提示できるセキュリティ資料一式がある |
| 16 | 米国法人、代理店、輸入者のどの形で進出するか決める | 経営企画・法務・経理 | 表4の比較、投資計画、資本構成図 | 現地法律事務所、会計事務所 | 進出形態と、FCC条件付き承認に必要なオンショアリング計画の有無が決定 |
| 17 | 現地の保守・修理体制を構築する | サービス・事業開発 | RMA手順、部品在庫計画、訓練プログラム | ディストリビューター、修理委託先 | 修理拠点・部品在庫・英語サポート窓口が契約で確保 |
| 18 | 製造物責任保険を検討する | 法務・経理 | 製品リスク評価、販売見込み台数 | 損害保険会社(航空製品賠償責任) | 米国向け保険が付保され、代理店契約に補償条項がある |
| 19 | 米国の通関業者、弁護士、認証機関へ相談する | 法務・貿易管理 | 上記1〜18の資料一式 | 通関業者、通商・政府調達の法律事務所、TCB | 専門家の書面意見(分類、原産国、免除経路、調達適格性)がある |
| 20 | 月次で政策変更を監視する | 法務・経営企画 | 月次モニタリング表、更新履歴 | 表Gの情報源 | 毎月の確認記録と、変更時の対応期限が管理されている |
月次モニタリング項目と今後の重要日程
この分野は月単位で動きます。2026年に入ってからだけでも、最高裁判決、122条、301条、232条、FCCの免除延長と新提案が続きました。毎月確認する情報源を表にします。
表G:月次モニタリング表
| 情報源 | 確認するページ | 確認する制度 | 頻度 | 変更を発見した場合の対応 | 担当部署 | URL |
|---|---|---|---|---|---|---|
| White House | Presidential Actions(大統領令・布告) | 232条・301条の新措置、大統領令 | 毎週 | 関税試算の更新、通関業者へ照会 | 法務・貿易管理 | whitehouse.gov/presidential-actions |
| Congress.gov | NDAA(FY2027)、ドローン関連法案の検索 | 848条拡大案(上院847条)、DFR法案、1709条関連 | 毎月 | 影響評価、業界団体経由で意見提出 | 法務・経営企画 | congress.gov |
| Federal Register | 「unmanned aircraft」検索、FAA・FCC・USTR・商務省の告示 | Part 108最終規則、2209条、232条追加告示、FCC規則 | 毎週 | 意見募集期限の管理、対応期限の設定 | 法務 | federalregister.gov |
| U.S. Customs and Border Protection | CSMSメッセージ、UFLPA指定企業リスト、CROSS裁定 | 9903コードの実装、232条証明手続き、301条除外の実装 | 毎週 | 通関申告コードの更新、サプライヤー照合 | 貿易管理 | cbp.gov CSMS |
| U.S. International Trade Commission | HTS改訂履歴 | 8806・8807・第85類の細分、第99類の追加 | 毎月 | HTS分類の再確認 | 貿易管理 | hts.usitc.gov |
| Office of the U.S. Trade Representative | Press Releases、301条調査ページ | 強制労働措置の除外品目、対日301条調査(構造的過剰生産能力) | 毎月 | 関税試算の更新 | 貿易管理 | ustr.gov |
| Federal Aviation Administration | UASページ、Remote ID DOC一覧、44807 | Part 108、2209条、Remote ID、OOP | 毎月 | 製品の適合宣言の更新 | 開発・認証 | faa.gov/uas |
| Federal Communications Commission | Covered List、UAS FAQ、Public Notice(PSHSB・OET) | 免除リスト、条件付き承認、DA 26-758、FCC 26-50 | 毎週 | 新機種計画の見直し、TCBへ照会 | 開発・認証 | fcc.gov/supplychain/coveredlist |
| Department of Commerce | 232条ページ、オンショアリングプログラム | 232条証明手続き、附属書への追加 | 毎月 | 証明書類の整備 | 貿易管理 | commerce.gov |
| Bureau of Industry and Security | 232条調査一覧、Entity List、ICTS | UAS ICTS規則、Entity List追加 | 毎月 | サプライヤー照合 | 貿易管理・調達 | bis.gov 232条調査 |
| Department of Defense(DoW) | 1260Hリスト、DFARS改訂、Drone Dominance | 848条運用、DFARS条項、調達プログラム | 毎月 | 防衛向け要件の更新 | 事業開発 | DFARS 225.70 |
| Defense Innovation Unit/DCMA | Blue UASページ、DCMA Blue List | Cleared List・Frameworkの更新、申請窓口 | 毎月 | 掲載申請の進捗管理 | 事業開発・認証 | diu.mil Blue UAS |
| Department of Homeland Security/CISA | UASセキュリティ指針、FEMA補助金通知 | CISA指針改訂、補助金の機体条件 | 毎月 | セキュリティ資料の更新 | 情報セキュリティ | cisa.gov UAS指針 |
| General Services Administration | SAM.gov FASCリスト、GSA Schedule | ASDA covered entityリスト、購入カード規則 | 毎月 | サプライヤー・自社グループの照合 | 法務 | sam.gov FASCリスト |
| Acquisition.gov | FAR Part 25・40、FAC改訂、DFARS | TAA閾値、Buy American比率、52.240-1最終規則 | 毎月 | 調達適格性の再確認 | 法務・事業開発 | acquisition.gov FAR Part 25 |
| Federal Trade Commission | Made in USA、Cyber Trust Mark関連 | 原産地表示、ラベル制度 | 四半期 | 表示・広告の見直し | マーケティング・法務 | ftc.gov Made in USA |
| Department of Transportation | DOT補助金・936条(covered drone) | DOT契約・補助金の機体条件 | 四半期 | 州DOT向け提案資料の更新 | 事業開発 | transportation.gov |
| PHMSA | リチウム電池ページ、HM改正 | 49 CFR 173.185、IATA・ICAO改訂の国内化 | 四半期 | 梱包・表示手順の更新 | 物流 | phmsa.dot.gov |
| 各州政府(調達・ドローン関連ページ) | フロリダDMS承認リスト、テキサス・テネシー等の州法 | 承認メーカーリスト、懸念国排除条項 | 毎月(重点州) | 州別の提案可否表を更新 | 事業開発 | Florida DMS |
| ACSL等主要企業の公式発表 | ACSL IR、ACSL Inc.ニュース、Terra Drone、Skydio、Red Cat | 米国展開の進捗、Blue UAS・FCC承認、受注 | 毎月 | 競合・提携候補の動向整理 | 経営企画 | acsl.co.jp IR |
今後の重要日程(2026年9月2日時点で確認できるもの)
| 時期 | 予定 | 情報の確度 |
|---|---|---|
| 2026年9月2日 | FCC DA 26-758(軍用グレード外国製UASの輸入・販売停止案)の意見締切 | 確定(官報公示) |
| 2026年9月3日 | 232条ドローン関税の発効(附属書I・II) | 確定(布告11055号) |
| 2026年9月4日 | SAFER SKIES法(州・地方の対UAS権限)暫定規則の意見締切 | 確定 |
| 2026年9月8日/21日 | FCC 26-50 FNPRM(UAS認証義務化、HBOM/SBOM)の意見・反論締切 | 確定(官報公示) |
| 2026年11月2日 | DJI対FCC訴訟(第9巡回区)のDJI主意見書提出期限 | 確定(裁判所命令) |
| 2026年11月10日 | CMMC Phase 2開始(Level 2の第三者認証)。中国の2025年10月付レアアース等公告の停止期限 | 確定(規則)/中国側は延長・解除未発表 |
| 2026年内(未定) | FAA Part 108最終規則、2209条最終規則、商務省による232条証明手続きの公表 | 未定 |
| 2027年1月頃(採択された場合) | DA 26-758の180日移行期間終了 | 未定(提案段階) |
| 2027年2月9日 | 232条附属書III(機体部品25%)の発効 | 確定 |
| 2027年2月11日頃 | Blue UAS・条件付き承認企業の232条180日猶予の終了 | 確定(布告の起算に基づく) |
| 2027年3月1日 | オンラインマーケットプレイスのFCC ID表示義務開始 | 確定(FCC 26-50) |
| 2028年1月1日 | Blue UAS掲載品・国内最終製品のFCC免除期限(延長がなければ) | 確定(DA 26-761) |
| 2028年12月頃 | ASDAの失効規定(5年) | 最新規則を確認 |
| 2029年1月1日 | Buy Americanの国内部品比率が75%超に。既認証機のファームウェア更新免除の期限 | 確定 |
| 2029年1月20日 | 232条オンショアリングプログラムの工場完成期限 | 確定 |
更新履歴テンプレート
| 確認日 | 変更された制度 | 変更内容 | 発効日 | 対象製品・企業 | 日本メーカーへの影響 | 必要な対応 | 対応期限 | 情報の確度 | 一次情報URL |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年9月2日(記入例) | 232条ドローン関税(布告11055号) | 25kg以下25%、25kg超・サーマル・ドック・FC・ESC 100%、日本原産は証明で上限15% | 2026年9月3日 | 全原産国のUAS・重要部品 | 完成機の輸入コスト増。中国製重要部品があると15%上限を使えない可能性 | BOMの部品原産国証明の整備、通関業者へ9903.08.24の適用可否を照会 | 2026年9月末 | 確定(官報)。証明手続きは未公表 | federalregister.gov/documents/2026/08/19/2026-16979/ |
まとめ:勝機があるのはどんな日本メーカーか
米国は世界最大級のドローン市場であり、中国製ドローンへの依存見直しによって、日本メーカーに新しい機会が生まれています。公共安全、重要インフラ、防衛の置き換え需要は2026〜2027年に集中し、そこでは価格ではなく調達要件が選定条件になります。日本メーカーは、米国市場を重要な成長市場として検討する価値があります。
ただし、日本から製品を輸出するだけでは、この市場には入れません。2025年12月以降、FCCは外国製UAS全体の新規認証を止め、2026年9月からは232条関税が「どこの部品で、どこで作ったか」で税率を変えます。関税、原産国、中国製部品、FCC、FAA、サイバーセキュリティ、現地保守、政府調達要件は、別々に対応する項目ではなく、一つのBOMと一つの事業体制で同時に答える設計課題です。
特に政府・公共分野を狙う場合、製品を完成させてから中国製部品を置き換えるのでは間に合いません。開発段階から、848条とFCCの重要部品を非中国で組み、232条の15%上限を証明でき、Blue UASか条件付き承認のどちらかで認証経路を確保できるBOMとサプライチェーンを作ることが、参入の前提になります。
将来的には、日本から米国への完成機輸出だけでなく、米国での組立・製造、日米企業による共同開発、日本製部品の米国製品への採用、米国製ドローンの日本導入と、双方向の市場が形になる可能性があります。その兆しは、ACSL、Terra Drone、EXEDY Globalparts、Skydio、Red Catの動きに見えています。ただし本格化するかどうかは、Part 108、FCCの追加措置、日本側の補助金設計次第です。
逆方向の流れ、つまり米国製・NDAA準拠機を日本へ持ち込む動きは、機体の数こそ増えていますが、同等クラスで2〜4倍という価格差が壁です。米国で「中国製以外を使うこと」が必須になっていく以上、日本も国・防衛から順に追随していく可能性を私たちは懸念しています。それが起きるとすれば入口は補助金要件と発注仕様書であり、そのとき自治体や民間の現場で台数が減らないよう、輸入する側も国内メーカーも、運用単位で価格差を説明できる提案を用意しておく必要があります。
ラスベガスの会場で感じた「代替機はある。しかし、価格と必要な台数、保守まで含めて現場へ定着させるには課題が残る」という空気は、米国だけの話ではありません。国と防衛から始まった日本の非中国製への移行が自治体や民間に広がるとき、同じ問題が同じ順番で起きます。だからこそ、米国で起きていることを制度の名前ではなく、価格と運用と調達要件の組み合わせとして読んでおく必要があります。
「日本製だから売れる」ことも、「DJIが制限されれば日本メーカーが自動的に勝てる」こともありません。価格、性能、量産能力、販売網、保守体制、認証、政策対応。この7つを揃えた企業に、具体的な勝機があります。
米国製・非中国製機体の国内展開、日本側の要件についてご相談ください
SkyLink Japanでは、非中国製機体を含む機体構成の検討、官公庁・インフラ案件の調達要件への適合、海外製機体の技適・リモートID・型式認証・国内保守体制の整理について、個別にご相談を承っています。米国メーカーとの提携や、米国製機体の日本導入をご検討中の企業様も、日本市場側の要件から一緒に整理します。
免責事項
本ブログは2026年9月2日時点の公開情報に基づく一般的な情報提供であり、法的・税務的助言ではありません。米国の関税、原産国判定、FCC・FAAの規制、政府調達要件、州法は頻繁に変更され、個別の製品仕様・取引形態・輸入時期によって適用が異なります。実際の輸出、通関、認証、政府調達への参加にあたっては、米国の通関業者、弁護士、認証機関(TCB・試験所)、政府調達の専門家へ個別にご確認ください。公開情報で確定できない事項はその旨を明記しています。
参考資料一覧
参考資料を表示する
参照日はいずれも2026年9月2日。有料調査資料は無料公開部分のみ参照しています。
米国政府・法令・官報
- 大統領布告11055号「Adjusting Imports of Unmanned Aircraft Systems and UAS Components」(91 FR 53699)、ホワイトハウス、2026年8月13日署名・8月19日公示
- 同 附属書I/附属書II/附属書III/附属書IV
- USTR「Notice of Actions in Section 301 Investigations(強制労働)」(91 FR 47318)、2026年7月28日
- CBP CSMS #69326983(301条強制労働措置の実装)、2026年7月
- Learning Resources, Inc. v. Trump(最高裁、Justia掲載)、2026年2月20日
- Federal Register 2025-17908(日米合意の実施・民間航空機の扱い)、2025年9月16日
- CBP Dec. 25-10(FY2026 MPF)、2025年7月23日
- USITC Harmonized Tariff Schedule(8806ほか)
- CBP HQ H342833(原産国判定の例)、2025年12月19日
- CBP「Uyghur Forced Labor Prevention Act」
- 19 CFR 163.4(記録保存)
- FCC DA 25-1086(Covered List追加)、2025年12月22日
- FCC DA 26-22(2026年1月7日)/DA 26-253(3月18日)/DA 26-588(6月15日)/DA 26-758(7月21日)/DA 26-761(7月21日)/DA 26-775(7月27日)
- FCC 26-50 第3次報告・命令およびFNPRM、2026年7月22日/同 官報公示、2026年8月7日
- FCC「Bad Labs」規則(官報)、2025年8月7日
- 47 CFR 2.911/47 CFR 2.1077/47 CFR 15.407
- FAA「Aerospace Forecast FY2026-2046 UAS/AAM」
- FAA Part 108 NPRM(官報)、2025年8月7日
- 14 CFR Part 107 Subpart D/14 CFR 89.530/FAA Section 44807
- 49 CFR 173.185(リチウム電池)
- FAR 25.101/FAR 25.106/FAR 25.402/FAR 52.240-1/DFARS 225.872-1/DFARS 225.70
- FAR暫定規則「Prohibition on UAS from Covered Foreign Entities」、2024年11月12日
- SAM.gov「ASDA Covered Foreign Entity List」、2024年11月13日
- OMB M-26-02、2025年11月21日/OMB M-24-02、2023年10月25日
- 大統領令14307号「Unleashing American Drone Dominance」、2025年6月6日
- DIU「Blue UAS List to Transition to DCMA」、2025年12月3日/DIU「Updates to Blue UAS Lists」、2025年7月
- 商務省BIS ANPRM「Securing the ICTS Supply Chain: UAS」、2025年1月3日
- CISA「Cybersecurity Guidance: Chinese-Manufactured UAS」、2024年1月17日
- DOJ「Data Security Program」(28 CFR 202)
- DoD CIO「CMMC」
- GAO-24-106924(内務省のUAS)、2024年6月
- D.C. Cir. No. 25-5367 DJI v. Department of Defense、2026年8月14日
- Florida Statutes 934.50/Florida DMS「Approved Drone Manufacturers」
- CPSC「Duty to Report」/CPSC 電動モビリティ電池規則案、2026年6月24日
- FCC Fact Sheet DOC-423277
- CBP eRulings
- FAA「Remote ID」
市場調査
- Drone Industry Insights「The $83 Billion Drone Market by 2035」、2026年5月6日
- Fortune Business Insights「Drone Market」、2026年8月17日
- Grand View Research「Drone Market」/「U.S. Drone Market」/「Commercial Drone Market」、2026年5〜6月
- IMARC Group「Drones Market」、2026年
- MarketsandMarkets「North America UAV Drone Market」、2026年2月18日
- Mordor Intelligence「Drones Market」、2026年5月14日
- Teal Group(PR Newswire)「Worldwide Military UAS Spending」、2024年1月3日
- インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2026」、2026年3月24日
- EFF(DFRプログラムの件数)、2026年7月23日
- DefenseScoop(Drone Dominance Program)、2026年3月5日
日本政府・企業公式
- 経済産業省 無人機産業基盤強化検討会 中間取りまとめ、2025年12月24日
- 内閣官房 小型無人機に関する関係府省庁連絡会議(第10回)、2020年9月14日
- 国土交通省 型式認証一覧、2026年6月19日現在/無人航空機登録制度
- 税関 実行関税率表 第88類、2026年4月1日版
- NEDO「無人航空機分野 サイバーセキュリティガイドライン」、2022年3月31日
- CISTEC 速報(中国商務部公告2026年第27号・第28号)、2026年6月29日
- ACSL「Exertis Almoとのマスターディストリビューター契約」、2024年10月30日/ACSL Inc.「SOTEN米国発売」、2024年1月23日/ACSL 2025年12月期決算短信、2026年2月13日/2026年12月期第1四半期決算説明資料、2026年5月14日
- Draganfly プレスリリース(ACSLとの独占販売契約)、2026年5月
- Terra Drone「Aloft Technologies完全子会社化」、2025年9月23日
- ソニー「Airpeak S1 販売終了のお知らせ」、2024年11月1日
- Skydio「Skydio Dock for X10 Available in Japan」、2025年9月3日
- SkyDrive(Business Wire)、2026年7月15日
法律事務所・業界団体・専門メディア(補足情報)
- Greenberg Traurig「President Trump Sets New Drone Section 232 Tariffs」、2026年8月
- White & Case「United States Terminates IEEPA-Based Tariffs」、2026年2月/「USTR Proposes 10%/12.5% Tariffs」、2026年6月
- Holland & Knight「FCC Exempts Certain Drones from Covered List」、2026年1月/「Drones and National Security: What to Expect from Congress」、2026年7月1日
- Wiley「FCC Adds All Foreign-Produced UAS and Critical Components to Covered List」、2025年12月
- AUVSI「FCC Covered List FAQs for Industry and International Partners」、2026年2月5日/AUVSI「Green UAS」
- The Drone Girl「Blue UAS Cleared List」、2026年3月19日
- DroneXL「NDAA Compliant Drones Guide」/DroneXL(ACSL SOTEN)、2026年3月29日
- DroneDJ「FCC drone ban exemption update」、2026年7月27日
- Lion Technology「New Lithium Battery State of Charge Limit」、2025年12月
- Supply Chain Dive「De minimis status」、2026年
- 東洋経済オンライン「ドローン国産6割は幻想なのか」、2026年4月7日/同(ACSLインタビュー)
- ドローンジャーナル「ニデックがドローン用モーター5種を開発」、2026年6月16日/同(ACSLのサプライチェーン戦略)
- DroneTribune(自衛隊ドローンの国産化率答弁)、2025年11月20日
- ニュースイッチ(経産省検討会の報道)、2026年1月9日
- 日本経済新聞(海上保安庁の中国製排除方針)、2019年12月
- Investing.com「Red Cat discloses Japan defense contract」、2026年4月30日
- Advexure「NDAA-Compliant & Blue UAS Drones」
- EAC「What is Section 889」
- GAO-24-106924「Drones: Interior’s Efforts to Address Security Risks」、2024年9月25日
- Freefly Store(Astro Max NDAA/Blue版と通常版の価格)
- Police1「Fla. legislators offer $25M to PDs to replace drones」、2023年5月2日/DroneXL「Florida DJI drone ban」、2025年11月22日
- Global Drone HQ(米国販売価格)、2026年5月2日/ドローンステーション(DJI Matrice 4T国内価格)
- DRONE GUIDE「Skydio X10 国内出荷開始」、2024年11月11日/NTT e-Drone Technology(Skydio X10)/KDDI「石川県でドローンポート実証」、2025年4月21日
- Red Cat「173 Black Widow systems for Japan」、2026年4月30日/NTT e-Drone「ELIOS 3販売開始」、2025年7月23日/ATパートナーズ(Anduril追浜報道)、2026年6月26日/MFE「Blue UAS Cleared List」整理、2026年8月26日
- 経済産業省 中間取りまとめ(PDF)、2025年12月24日/コエテコ「特定重要物資ドローンの量産支援」、2026年2月18日/Terra Drone「迎撃ドローン早期取得プログラム採択」、2026年7月15日
- ビジネス+IT「自治体IT機器を国認定品に限定」、2026年4月20日/長島・大野・常松法律事務所(省令改正の解説)、2026年6月30日/ドローンジャーナル「エアロセンスがJC-STAR取得」、2026年7月22日
- 消防庁 事務連絡(ドローン操縦ライセンス取得費の特別交付税措置)、2024年12月27日/実業之日本フォーラム(Terra Drone徳重社長)、2026年8月20日/ドローンジャーナル(無人アセット関連予算)、2026年6月25日
- Commercial UAV Expo 公式サイト
- Commercial UAV News「Commercial UAV Expo 2026 Convenes Global Drone Industry in Las Vegas…」
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