情報の基準日:2026年10月4日|親子で学ぶドローン・第5弾
第3弾では、ドローンが安全に飛ぶために、自分の場所やかたむきを確かめるセンサーを見ました。今回は、ドローンが仕事の情報を集めるために積んでいる「目」の話です。
第3弾「ドローンはどうして迷子にならないの?」など、これまでの回を読んでいなくても、ここから読めます。
今回のナビゲーター
スカイ博士:ドローン研究ひとすじ40年。「なぜだと思う?」と問いを返します。
ひなた:小学4年生。口ぐせは「なんで? やってみたい!」。みんなの代わりに、気になることを聞きます。
テレビで見たの。真っ暗な夜なのに、ドローンの画面には人の形が白く光ってた! 暗い夜でも見えるなら、ドローンには特別な目があるの?
半分は当たりじゃ。あの画面は、人の体から出ている、目には見えない光を受け取って、色をつけて見せたものなんじゃよ。
体から光が出てるの?
人の目には見えんがな。ドローンは、見える光、見えない光、自分で出した光を使い分けて調べておる。ただし、どの目にも得意なものと苦手なものがある。なぜだと思う?
今日の問いは、人間の目だけでは見つけにくいものを、ドローンはどう調べるの?です。先に答えを言うと、一番すごいセンサーがひとつあるわけではありません。知りたいことに合わせて、センサーを選んでいるのです。
第1章 飛ぶための目と、仕事のための目
第3弾で見たIMU、GNSS(GPSなど)、コンパス、障害物を見つけるカメラや距離センサーは、ドローン自身が安全に飛ぶための部品でした。今回の主役は、それとは別に、点検や測量、農業、災害の現場で仕事の情報を集めるために積むセンサーです。
表は横にスクロールできます →
| くらべること | 飛ぶためのセンサー(第3弾) | 仕事のためのセンサー(今回) |
|---|---|---|
| 何のため? | 自分の場所・かたむき・まわりの物を知る | 調べたい物のようすを記録する |
| 例 | IMU、GNSS、コンパス、障害物センサー | RGBカメラ、サーマルカメラ、マルチスペクトルカメラ、LiDAR |
| 情報を使うのは? | おもに機体の中のコンピューター | 点検・測量・農業などの仕事をする人 |
表1|同じドローンに積んでいても、役目がちがいます。
あれ? 第3弾にもカメラやレーザーが出てきたよ。
よく覚えておるな。同じレーザーでも、ぶつからないために使うのか、地面の形を記録するために使うのかで、求められることがちがう。今日は「記録するため」の目じゃ。
光には、見える光と見えない光がある
人の目に見える光は、虹の紫から赤までのせまい範囲です。NASAの解説では、人の目が感じられるのはおよそ380〜700ナノメートルの波長(光の波の長さ。1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)とされています。
赤よりも波長の長い側には、目に見えない赤外線が続きます。赤に近い「近赤外線」は植物を調べるのに、もっと波長の長い「熱赤外線」は温度のちがいを調べるのに使われます。同じ赤外線でも、使い道がちがうのです。
第2章 RGBカメラは「色と形」を見る
スマートフォンのカメラと同じように、多くのカメラは光を赤(R)・緑(G)・青(B)に分けて受け取り、組み合わせて色を作ります。だからRGBカメラと呼ばれます。人の目に近い見え方なので、写真を見た人がすぐに状況を理解できるのが強みです。
得意なのは、ひび、さび、色の変わったところ、物の形や位置です。ズームを使えば、近づかなくても細かく写せます。重なり合う写真をたくさん撮ってつなぐと、地図や立体の模型も作れます(第1弾の「お仕事ずかん」に出てきた測量の仕事です)。
一方で、写真に写るのは表面だけです。ひびが奥のどこまで続いているか、中の鉄筋がさびているか、なぜひびが入ったのかは、写真だけでは決められません。暗い場所や強い逆光、こい影も苦手です。
すごく細かく写るカメラなら、橋がこわれそうかどうかも分かる?
写真は、見つけるための大切な手がかりじゃ。じゃが「どれくらい危ないか」を決めるのは、写真を見た専門の人なんじゃよ。
国土交通省の道路橋の点検の決まりでは、橋の状態は近くで目で見る近接目視か、それと同じように評価できる方法で調べることになっています。集めた情報から橋の状態を区分するのは、知識と技能をもつ点検者です。ドローンの写真は、その判断に使う情報のひとつです。
RGBカメラの写真だけでは分かりにくいのはどれ?
- かべの色が変わっている場所
- かべの表面に見えるひび
- ひびが、かべの奥のどこまで続いているか
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答え:3。 写真に写るのは表面のようすです。奥の様子や原因は、たたいて音を聞くなど別の調べ方や、専門の人の判断が必要になります。
第3章 サーマルカメラは「赤外線」から温度のちがいを見る
同じような材質なら、温かいほど赤外線を多く出す
すべての物は、目に見えない赤外線を出しています。同じような材質のものなら、温度が高いほど、出す赤外線の量も多くなります。たき火や日なたの道路から感じる「ぽかぽか」も赤外線です。
サーマルカメラ(熱画像カメラ)は、この赤外線を受け取るカメラです。あるメーカーのドローン用サーマルカメラの仕様表には、受け取る赤外線の波長が8〜14マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)と書かれています。
画面の色は、あとからつけた色
サーマル画像の赤や黄色は、物の本当の色ではありません。受け取った赤外線の強さに合わせて、コンピューターが色を割り当てています。同じデータでも、白黒にしたり、温かい所を白く見せたりできます。冒頭でひなたが見た「白く光る人」も、そういう見せ方のひとつです。
暗くても見える。でも、かべの向こうは見えない
物が出す赤外線は、明かりがなくても届きます。だから夜でも、まわりとの温度のちがいをとらえられることがあります。消防庁の資料でも、建物火災の確認や捜索、夜間の訓練で、ドローンの赤外線カメラが使われていることが紹介されています。
ただし、サーマルカメラは透視装置ではありません。サーマルカメラのメーカーは、かべは向こう側からの赤外線をさえぎるので、かべの向こうは見えないと説明しています。映っているのはかべの表面の温度です。葉が重なった森も、葉にさえぎられて下が見えにくくなります。
ガラス窓ごしなら見えるんじゃない?
ガラスは目に見える光は通すが、サーマルカメラが使う赤外線はほとんど通さん。窓に向けると、向こうの部屋ではなく、窓に映った自分の熱が見えることがあるんじゃ。
温度の数字は「見かけ」。条件で変わる
サーマルカメラが直接受け取っているのは、温度そのものではなく赤外線の強さです。そこから温度を計算するので、次のような条件で数字が変わります。
- 放射率:同じ温度でも、物によって赤外線の出しやすさがちがう。ぴかぴかの金属は出しにくい
- 反射:つるつるの面は、空やまわりの物、人の熱を鏡のように映す
- 距離と空気:遠いほど、とちゅうの空気で赤外線が弱まる。湿気も関係する
- 角度:ななめから見ると反射が増え、正しく測りにくくなる
じゃあ、パネルが熱く見えても、本当に熱いとはかぎらないんだ。
そのとおり。「熱く見える場所」は「調べるべき候補」なんじゃ。そこから先は、別の方法で確かめる。
使われている場面
- 太陽光パネル:一部だけ周りより熱いパネルは「異常の候補」です。原因は、こわれかけの部品だけでなく、汚れや影のこともあります。
- 電気の設備:つなぎ目がふつうより熱くなっていないかを確かめます。
- 捜索:夜でも、まわりより温かいものを探せます。ただし、動物や、日なたで温まった岩なども同じように映ることがあります。
サーマルカメラについて、正しいのはどれ?
- かべの向こうにいる人が見える
- 暗い場所でも、温度のちがいをとらえられることがある
- 画面で赤く見える場所は、必ずこわれている
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答え:2。 物が出す赤外線は明かりがなくても届くからです。かべの向こうは見えませんし、赤く見える場所は「調べる候補」で、原因は別の方法で確かめます。
第4章 マルチスペクトルカメラは「植物の反射のちがい」を見る
RGBカメラが光を3つに分けるのに対して、マルチスペクトルカメラは、赤や緑などの見える光に加えて、目に見えない近赤外線など、いくつもの「光の帯(波長帯)」を分けて記録します。
植物は、赤を吸って、近赤外線をはね返す
NASAの解説によると、葉の中の葉緑素は光合成のために、見える光、とくに赤い光を強く吸います。一方、葉の細胞のつくりは、近赤外線を強くはね返します。葉が多いほど、このちがいがはっきりします。
人の目には同じ緑に見える畑でも、近赤外線と赤のはね返り方をくらべると、育ち方のちがいが見えてくることがあります。
NDVIは「くらべるための数字」
赤と近赤外線のはね返り方の差から計算する数字の代表が、NDVI(正規化植生指数)です。葉が多く、よく育っているところほど大きくなりやすい数字です。
じゃあ、NDVIが低いところは病気なんだ!
そう決めつけるのは早いぞ。なぜだと思う?
うーん……まだ苗が小さいとか?
それもある。土が見えている、水が足りない、寒さで育ちがおくれている。くもりや撮った時間で光の量が変わることもあるし、カメラによって受け取る光の帯が少しずつちがう。数字が低い理由はひとつではないんじゃ。
だから実際の農業では、撮る前後に反射の強さが分かっている板(校正パネル)を撮ったり、地上で何か所か測った値で空からの値を補正したりします。そして、色の変わった場所には実際に行って、葉や土を自分の目で確かめます。NDVIの地図は、「どこを見に行けばいいか」を教えてくれる地図なのです。
NDVIの地図で、数字が低い場所が見つかりました。いちばんよい考え方はどれ?
- その場所の作物は必ず病気だと決める
- 苗の大きさ、土、水、撮った時の光など、いくつかの理由を考えて、現地で確かめる
- カメラがこわれているので、地図は使わない
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答え:2。 NDVIはくらべるための数字です。低い理由はいくつも考えられるので、地図で場所をしぼって、行って確かめます。
第5章 LiDARは「光で距離」を測る
受け取るだけの目、自分で光を出す目
ここまでの3つのカメラは、太陽の光のはね返りや、物が出す赤外線を受け取るだけでした。こういうセンサーを受動型(パッシブ)といいます。
LiDAR(ライダー)は、自分でレーザー光を出し、はね返ってきた光を受け取ります。自分で出すタイプは能動型(アクティブ)です。JAXAも、能動型のセンサーは自分で電波や光を出し、はね返ってくるまでの時間から距離を測れると説明しています。
行って帰ってくる時間から、距離を出す
光は1秒間におよそ30万キロメートルも進みます。LiDARは、光を出してから戻るまでのとても短い時間を測り、光の速さを使って距離を計算します。
測った距離に、「その瞬間ドローンがどこにいて、どちらを向いていたか」を組み合わせると、光が当たった点の場所が決まります。ここで、第3弾で出てきたGNSSとIMUが活躍します。これを何度もくり返してできる点の集まりを、点群といいます。
LiDARは色を撮らない
LiDARが記録するのは、おもに点の場所と、はね返ってきた光の強さ(反射強度)です。写真のような色は記録しません。点群に色がついて見えるときは、たいてい次のどちらかです。
- 一緒に積んだカメラの写真の色を、点に重ねたもの
- 高さや反射強度を、見やすいように色分けしたもの
森の中の地面が測れるわけ
第1弾で、レーザーは木の葉のすきまをぬけるって言ってたよね。葉っぱを通りぬけるの?
通りぬけるのではない。葉に当たった光は、そこではね返る。じゃが、葉と葉、枝と枝のあいだには小さなすきまがある。たくさん出した光のうち、すきまを通った一部が地面まで届いて、もどってくるんじゃ。
レーザーを森に当てると、1回のレーザーパルスから、葉や枝、地面など異なる場所で反射した光を複数回の反射として記録できることがあります。レーザーパルスは、短く出した光のことです。あとでコンピューターが地面の点だけを選び出し、木を取りのぞいた地面の形を作ります。
ただし、届き方は森によってちがいます。国土地理院のマニュアルは、すきまを通りぬける程度は予測が難しく、広葉樹や竹林、熊笹などの下草が多い場所では、地面に届く割合が下がるとしています。
森の中でも、LiDARで地面の形を測れることがあるのはなぜ?
- レーザーが葉っぱを通りぬけるから
- 葉や枝のすきまを通った一部の光が、地面まで届いてもどってくるから
- 地面が自分で光っているから
答えを見る
答え:2。 葉に当たった光はそこではね返ります。すきまを通った一部の光が地面まで届くので、葉がしげりすぎた場所では地面の点が少なくなります。
第6章 同じ場所でも、センサーがちがえば見えるものが変わる
同じ「家と畑と森がある場所」を、4つの目で見てみましょう。
屋根の色や形、パネルの温度のムラ、畑の育ち方のちがい、木の高さと森の下の地面。同じ場所でも、見える情報がまったくちがいます。では、仕事から考えるとどうなるでしょう。
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| 仕事 | 何を知りたい? | 候補のセンサー | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|---|
| 橋や屋根の点検 | ひび・さび・はがれの場所と大きさ | RGB(ズーム) | ひびの深さ、中のようす、原因、どれくらい危ないか |
| 太陽光パネルの見回り | まわりより熱いパネルの場所 | サーマル+RGB | 熱い理由(汚れ・影・故障など) |
| 畑の育ち方のちがい | 育ちのよい所・弱い所の分布 | マルチスペクトル(+RGB) | 病気かどうか、原因、どれだけとれるか |
| 森の下の地面の形 | 木を取りのぞいた地面の高さ | LiDAR | 光が届かなかった場所の形、色 |
| 災害現場の状況把握 | どこが、どう変わったか | RGB(写真・動画)、夜はサーマル、高さの変化はLiDAR | 建物の中や土の下のようす、そこが安全かどうか |
表2|どの仕事にも「それだけでは分からないこと」があります。
どの仕事にも「それだけでは分からないこと」があるんだね。
そこが大事なところじゃ。足りないところは、別のセンサーを組み合わせたり、人が現地で確かめたりして補う。「一番すごいセンサー」より、「この仕事にはどれか」を考えるんじゃよ。
夜の山で、道に迷った人をさがします。最初に役立ちそうな目はどれ?
- RGBカメラ
- サーマルカメラ
- マルチスペクトルカメラ
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答え:2。 暗くても、まわりとの温度のちがいをとらえられることがあるからです。ただし、葉が重なった森の下は見えにくく、動物も温かく映ります。見つけた候補は、明かりやズームカメラで確かめます。
親子で挑戦|センサー選びミッション
紙とペンだけでできます。ドローンは飛ばしません。
本物のレーザーや、火・熱いものも使いません。カードを引いて、仕事に合う「目」を選ぶ遊びです。
用意するもの
- 印刷したカードとワークシート、または白い紙
- えんぴつ、色ペン
- はさみ(カードを切るときは大人といっしょに)
仕事カード(6枚)
- 夜の山で、道に迷った人をさがす
- 古い家の屋根に、ひびがないか調べる
- 畑のどこで育ちが弱いか知りたい
- 森の下の地面の形を地図にしたい
- 大きな太陽光発電所で、調子の悪いパネルを探したい
- 大雨のあと、川のまわりがどう変わったか知りたい
センサーカード(4枚)
- RGBカメラ色と形が得意
- サーマルカメラ温度のちがいが得意
- マルチスペクトルカメラ植物のはね返し方のちがいが得意
- LiDAR距離と形が得意
条件カード(6枚)
- 夜で真っ暗
- よく晴れた昼
- くもりで、日ざしが弱い
- 葉がしげった夏の森
- 葉が落ちた冬の森
- 屋根やパネルが、ぴかぴか光っている
やり方
- 仕事カードを1枚引きます。
- センサーカードを1〜2枚選び、ワークシートに選んだ理由を書きます。「〜を知りたいから」「〜が得意だから」の形で書くと考えやすくなります。
- 条件カードを1枚引いて、そのままでよいか、選び直すかを考えます。
- 「それだけでは分からないこと」を1つ書きます。
- 家族と理由を発表し合います。ちがう答えになってもかまいません。
表は横にスクロールできます →
| 仕事カード | 選んだセンサー | 選んだ理由 | 条件カード | そのまま? 選び直す? | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|---|---|---|
ワークシート|印刷して書き込めます。
答えの一例を見る
正解はひとつではありません。理由がしっかりしていれば、ちがう組み合わせでもよい答えです。
- 夜の捜索:サーマルカメラがいちばんの候補。葉がしげった夏の森では、葉にさえぎられて見えにくくなるので、開けた場所から順にさがし、見つけた候補は明かりやズームで確かめます。よく晴れた昼は、日なたの地面や岩も温まって、人との温度差が小さくなることがあります。
- 屋根のひび:RGBカメラ(ズーム)が候補。ぴかぴか光る屋根では、光の反射でひびが見えにくいことがあるので、角度や時間を変えて撮ります。ひびの深さや雨もりの原因は、写真だけでは決まりません。
- 畑の育ち方:マルチスペクトルカメラが候補。くもりの日は光の量が変わるので、校正用の板を撮ったり、地上で測った値で補正したりします。数字の低い場所には行って確かめます。
- 森の下の地形:LiDARが候補。葉がしげった夏より、葉が落ちた冬のほうが、すきまを通る光が増えると考えられます。ただし、冬でも葉が落ちない木の森や竹林、下草が多い場所では届きにくいままです。
- 太陽光パネル:サーマルカメラ+RGBカメラが候補。くもりで日ざしが弱いと温度のちがいが出にくいので、晴れて日ざしの強い時間を選びます。ぴかぴか光るパネルでは空や雲の反射に注意し、角度を変えます。熱い理由は、汚れ・影・故障などを別に調べて確かめます。
- 大雨のあとの川:まず広く写せるRGBカメラの写真や動画。地面がけずれたり土がたまったりした量を知りたいなら、前後の高さをくらべられるLiDARも候補です。夜で真っ暗なら、人をさがす目的でサーマルカメラを使うこともあります。
条件カードを引いたら、答えが変わっちゃった!
それでよいんじゃ。本物の現場でも、夜か昼か、晴れかくもりか、夏か冬かで、選ぶ目も、使い方も変わる。だからプロは、出かける前に「今日の条件」を確かめるんじゃよ。
今日わかったこと
- 飛ぶためのセンサーと、仕事の情報を集めるためのセンサーは、役目がちがう。
- 人の目に見える光はほんの一部。センサーなら、赤外線など見えない光も受け取れる。
- RGBカメラは色と形が得意。でも、中のようすや原因までは写らない。
- サーマルカメラは赤外線から温度のちがいを見る。暗くても使えることがあるが、透視はできず、放射率・反射・距離・角度などで数字が変わる。
- マルチスペクトルカメラは植物のはね返し方のちがいを見る。NDVIはくらべるための数字で、病気かどうかは現地で確かめる。
- LiDARは自分で出した光が戻る時間から距離を測る。色は撮らない。森では、葉のすきまを通った一部の光で地面を測る。
- どのセンサーにも、見つけやすいものと苦手なものがある。
- 大切なのは、一番高性能なセンサーではなく、知りたいこと・調べる物・環境・必要な精度に合うセンサーを選ぶこと。
ドローンの特別な目って、ひとつのすごい目じゃなくて、何種類もの目を使い分けることだったんだね。
うむ。そして、どの目でも分からないことは、人が行って確かめる。センサーと人がチームになって、はじめて仕事になるんじゃ。
このブログをつくった会社について
SkyLink Japanは、測量・点検・農業・防災などの現場で使うドローンやロボットを、必要とする人へ届ける仕事をしています。このシリーズでは、技術が人の暮らしとどうつながるのかを、親子で考えるきっかけをお届けします。
お仕事でセンサー選びを考えている大人の方へ
森林や急斜面の地形計測はUAVレーザー測量、色付きの現況や土量はドローン写真測量、太陽光・送電設備の赤外線点検はエネルギー設備の点検、圃場の生育ムラの地図化はPIX4Dfieldsのページで、現場条件からの考え方を紹介しています。LiDARの機種選びはUAVレーザー測量の選び方(2026年版)もご覧ください。
※このブログは教育目的のコンテンツです。特定の製品の購入をおすすめするものではありません。
出典・参考資料
数値や条件を調べ直すときは、「どの機種の話か」「どの条件での数字か」にも注目してください。すべて2026年10月4日に確認しています。
光と電磁波・センサーの基本
- NASA Science「Visible Light」(人の目に見える光の範囲)
- NASA Earthdata「Seeing Earth in a New Light」(赤外線の範囲、熱画像の色は割り当てた色)
- NASA Earthdata「Active Instruments」(受動型・能動型、LiDARの測距原理)
- JAXA「地球観測衛星と観測のしくみ」(能動型と受動型のセンサー)
- NASA Science「NASA Spacecraft Maps Earth’s Global Emissivity」(放射の強さは温度と放射率で決まる)
RGBカメラ・点検
- 国土交通省 道路局「道路橋定期点検要領(技術的助言の解説・運用標準)」令和6年3月(PDF)(近接目視または同等の評価が行える方法)
- 国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」(PDF)(写真から作る三次元点群と色情報)
サーマルカメラ
- Teledyne FLIR「Can Thermal Imaging See Through Walls? And Other Common Questions」(壁やガラスの向こうは見えない)
- Teledyne FLIR「Thermographic measurement techniques」(放射率・反射見かけ温度・距離・湿度・大気温度)
- Teledyne FLIR「Researchers Develop Search and Rescue Technology…」(熱画像でも木は透かせない)
- DJI「DJI Thermal Analysis Tool 3 User Guide V1.8」(PDF)(放射率・距離・反射温度の設定と誤差)
- DJI「Matrice 4 Series Specs」(熱赤外の波長8〜14μm、測温精度の表記例)
- 消防庁「消防の動き」2022年2月号(PDF)(消防本部のドローン活用、赤外線カメラ、夜間訓練)
- 消防庁「消防防災分野におけるドローン活用の手引き〈第2版〉」(PDF)(捜索救助・暗所撮影など)
- 日本電機工業会・太陽光発電協会「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(PDF)(赤外線サーモグラフィの使用と熱画像の要件)
- 太陽光発電協会「保守点検(O&M)について」(ガイドラインの位置づけ)
- IEA PVPS Task 13「Review on Infrared and Electroluminescence Imaging for PV Field Applications」(PDF)(IEC TS 62446-3の日射条件)
マルチスペクトルカメラ・NDVI
- NASA Earth Observatory「Measuring Vegetation (NDVI & EVI)」(葉緑素と葉の構造、NDVIの式と範囲、飽和)
- 農研機構「ドローンデータの補正による新たな水稲生育診断・追肥量算出システムを開発」(撮影日時でNDVIが変わる、地上値で補正)
- 農研機構「ドローン空撮用マルチスペクトルカメラの違いによる水稲観測結果の影響評価」(カメラの観測波長域の違い)
- 農林水産省「ほ場単位の生育診断が可能な汎用型ドローンを利用した広域リモートセンシング」(マルチスペクトルカメラによる広域の生育比較)
- MicaSense「Why Use Panels with a Light Sensor?」(校正パネルと日射センサーの併用)
LiDAR
- 国土地理院「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」令和2年3月改正(PDF)(植生のすきま、到達の予測の難しさ、反射強度)
- 国土地理院「レーザスキャナによる地形観察」(時間差・GNSS・IMUによる三次元計測、フィルタリング)
- 国土交通省 地籍整備室「UAVを用いた航測法(乙1区域)の手引」(PDF)(ファーストパルス・ラストパルス、反射強度)
- 文化庁「既存の航空レーザ測量データを用いた埋蔵文化財の把握に係る利用マニュアル」(PDF)(地表に届かない場合と現地確認)
- DJI「Zenmuse L2」(LiDARと一体になったRGBカメラの例)
災害・学習・安全
- 国土地理院「令和6年(2024年)能登半島地震に関する情報」(空中写真・3D・航空レーザによる状況把握)
- 国土地理院「無人航空機(UAV)を活用した国土地理院の災害対応」(PDF)(UAVによる被災状況の撮影と公開)
- 学習指導要領ナビ「小学校理科 第3学年 光と音の性質」(日光は直進し、集めたり反射させたりできる)
- 国民生活センター「このレーザーポインター、買っても大丈夫?」(目に向けない・反射光にも注意)
シリーズ既刊
BLOG REQUEST
次に読みたいブログを教えてください
「こんなドローン情報を知りたい」「この機種を比較してほしい」など、今後のブログへのご要望をお寄せください。
