スカイ博士とひなたが地図を見下ろし、斜め上を飛ぶドローンのセンサーとGPSの仕組みを学ぶ第3弾のヒーロー画像

ドローンはどうして迷子にならないの? センサーとGPSが教えてくれる3つのこと

前回までは「なぜ飛ぶのか」(第1弾)と「なぜこの形になったのか」(第2弾)を見てきました。今回は、飛んでいるあいだ、ドローンは自分のことをどれくらい分かっているのかという話です。
第1弾「飛ばなくてもわかる!ドローンのひみつ」第2弾「ドローンの歴史を親子で探検!」を読んでいなくても、ここから読めます。

今回のナビゲーター

スカイ博士

スカイ博士:ドローン研究ひとすじ40年。「なぜだと思う?」と問いを返します。

ひなた

ひなた:小学4年生。口ぐせは「なんで? やってみたい!」。みんなの代わりに、気になることを聞きます。

ひなたひなた

公園から帰るとき、いつも角のポストと、赤いやねのお家を見て曲がるの。帰り道を覚えているなら、絶対に迷子にならないね!

スカイ博士スカイ博士

いい方法じゃ。……では、その目印が見えなくなったらどうじゃろう?

ひなたひなた

え。……夜とか? 雪がつもったとき、とか?

スカイ博士スカイ博士

そうじゃ。ドローンはホームポイントや飛行ルートを覚えていることもある。じゃが、覚えた道だけで安全に飛べるわけではない。飛んでいるあいだじゅう、自分の状態をずっと確かめ続けているんじゃよ。

今日は、その「確かめ方」を分けて見ていきます。ひとつの魔法の部品があるわけではない、というのが今日のいちばん大事なところです。

第1章 ドローンが知りたいことは、ひとつじゃない

「迷子にならない」を、もう少し細かく分けてみます。このブログでは、安定して飛ぶために特に大切な3つへしぼります。実際の機体は、速さ、電池、通信の状態なども確かめています。

  • どこにいる? どの高さにいる?(位置・高度)
  • どちらへ、どれだけ かたむいた? どちらを向いている?姿勢しせい方位ほうい
  • すぐそばに、何がある?障害物しょうがいぶつ

大事なのは、この3つが別々の情報だということ。ただし、部品の担当がきれいに一対一で分かれるわけではありません。たとえば下向きカメラは位置を保つ助けにもなり、距離センサーは高さや障害物を知る助けにもなります。複数の情報を組み合わせて答えを出します。

表は横にスクロールできます →

知りたいことおもに使う部品役割・注意点
どこにいる? どの高さ?GNSS、気圧計、下向きカメラ・距離センサー地図上の位置、高さ、地面に対する動きを分担して推定
かたむき・向きは?ジャイロセンサー、加速度センサー、地磁気センサー(コンパス)かたむきと回転、磁北を手がかりにした機首の向きを推定
そばに何がある?カメラ、赤外線・レーザー・レーダーなどの距離センサー暗さ、反射、対象物の大きさ、機種によって得意・不得意が異なる

表1|3つの問いは別々ですが、ひとつのセンサーが複数の問いを助けることもあります。

ひなたひなた

GPSがあれば、ぜんぶ分かるんじゃないの?

スカイ博士スカイ博士

よく聞かれる質問じゃ。一般的なGPS受信機がおもに教えるのは、地図上のおおよその場所や高さ。「いま右にかたむいた」は教えてくれん。なぜだと思う?

ひなたひなた

……上から見たら、かたむいていても、いる場所は同じだから?

スカイ博士スカイ博士

そのとおり! 場所や高さと、姿勢・方位は、別のことなんじゃ。

ドローンのまわりに、GNSS、気圧計と下向きセンサー、IMU、コンパス、前方カメラの役割を色分けして示した図

色のついた線を、ドローンまでたどってみよう

青:GNSS
宇宙から「地図のどこ?」を調べる
オレンジ:気圧計・下向きセンサー
「どの高さ?」「地面までどれくらい?」を調べる
むらさき:IMU
「どちらへかたむいた? 回った?」を調べる
緑:コンパス
地球の磁気を手がかりに「機首はどっち向き?」を調べる
赤:カメラ・距離センサー
「前に木や壁がある?」を調べる
図1|ドローンは、ひとつの万能な目ではなく、得意なことが違うセンサーのチームで自分の状態を確かめます。
クイズ 1

ドローンが「いま右にかたむいた」と気づくのに、いちばん役立つのはどれ?

  1. GPSの受信機
  2. ジャイロセンサーと加速度センサー
  3. 電池の残量計
答えを見る

答え:2。 GPSは「どこにいるか」を知る助けです。かたむきは、機体の中にあるジャイロセンサーと加速度センサーが感じ取ります。

第2章 「かたむき」と「向き」を感じる ― IMUとコンパス

目をつぶったまま、いすをゆっくり回してもらうと、回されたことが分かります。人はそれを、耳の中にある器官で感じています。第1弾で、ドローンの部品を人の体にたとえた表を作りましたね。あの「耳」の部分を、今日はもう少し細かく見ます。

ジャイロセンサー ― 「どれくらいの速さで回ったか」

ジャイロセンサーが測るのは、回る速さです。「1秒間にどれくらいの角度、向きが変わったか」を数字にします。かたむいた「量」そのものではなく、かたむきつつある「勢い」を見ている、と考えると近いです。

加速度センサー ― 「どちらが下か」の手がかり

加速度センサーは、動きの変化を測ります。ドローンが静かにしているときは、その値から地球の重力が向く方向を推定できます。正確には重力そのものを直接測るのではなく、機体を支えたり動かしたりする力を測り、それを「どちらが下か」の手がかりにします。飛行中の加速や振動が大きいと、重力だけを見分けにくくなります。

ひなたひなた

どっちか片方だけじゃ、だめなの?

スカイ博士スカイ博士

それぞれ得意と苦手があるんじゃ。ジャイロは短い時間の変化にとても強い。じゃが、長く使っていると答えが少しずつずれていく。加速度センサーは「下の向き」が分かるが、機体がガタガタ揺れているときは値が乱れる。

ひなたひなた

じゃあ、2つの意見を合わせるんだ!

スカイ博士スカイ博士

そのとおり。2つ以上のセンサーの情報を足し合わせて、より確からしい答えを出す。これをセンサーフュージョンという。3方向のジャイロと3方向の加速度センサーをまとめたものは、多くの場合IMU(慣性計測装置かんせいけいそくそうちと呼ばれておる。コンパスは別の部品になっていることも、同じモジュールに入っていることもあるんじゃ。

半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスも、ジャイロを「角速度かくそくどを測るもの」と説明し、加速度センサーと同じパッケージに入れて、3次元の向きを推定する仕組み(センサーフュージョン)に使うと書いています。

地磁気センサー(コンパス) ― 「どちらを向いているか」の手がかり

ジャイロは、機体の向きがどれくらい変わったかを細かく測れます。ただし、その変化を足し続けるだけでは、時間とともに少しずつずれがたまります。そこで多くの機体が使うのが、地磁気センサー(コンパス)です。

ひなたひなた

コンパスって、遠足で使う方位磁針と同じ?

スカイ博士スカイ博士

同じ考え方じゃ。地球の磁気を感じて、方位磁針が示す磁北という北を手がかりにする。それで、機首がどちらを向いているかを確かめるんじゃよ。地図で使う真北とは、場所によって少しずれることもある。

コンパスが教えるのは、地図の上の場所ではなく、機体が向いている方角の手がかりです。コンパスだけですべてが分かるわけではありません。IMUやGNSS、カメラなど、ほかの情報と組み合わせて使います。

クイズ 2

ジャイロセンサーと加速度センサーを組み合わせるのは、なぜ?

  1. 見た目がかっこよくなるから
  2. たがいの苦手なところを補い合えるから
  3. 電池を長持ちさせるため
答えを見る

答え:2。 ジャイロは長く使うと少しずつずれ、加速度センサーは揺れに弱い。組み合わせることで、どちらか片方より確からしい姿勢が分かります。方位を保つときは、さらにコンパスなどの情報も組み合わせます。

第3章 「どこにいる」を知る ― GPSはGNSSのひとつ

かたむいていなくても、風で横へ流されることがあります。そこで役に立つのが、宇宙の人工衛星です。

衛星は「いまは何時何分何秒です。私はここにいます」という信号を出し続けています。空を飛ぶ受信機は、その信号が届くまでにかかった時間から、衛星までの距離を見積もります。受信機の時計にもずれがあるため、3次元の場所と時計のずれを同時に求めるには、通常は4機以上の衛星を使います。

米国政府のGPS公式サイトによると、GPSの衛星は「地球上のほぼどの地点からでも、少なくとも4機の衛星が見えるように」配置されています。

GNSSという言葉

こうした「衛星で位置を知る仕組み」をまとめた呼び名がGNSSです。GPSはそのひとつで、ほかにもいろいろあります。

表は横にスクロールできます →

呼び名運用しているところひとこと
GPS米国いちばん広く知られている
みちびき(QZSS)日本GPSと一緒に使える
Galileo欧州民生用として整備
GLONASSロシア早くから運用
BeiDou中国近年に整備

表2|GNSSは「衛星で位置を知る仕組み」全体の呼び名です。

日本の内閣府「みちびき」公式サイトは、みちびきについて「GPS衛星と互換性を持ち、GPS衛星と一体で利用することができる」と説明しています。対立するものではなく、対応する受信機なら、受け取れる衛星信号を増やす助けになります。ただし、衛星の数が多いだけで精度が決まるわけではありません。空の開け方、衛星の配置、反射、受信機が対応する信号も関係します。

ひなたひなた

じゃあ、衛星がたくさんあれば、ぜったい迷わないね!

スカイ博士スカイ博士

ここが今日の山場じゃ。……その電波は、衛星からまっすぐ届くほど正しく使いやすいんじゃよ。建物でさえぎられたり、反射した電波ばかりになったりすると、場所の答えがずれやすくなる。

内閣府のみちびきFAQには、はっきりこう書かれています。電波が直接届く必要があるため、一般的な受信機では、ビルなどの屋内や地下街、トンネルの中では利用できません。

精度についても、GPS公式サイトは、大気の影響、上空の遮蔽しゃへい、衛星の配置、受信機の設計などで実際の精度が変わると説明しています。米国政府が示す信号そのものの距離誤差(URE)は、世界平均で95%の確率で2.0メートル以下ですが、これは利用者の位置誤差と同じ数字ではありません。同サイトでは、開けた空の下のスマートフォンを一般に半径4.9メートル程度の例として挙げています。ドローンでも受信機と環境で結果は変わり、いつでも何センチ、というものではありません

クイズ 3

GPSについて、正しい説明はどれ?

  1. GPSはGNSSのひとつで、衛星の電波が直接届かない場所では使いにくい
  2. GPSがあれば、屋内でも地下でも位置が分かる
  3. GPSはドローンのかたむきも教えてくれる
答えを見る

答え:1。 GNSSは衛星測位の仕組み全体の呼び名で、GPSはその代表格です。屋内や地下街、トンネルでは、一般的な受信機では使えません。かたむきは別のセンサーの担当です。

第4章 「まわりに何がある」を見る ― カメラと距離センサー

場所・高さや姿勢が分かっても、目の前の木の枝までは分かりません。そこで、まわりを見る部品を積んだ機体があります。

下向きのカメラ

機体の底についたカメラで地面の模様の動きを見て、「どちらへ、どれだけ動いたか」を見積もります。風で横に流されたら、模様がずれるので気づけます。屋内などで位置を保つ助けになりますが、カメラだけで地図上の絶対位置が分かるわけではありません。多くの機体は、IMUや下向きの赤外線・距離センサーなどと組み合わせます。

ただし、条件があります。DJI Mini 4Kユーザーマニュアル v1.0では、下向きビジョンによる精密なホバリング範囲は高度およそ0.5〜10メートルです。動作環境はおよそ15ルクスを超える明るさで、模様を見分けられ、光を強く反射しない面とされています。数値は機種ごとに異なります。

そして、うまく働かない場所も、はっきり書かれています。

  • 真っ白・真っ黒など、一色でのっぺりした面
  • 強く光を反射する面、水面、透明な面
  • 動いている面(走っている車の上など)
  • 明るさが急に大きく変わる場所
  • 鏡のように赤外線を強く反射・吸収する面
  • 同じ模様がくり返しならぶ面(同じ柄のタイルなど)
  • 木の細い枝のように、面積の小さいもの

ここに挙げたのは、主にカメラを使うビジョンシステムと下向き赤外線センサーの苦手な条件です。LiDARやミリ波レーダーなどは暗所でも使える場合があり、同じ「障害物センサー」でも性質は同じではありません。

前・後ろ・横を見る目

上位の機種では、前後左右と上下を見るカメラ、赤外線のセンサー、レーザー(LiDAR)、ミリ波レーダーなどを組み合わせているものもあります。何がついているかは機種によってまったく違います。

ひなたひなた

じゃあ、ドローンって絶対にぶつからないんだ!

スカイ博士スカイ博士

……そこは、今日いちばん覚えて帰ってほしいところじゃ。第6章で、じっくり話そう。

クイズ 4

下向きのカメラで位置を保つドローンが、いちばん苦手なのはどれ?

  1. 落ち葉がたくさん落ちた地面
  2. まっ平らで、まっ白な床
  3. 石だたみの広場
答えを見る

答え:2。 模様がないと「ずれたかどうか」が分かりません。ただし、同じ柄のタイルがずっと続く床も、じつは苦手です。

第5章 感じる → 計算する → モーターを調整する

第1弾で、ドローンの流れを「感じる → 考える → 動く」と説明しました。今日出てきたセンサーは、その「感じる」の中身です。ただし、センサーの数字がそのままモーターへ送られるわけではありません。

まず、フライトコントローラーがIMU、コンパス、GNSS、気圧計、カメラなどの情報から、いまの姿勢・位置・高さ・速度を推定します。次に、目標の場所や高さと比べて、「どちらへ、どれくらい動き直すか」を決めます。その結果が必要なかたむきや力に変換され、最後に各モーターの回転数が調整されます。

ここには、速さの違う制御の輪があります。ジャイロを中心に回転や姿勢を整える輪は、機体によっては1秒間に何百回も動きます。一方、GNSSやカメラなどは別の周期で更新されます。すべてのセンサーが同じ速さで動いているわけではありません。

風の中で同じ場所にとどまるときは、機体をただ水平へ戻すのではなく、風に向かってあえて少しかたむき続けることもあります。位置を戻すための目標を作る輪と、その姿勢を正確に保つ輪が重なって、ホバリングになります。

同じ青い目印の上でホバリングするドローンが、風で流され、ずれに気づき、風へかたむきながら元の場所へ戻る4コマ図
1 目印の上にいる下向きセンサーなどで、いまの場所を確かめる。
2 風で流される青い目印から、機体が横へずれる。
3 ずれに気づくセンサーの情報をフライトコントローラーが計算する。
4 元へ戻す風へ少しかたむき、モーターの力を変えて同じ目印へ戻る。

4つの絵にある青い丸は、ぜんぶ同じ場所です。

図2|ホバリングは「何もしないで停止」ではありません。感じる・計算する・直す、を何度もくり返しています。
ひなたひなた

え、止まって見えるのに、ずっと動いてるの?

スカイ博士スカイ博士

自転車で、止まったまま立っていられる人が、たえず小さく直しているのと似ておる。ドローンも直し続けている。しかも風に流されないためには、水平に戻るのではなく、風に向かって少しかたむくこともあるんじゃ。

センサーのひとつが使いにくくなったとき、別のセンサーで補える機体もあれば、飛行モードを変えたり、位置を保てなくなったりする機体もあります。必ずその場で止まる、必ず帰る、必ず着陸するとは限りません。残っている情報、機種、設定、飛行モードで挙動が変わります。

第6章 苦手な場所と、「自動」の限界

ここまでで、ドローンが3つの情報を別々に集めていることが分かりました。では、その情報が集まりにくい場所では、何が起きるのでしょう。

表は横にスクロールできます →

場所むずかしくなること理由
屋内衛星での位置電波が直接届かない
ビルの谷間位置の正確さ見える衛星が減り、反射した電波が混じる
暗いところカメラでの位置・障害物模様を見つけられない
水面・ガラスのそば障害物の検知反射や透明で、うまく見えない
鉄の構造物のそば向き(方位)磁気が乱れる
強い風位置保持・RTH傾けても進めず、電池の消費も増える
強い電波干渉GNSS・通信信号を受けにくくなる場合がある

表3|「使える・使えない」ではなく、どの手がかりが弱くなるかが場所ごとに違います。

場所によって、弱くなる手がかりが違う 広い屋外、ビルの谷間、屋内、暗いところ、鉄の構造物のそばで、衛星・カメラ・IMU・コンパスがそれぞれの担当情報を得やすいかを示した概念図です。異なるセンサーの性能を同じ物差しで比較する図ではなく、実測値でもありません。 場所が変わると、弱くなる手がかりが違う 各センサーが、自分の担当情報を得やすいかのイメージ センサーどうしの性能を同じ物差しで比べる図ではありません 広い屋外 衛星 カメラ IMU コンパス ビルの谷間 衛星 カメラ IMU コンパス 屋内 衛星 カメラ IMU コンパス 暗いところ 衛星 カメラ IMU コンパス 鉄の構造物のそば 衛星 カメラ IMU コンパス IMUも振動・温度・加速の影響を受けます。 コンパスは周囲の磁気環境に左右されます。
図3|場所によって、各センサーが担当情報を得やすいかが変わります。異なるセンサーの性能を直接比べる図ではなく、実測値でもありません。

自動で帰ってくる機能は、条件つき

多くのドローンには、電波が切れたときなどに出発点へ戻る自動帰還(RTH)の機能があります。ただし、通信が切れたら必ず帰るわけではありません。機種によっては、通信喪失時の動作をRTH・着陸・ホバリングから選べます。

DJI Mini 4Kユーザーマニュアル v1.0では、ホームポイントが記録され、GPS信号が十分に強いことがRTHの重要な条件です。DJIのRTH公式解説では、機種によってコンパスが正常であることや、通信喪失時の設定がRTHになっていることも条件として示されています。RTH開始後に測位信号が弱くなったとき、いったんホバリングしてから着陸する機種もありますが、挙動は機種・設定・飛行モードで異なります。

障害物をよける機能も、条件つき

障害物を検知する機能についても、メーカーはこう書いています。ビジョンシステムと赤外線センサーは特定の状況でしか働かず、人の操作と判断の代わりにはならない。飛行中はつねに周囲に注意し、機体の制御に責任を持つこと。

さらに、障害物検知そのものを持たない機種もあります。同じメーカーの別の機体の説明書には「機体は経路上の障害物を自動では感知しません。操縦者が周囲の環境に注意し、障害物を避けるように操作してください」と書かれています。

ひなたひなた

ぜんぶ自動でやってくれると思ってた……。

スカイ博士スカイ博士

がっかりしたかね? わしはむしろ、ここが面白いと思うんじゃ。どこまでが機械の仕事で、どこからが人の仕事か。それを知っている人が、いちばん上手に道具を使える。飛ばす前に、その機体の説明書を読む。プロもそうしておるよ。

クイズ 5

ドローンの自動帰還(RTH)について、正しいのはどれ?

  1. どんな場所でも、ボタンひとつで必ず帰ってくる
  2. 出発点の記録や衛星の電波など、いくつかの条件がそろって働く
  3. 障害物は必ずよけてくれる
答えを見る

答え:2。 ホームポイント、測位、コンパス、電池、風、通信喪失時の設定など、RTHには複数の条件があります。障害物をよけられるかどうかも、機種・設定・環境によって違います。

親子で挑戦|「ひなたを家まで案内しよう」

紙と付箋ふせんだけでできます。ドローンは飛ばしません。

用意するもの

  • 大きめの紙(A4かA3)、えんぴつ、色ペン
  • 付箋、または小さな紙を数枚
  • コマにするもの(消しゴム、小さなおもちゃなど)

やり方

  1. 地図をかく。 紙に、家・学校・公園・ポスト・大きな木・橋など、目印を6つ以上かき入れます。道もつなげます。
  2. 役を決める。 ひとりが「案内する人」、もうひとりが「ドローン役」。ドローン役は地図だけを見ます。
  3. 1回目:目印が全部見える。 案内役が「大きな木を右に見ながら進んで、橋をわたったら左」のように、目印だけで道を伝えます。ドローン役はコマを動かします。だいたい、まっすぐ着けるはずです。
  4. 2回目:目印をかくす。 付箋で目印を2〜3つ隠します。同じように案内してみましょう。
  5. 話し合う。 隠れたぶん、何を手がかりにしましたか?

話し合いのヒント

たぶん、こんな作戦が出てきます。

  • 「歩数を数える」→ 動いた量から、いまの場所を見積もる考え方
  • 「曲がった回数を覚える」→ 向きの変化を積み重ねる考え方
  • 「太陽の向きを見る」→ 方角をたよりにする考え方

ドローンも、似たことをしています。方角をたよりにするという意味では、地球の磁気を感じるコンパスは「太陽の向きを見る」に少し似た役割です。ひとつの手がかりが減ったら、別の手がかりを足します。

この遊びでは、分からなくなったらコマを止めて考え直せます。ただし、本物のドローンは位置の手がかりを失うと、その場に止まれず風で流されることがあります。実際の飛行では無理に任務を続けず、機体の警告と取扱説明書に従い、着陸・帰還・手動操作など、その機種で決められた安全な対応を選びます。

※ この遊びは、衛星測位のしくみをそのまま再現するものではありません。「手がかりが減ると何がむずかしくなるか」を体で確かめるための活動です。

ひなたひなた

付箋を全部はがしたら、こんどはかんたんだった!

スカイ博士スカイ博士

じゃろう。ドローンにとっての「付箋」は、屋根や、ビルや、暗さなんじゃ。

今日わかったこと

  1. このブログでは、安定して飛ぶための情報を「場所と高さ」「かたむきと向き」「まわりの物」の3つにしぼった。実際の機体は速さ、電池、通信なども確かめている。
  2. ジャイロセンサーは回る速さを測り、加速度センサーは動きの変化を測る。静かなときは、加速度から重力方向の手がかりを得られる。
  3. ジャイロと加速度センサーをまとめたものは、多くの場合IMUと呼ばれる。センサーの構成は機種によって違う。
  4. 地磁気センサー(コンパス)は、地球の磁気と磁北を手がかりに、機体がどちらを向いているかを確かめる。
  5. GPSはGNSSのひとつ。3次元の場所と受信機の時計のずれを求めるには、通常は4機以上の衛星を使う。
  6. 衛星の電波は直接届くほど使いやすく、遮蔽・反射・衛星配置・受信機・電波干渉で精度が変わる。GPSだけで姿勢や障害物は分からない。
  7. 下向きカメラは地面の模様の動きから相対的な移動を見積もる。高さや位置を保つには、IMU、距離センサー、GNSSなどとの組み合わせが必要。
  8. ホバリングは、位置を考える輪と姿勢を整える輪の重なり。風の中では、同じ場所にいるために機体をかたむけ続けることもある。
  9. 自動帰還も障害物検知も条件つき。通信が切れたときの動きも、機種・設定・測位・風・電池・飛行モードによって違う。
ひなたひなた

ドローンって、思ってたより「わかっていない」んだね。

スカイ博士スカイ博士

うむ。機体がセンサーの異常に気づいて、警告したり安全な動きへ切り替えたりできることもある。じゃが、すべての間違いに必ず気づけるわけではない。だから人が飛ばす前に条件を確かめ、飛行中も見守ることが大切なんじゃ。

参考リンク集

数値や条件を調べ直すときは、「どの機種の話か」「どの条件での数字か」にも注目してください。すべて2026年9月6日に確認しています。

このブログをつくった会社について

SkyLink Japanは、測量・点検・農業・防災などの現場で使うドローンやロボットを、必要とする人へ届ける仕事をしています。このシリーズでは、技術が人の暮らしとどうつながるのかを、親子で考えるきっかけをお届けします。

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※このブログは教育目的のコンテンツです。

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