情報の基準日:2026年9月6日|親子で学ぶドローン・第3弾
前回までは「なぜ飛ぶのか」(第1弾)と「なぜこの形になったのか」(第2弾)を見てきました。今回は、飛んでいるあいだ、ドローンは自分のことをどれくらい分かっているのかという話です。
第1弾「飛ばなくてもわかる!ドローンのひみつ」と第2弾「ドローンの歴史を親子で探検!」を読んでいなくても、ここから読めます。
今回のナビゲーター
スカイ博士:ドローン研究ひとすじ40年。「なぜだと思う?」と問いを返します。
ひなた:小学4年生。口ぐせは「なんで? やってみたい!」。みんなの代わりに、気になることを聞きます。
公園から帰るとき、いつも角のポストと、赤いやねのお家を見て曲がるの。帰り道を覚えているなら、絶対に迷子にならないね!
いい方法じゃ。……では、その目印が見えなくなったらどうじゃろう?
え。……夜とか? 雪がつもったとき、とか?
そうじゃ。ドローンはホームポイントや飛行ルートを覚えていることもある。じゃが、覚えた道だけで安全に飛べるわけではない。飛んでいるあいだじゅう、自分の状態をずっと確かめ続けているんじゃよ。
今日は、その「確かめ方」を分けて見ていきます。ひとつの魔法の部品があるわけではない、というのが今日のいちばん大事なところです。
第1章 ドローンが知りたいことは、ひとつじゃない
「迷子にならない」を、もう少し細かく分けてみます。このブログでは、安定して飛ぶために特に大切な3つへしぼります。実際の機体は、速さ、電池、通信の状態なども確かめています。
- どこにいる? どの高さにいる?(位置・高度)
- どちらへ、どれだけ かたむいた? どちらを向いている?(姿勢・方位)
- すぐそばに、何がある?(障害物)
大事なのは、この3つが別々の情報だということ。ただし、部品の担当がきれいに一対一で分かれるわけではありません。たとえば下向きカメラは位置を保つ助けにもなり、距離センサーは高さや障害物を知る助けにもなります。複数の情報を組み合わせて答えを出します。
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| 知りたいこと | おもに使う部品 | 役割・注意点 |
|---|---|---|
| どこにいる? どの高さ? | GNSS、気圧計、下向きカメラ・距離センサー | 地図上の位置、高さ、地面に対する動きを分担して推定 |
| かたむき・向きは? | ジャイロセンサー、加速度センサー、地磁気センサー(コンパス) | かたむきと回転、磁北を手がかりにした機首の向きを推定 |
| そばに何がある? | カメラ、赤外線・レーザー・レーダーなどの距離センサー | 暗さ、反射、対象物の大きさ、機種によって得意・不得意が異なる |
表1|3つの問いは別々ですが、ひとつのセンサーが複数の問いを助けることもあります。
GPSがあれば、ぜんぶ分かるんじゃないの?
よく聞かれる質問じゃ。一般的なGPS受信機がおもに教えるのは、地図上のおおよその場所や高さ。「いま右にかたむいた」は教えてくれん。なぜだと思う?
……上から見たら、かたむいていても、いる場所は同じだから?
そのとおり! 場所や高さと、姿勢・方位は、別のことなんじゃ。
色のついた線を、ドローンまでたどってみよう
宇宙から「地図のどこ?」を調べる
「どの高さ?」「地面までどれくらい?」を調べる
「どちらへかたむいた? 回った?」を調べる
地球の磁気を手がかりに「機首はどっち向き?」を調べる
「前に木や壁がある?」を調べる
ドローンが「いま右にかたむいた」と気づくのに、いちばん役立つのはどれ?
- GPSの受信機
- ジャイロセンサーと加速度センサー
- 電池の残量計
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答え:2。 GPSは「どこにいるか」を知る助けです。かたむきは、機体の中にあるジャイロセンサーと加速度センサーが感じ取ります。
第2章 「かたむき」と「向き」を感じる ― IMUとコンパス
目をつぶったまま、いすをゆっくり回してもらうと、回されたことが分かります。人はそれを、耳の中にある器官で感じています。第1弾で、ドローンの部品を人の体にたとえた表を作りましたね。あの「耳」の部分を、今日はもう少し細かく見ます。
ジャイロセンサー ― 「どれくらいの速さで回ったか」
ジャイロセンサーが測るのは、回る速さです。「1秒間にどれくらいの角度、向きが変わったか」を数字にします。かたむいた「量」そのものではなく、かたむきつつある「勢い」を見ている、と考えると近いです。
加速度センサー ― 「どちらが下か」の手がかり
加速度センサーは、動きの変化を測ります。ドローンが静かにしているときは、その値から地球の重力が向く方向を推定できます。正確には重力そのものを直接測るのではなく、機体を支えたり動かしたりする力を測り、それを「どちらが下か」の手がかりにします。飛行中の加速や振動が大きいと、重力だけを見分けにくくなります。
どっちか片方だけじゃ、だめなの?
それぞれ得意と苦手があるんじゃ。ジャイロは短い時間の変化にとても強い。じゃが、長く使っていると答えが少しずつずれていく。加速度センサーは「下の向き」が分かるが、機体がガタガタ揺れているときは値が乱れる。
じゃあ、2つの意見を合わせるんだ!
そのとおり。2つ以上のセンサーの情報を足し合わせて、より確からしい答えを出す。これをセンサーフュージョンという。3方向のジャイロと3方向の加速度センサーをまとめたものは、多くの場合IMU(慣性計測装置)と呼ばれておる。コンパスは別の部品になっていることも、同じモジュールに入っていることもあるんじゃ。
半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスも、ジャイロを「角速度を測るもの」と説明し、加速度センサーと同じパッケージに入れて、3次元の向きを推定する仕組み(センサーフュージョン)に使うと書いています。
地磁気センサー(コンパス) ― 「どちらを向いているか」の手がかり
ジャイロは、機体の向きがどれくらい変わったかを細かく測れます。ただし、その変化を足し続けるだけでは、時間とともに少しずつずれがたまります。そこで多くの機体が使うのが、地磁気センサー(コンパス)です。
コンパスって、遠足で使う方位磁針と同じ?
同じ考え方じゃ。地球の磁気を感じて、方位磁針が示す磁北という北を手がかりにする。それで、機首がどちらを向いているかを確かめるんじゃよ。地図で使う真北とは、場所によって少しずれることもある。
コンパスが教えるのは、地図の上の場所ではなく、機体が向いている方角の手がかりです。コンパスだけですべてが分かるわけではありません。IMUやGNSS、カメラなど、ほかの情報と組み合わせて使います。
ジャイロセンサーと加速度センサーを組み合わせるのは、なぜ?
- 見た目がかっこよくなるから
- たがいの苦手なところを補い合えるから
- 電池を長持ちさせるため
答えを見る
答え:2。 ジャイロは長く使うと少しずつずれ、加速度センサーは揺れに弱い。組み合わせることで、どちらか片方より確からしい姿勢が分かります。方位を保つときは、さらにコンパスなどの情報も組み合わせます。
第3章 「どこにいる」を知る ― GPSはGNSSのひとつ
かたむいていなくても、風で横へ流されることがあります。そこで役に立つのが、宇宙の人工衛星です。
衛星は「いまは何時何分何秒です。私はここにいます」という信号を出し続けています。空を飛ぶ受信機は、その信号が届くまでにかかった時間から、衛星までの距離を見積もります。受信機の時計にもずれがあるため、3次元の場所と時計のずれを同時に求めるには、通常は4機以上の衛星を使います。
米国政府のGPS公式サイトによると、GPSの衛星は「地球上のほぼどの地点からでも、少なくとも4機の衛星が見えるように」配置されています。
GNSSという言葉
こうした「衛星で位置を知る仕組み」をまとめた呼び名がGNSSです。GPSはそのひとつで、ほかにもいろいろあります。
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| 呼び名 | 運用しているところ | ひとこと |
|---|---|---|
| GPS | 米国 | いちばん広く知られている |
| みちびき(QZSS) | 日本 | GPSと一緒に使える |
| Galileo | 欧州 | 民生用として整備 |
| GLONASS | ロシア | 早くから運用 |
| BeiDou | 中国 | 近年に整備 |
表2|GNSSは「衛星で位置を知る仕組み」全体の呼び名です。
日本の内閣府「みちびき」公式サイトは、みちびきについて「GPS衛星と互換性を持ち、GPS衛星と一体で利用することができる」と説明しています。対立するものではなく、対応する受信機なら、受け取れる衛星信号を増やす助けになります。ただし、衛星の数が多いだけで精度が決まるわけではありません。空の開け方、衛星の配置、反射、受信機が対応する信号も関係します。
じゃあ、衛星がたくさんあれば、ぜったい迷わないね!
ここが今日の山場じゃ。……その電波は、衛星からまっすぐ届くほど正しく使いやすいんじゃよ。建物でさえぎられたり、反射した電波ばかりになったりすると、場所の答えがずれやすくなる。
内閣府のみちびきFAQには、はっきりこう書かれています。電波が直接届く必要があるため、一般的な受信機では、ビルなどの屋内や地下街、トンネルの中では利用できません。
精度についても、GPS公式サイトは、大気の影響、上空の遮蔽、衛星の配置、受信機の設計などで実際の精度が変わると説明しています。米国政府が示す信号そのものの距離誤差(URE)は、世界平均で95%の確率で2.0メートル以下ですが、これは利用者の位置誤差と同じ数字ではありません。同サイトでは、開けた空の下のスマートフォンを一般に半径4.9メートル程度の例として挙げています。ドローンでも受信機と環境で結果は変わり、いつでも何センチ、というものではありません。
GPSについて、正しい説明はどれ?
- GPSはGNSSのひとつで、衛星の電波が直接届かない場所では使いにくい
- GPSがあれば、屋内でも地下でも位置が分かる
- GPSはドローンのかたむきも教えてくれる
答えを見る
答え:1。 GNSSは衛星測位の仕組み全体の呼び名で、GPSはその代表格です。屋内や地下街、トンネルでは、一般的な受信機では使えません。かたむきは別のセンサーの担当です。
第4章 「まわりに何がある」を見る ― カメラと距離センサー
場所・高さや姿勢が分かっても、目の前の木の枝までは分かりません。そこで、まわりを見る部品を積んだ機体があります。
下向きのカメラ
機体の底についたカメラで地面の模様の動きを見て、「どちらへ、どれだけ動いたか」を見積もります。風で横に流されたら、模様がずれるので気づけます。屋内などで位置を保つ助けになりますが、カメラだけで地図上の絶対位置が分かるわけではありません。多くの機体は、IMUや下向きの赤外線・距離センサーなどと組み合わせます。
ただし、条件があります。DJI Mini 4Kユーザーマニュアル v1.0では、下向きビジョンによる精密なホバリング範囲は高度およそ0.5〜10メートルです。動作環境はおよそ15ルクスを超える明るさで、模様を見分けられ、光を強く反射しない面とされています。数値は機種ごとに異なります。
そして、うまく働かない場所も、はっきり書かれています。
- 真っ白・真っ黒など、一色でのっぺりした面
- 強く光を反射する面、水面、透明な面
- 動いている面(走っている車の上など)
- 明るさが急に大きく変わる場所
- 鏡のように赤外線を強く反射・吸収する面
- 同じ模様がくり返しならぶ面(同じ柄のタイルなど)
- 木の細い枝のように、面積の小さいもの
ここに挙げたのは、主にカメラを使うビジョンシステムと下向き赤外線センサーの苦手な条件です。LiDARやミリ波レーダーなどは暗所でも使える場合があり、同じ「障害物センサー」でも性質は同じではありません。
前・後ろ・横を見る目
上位の機種では、前後左右と上下を見るカメラ、赤外線のセンサー、レーザー(LiDAR)、ミリ波レーダーなどを組み合わせているものもあります。何がついているかは機種によってまったく違います。
じゃあ、ドローンって絶対にぶつからないんだ!
……そこは、今日いちばん覚えて帰ってほしいところじゃ。第6章で、じっくり話そう。
下向きのカメラで位置を保つドローンが、いちばん苦手なのはどれ?
- 落ち葉がたくさん落ちた地面
- まっ平らで、まっ白な床
- 石だたみの広場
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答え:2。 模様がないと「ずれたかどうか」が分かりません。ただし、同じ柄のタイルがずっと続く床も、じつは苦手です。
第5章 感じる → 計算する → モーターを調整する
第1弾で、ドローンの流れを「感じる → 考える → 動く」と説明しました。今日出てきたセンサーは、その「感じる」の中身です。ただし、センサーの数字がそのままモーターへ送られるわけではありません。
まず、フライトコントローラーがIMU、コンパス、GNSS、気圧計、カメラなどの情報から、いまの姿勢・位置・高さ・速度を推定します。次に、目標の場所や高さと比べて、「どちらへ、どれくらい動き直すか」を決めます。その結果が必要なかたむきや力に変換され、最後に各モーターの回転数が調整されます。
ここには、速さの違う制御の輪があります。ジャイロを中心に回転や姿勢を整える輪は、機体によっては1秒間に何百回も動きます。一方、GNSSやカメラなどは別の周期で更新されます。すべてのセンサーが同じ速さで動いているわけではありません。
風の中で同じ場所にとどまるときは、機体をただ水平へ戻すのではなく、風に向かってあえて少しかたむき続けることもあります。位置を戻すための目標を作る輪と、その姿勢を正確に保つ輪が重なって、ホバリングになります。
4つの絵にある青い丸は、ぜんぶ同じ場所です。
え、止まって見えるのに、ずっと動いてるの?
自転車で、止まったまま立っていられる人が、たえず小さく直しているのと似ておる。ドローンも直し続けている。しかも風に流されないためには、水平に戻るのではなく、風に向かって少しかたむくこともあるんじゃ。
センサーのひとつが使いにくくなったとき、別のセンサーで補える機体もあれば、飛行モードを変えたり、位置を保てなくなったりする機体もあります。必ずその場で止まる、必ず帰る、必ず着陸するとは限りません。残っている情報、機種、設定、飛行モードで挙動が変わります。
第6章 苦手な場所と、「自動」の限界
ここまでで、ドローンが3つの情報を別々に集めていることが分かりました。では、その情報が集まりにくい場所では、何が起きるのでしょう。
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| 場所 | むずかしくなること | 理由 |
|---|---|---|
| 屋内 | 衛星での位置 | 電波が直接届かない |
| ビルの谷間 | 位置の正確さ | 見える衛星が減り、反射した電波が混じる |
| 暗いところ | カメラでの位置・障害物 | 模様を見つけられない |
| 水面・ガラスのそば | 障害物の検知 | 反射や透明で、うまく見えない |
| 鉄の構造物のそば | 向き(方位) | 磁気が乱れる |
| 強い風 | 位置保持・RTH | 傾けても進めず、電池の消費も増える |
| 強い電波干渉 | GNSS・通信 | 信号を受けにくくなる場合がある |
表3|「使える・使えない」ではなく、どの手がかりが弱くなるかが場所ごとに違います。
自動で帰ってくる機能は、条件つき
多くのドローンには、電波が切れたときなどに出発点へ戻る自動帰還(RTH)の機能があります。ただし、通信が切れたら必ず帰るわけではありません。機種によっては、通信喪失時の動作をRTH・着陸・ホバリングから選べます。
DJI Mini 4Kユーザーマニュアル v1.0では、ホームポイントが記録され、GPS信号が十分に強いことがRTHの重要な条件です。DJIのRTH公式解説では、機種によってコンパスが正常であることや、通信喪失時の設定がRTHになっていることも条件として示されています。RTH開始後に測位信号が弱くなったとき、いったんホバリングしてから着陸する機種もありますが、挙動は機種・設定・飛行モードで異なります。
障害物をよける機能も、条件つき
障害物を検知する機能についても、メーカーはこう書いています。ビジョンシステムと赤外線センサーは特定の状況でしか働かず、人の操作と判断の代わりにはならない。飛行中はつねに周囲に注意し、機体の制御に責任を持つこと。
さらに、障害物検知そのものを持たない機種もあります。同じメーカーの別の機体の説明書には「機体は経路上の障害物を自動では感知しません。操縦者が周囲の環境に注意し、障害物を避けるように操作してください」と書かれています。
ぜんぶ自動でやってくれると思ってた……。
がっかりしたかね? わしはむしろ、ここが面白いと思うんじゃ。どこまでが機械の仕事で、どこからが人の仕事か。それを知っている人が、いちばん上手に道具を使える。飛ばす前に、その機体の説明書を読む。プロもそうしておるよ。
ドローンの自動帰還(RTH)について、正しいのはどれ?
- どんな場所でも、ボタンひとつで必ず帰ってくる
- 出発点の記録や衛星の電波など、いくつかの条件がそろって働く
- 障害物は必ずよけてくれる
答えを見る
答え:2。 ホームポイント、測位、コンパス、電池、風、通信喪失時の設定など、RTHには複数の条件があります。障害物をよけられるかどうかも、機種・設定・環境によって違います。
親子で挑戦|「ひなたを家まで案内しよう」
紙と付箋だけでできます。ドローンは飛ばしません。
用意するもの
- 大きめの紙(A4かA3)、えんぴつ、色ペン
- 付箋、または小さな紙を数枚
- コマにするもの(消しゴム、小さなおもちゃなど)
やり方
- 地図をかく。 紙に、家・学校・公園・ポスト・大きな木・橋など、目印を6つ以上かき入れます。道もつなげます。
- 役を決める。 ひとりが「案内する人」、もうひとりが「ドローン役」。ドローン役は地図だけを見ます。
- 1回目:目印が全部見える。 案内役が「大きな木を右に見ながら進んで、橋をわたったら左」のように、目印だけで道を伝えます。ドローン役はコマを動かします。だいたい、まっすぐ着けるはずです。
- 2回目:目印をかくす。 付箋で目印を2〜3つ隠します。同じように案内してみましょう。
- 話し合う。 隠れたぶん、何を手がかりにしましたか?
話し合いのヒント
たぶん、こんな作戦が出てきます。
- 「歩数を数える」→ 動いた量から、いまの場所を見積もる考え方
- 「曲がった回数を覚える」→ 向きの変化を積み重ねる考え方
- 「太陽の向きを見る」→ 方角をたよりにする考え方
ドローンも、似たことをしています。方角をたよりにするという意味では、地球の磁気を感じるコンパスは「太陽の向きを見る」に少し似た役割です。ひとつの手がかりが減ったら、別の手がかりを足します。
この遊びでは、分からなくなったらコマを止めて考え直せます。ただし、本物のドローンは位置の手がかりを失うと、その場に止まれず風で流されることがあります。実際の飛行では無理に任務を続けず、機体の警告と取扱説明書に従い、着陸・帰還・手動操作など、その機種で決められた安全な対応を選びます。
※ この遊びは、衛星測位のしくみをそのまま再現するものではありません。「手がかりが減ると何がむずかしくなるか」を体で確かめるための活動です。
付箋を全部はがしたら、こんどはかんたんだった!
じゃろう。ドローンにとっての「付箋」は、屋根や、ビルや、暗さなんじゃ。
今日わかったこと
- このブログでは、安定して飛ぶための情報を「場所と高さ」「かたむきと向き」「まわりの物」の3つにしぼった。実際の機体は速さ、電池、通信なども確かめている。
- ジャイロセンサーは回る速さを測り、加速度センサーは動きの変化を測る。静かなときは、加速度から重力方向の手がかりを得られる。
- ジャイロと加速度センサーをまとめたものは、多くの場合IMUと呼ばれる。センサーの構成は機種によって違う。
- 地磁気センサー(コンパス)は、地球の磁気と磁北を手がかりに、機体がどちらを向いているかを確かめる。
- GPSはGNSSのひとつ。3次元の場所と受信機の時計のずれを求めるには、通常は4機以上の衛星を使う。
- 衛星の電波は直接届くほど使いやすく、遮蔽・反射・衛星配置・受信機・電波干渉で精度が変わる。GPSだけで姿勢や障害物は分からない。
- 下向きカメラは地面の模様の動きから相対的な移動を見積もる。高さや位置を保つには、IMU、距離センサー、GNSSなどとの組み合わせが必要。
- ホバリングは、位置を考える輪と姿勢を整える輪の重なり。風の中では、同じ場所にいるために機体をかたむけ続けることもある。
- 自動帰還も障害物検知も条件つき。通信が切れたときの動きも、機種・設定・測位・風・電池・飛行モードによって違う。
ドローンって、思ってたより「わかっていない」んだね。
うむ。機体がセンサーの異常に気づいて、警告したり安全な動きへ切り替えたりできることもある。じゃが、すべての間違いに必ず気づけるわけではない。だから人が飛ばす前に条件を確かめ、飛行中も見守ることが大切なんじゃ。
参考リンク集
数値や条件を調べ直すときは、「どの機種の話か」「どの条件での数字か」にも注目してください。すべて2026年9月6日に確認しています。
- GPS.gov「GPS Accuracy」(信号の距離誤差と利用者の位置精度の違い)
- GPS.gov「Space Segment」(衛星の配置と「少なくとも4機が見える」設計)
- 内閣府 みちびき「みちびきの必要性」
- 内閣府 みちびき「FAQ」(屋内・地下街・トンネルで利用できない理由)
- 内閣府 みちびき「衛星測位サービス」(マルチパス、電離圏遅延、衛星配置)
- STMicroelectronics「Gyroscopes」(ジャイロが測るもの、IMUとしての組み合わせ)
- STMicroelectronics「e-Compasses and magnetic sensors」(地球の磁気を使った方位・向きの推定)
- STMicroelectronics「Setting up free-fall recognition」(PDF)(加速度センサーが測る力と自由落下時の値)
- Bosch Sensortec「IMUs Overview」(IMUの定義)
- PX4「Sensor Hardware & Setup」(気圧計、IMU、コンパス、GNSS、オプティカルフローの役割)
- PX4「Controller Diagrams」(位置・速度・姿勢・角速度の多段制御)
- PX4「Architectural Overview」(センサーや処理ごとに異なる更新周期)
- DJI「Mini 4K / Mini 2 SE Specs」(下向きビジョンの精密ホバリング範囲)
- DJI「Mini 4K User Manual v1.0」(PDF)(下向きビジョンの条件、障害物を自動検知しない旨、RTHの条件)
- DJI「Drone RTH Logic」(機種・設定ごとに異なるRTH条件と通信喪失時動作)
- DJI「Mavic 3 Pro User Manual」(PDF)(ビジョン・赤外線が働かない場面、人の判断の代わりにならない旨)
- 国土交通省「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」
- シリーズ第1弾「飛ばなくてもわかる!ドローンのひみつ」
- シリーズ第2弾「ドローンの歴史を親子で探検!」
このブログをつくった会社について
SkyLink Japanは、測量・点検・農業・防災などの現場で使うドローンやロボットを、必要とする人へ届ける仕事をしています。このシリーズでは、技術が人の暮らしとどうつながるのかを、親子で考えるきっかけをお届けします。
※このブログは教育目的のコンテンツです。
BLOG REQUEST
次に読みたいブログを教えてください
「こんなドローン情報を知りたい」「この機種を比較してほしい」など、今後のブログへのご要望をお寄せください。
