ドローン飛行計画ソフト主要9種を徹底比較|2026年最新版

ドローン飛行計画ソフト徹底比較|UAV運用で本当に使いやすいミッションプランナーとは?

このブログについて
このブログは2026年8月時点で各ソフトウェアメーカーが公開している情報、および SkyLink Japan が実務で検証した範囲にもとづいて作成しています。ドローン飛行計画ソフトは対応機体・機能・ライセンス体系の変更が非常に速い分野です。導入検討にあたっては、必ず各メーカーの最新公式情報をご確認ください。また、価格は本稿執筆時点の公表値であり、為替・改定により変動します。

現場へ行く前、あなたはどの飛行計画ソフトで飛行ルートを作っていますか?

「機体には詳しいけれど、飛行計画ソフトはなんとなく付属のものを使っている」——実は、これがいちばん多いパターンではないでしょうか。

ですが、ドローンの飛行計画は、単にウェイポイントを並べる作業ではありません。設計次第で、次の5つが大きく変わります。

飛行計画で決まる5つのこと:安全性・効率・取得品質・飛行時間・リスク低減
図1:飛行計画で決まる5つのこと(作成:SkyLink Japan)

とくにUAV Survey(UAV測量)のように「取り直しが効かない」業務では、飛行計画の巧拙がそのまま原価に跳ね返ります。バッテリー1本ぶん余計に飛べば、その日の工程がひとつズレる。それが1現場で終わらないのが、産業用途の怖いところです。

近年、産業用ドローンの用途は急速に広がりました。写真測量、UAV LiDAR、橋梁・プラントのインフラ点検、送電線巡視、港湾・河川の測量、森林調査、災害対応——。

用途が広がれば、求められる飛行計画の性格も変わります。「1つのソフトですべて賄う」時代から、「用途に応じて飛行計画ソフトを選ぶ」時代へ移りつつあるのが現状です。

このブログでは、DJI Pilot 2/UgCS/QGroundControl/Mission Planner/Litchi/DroneDeploy/Autel Enterprise/DJI FlightHub 2/PIX4Dcapture Pro(提供終了)という主要9ソフトを中立的に比較し、そのうえで SkyLink Japan が産業用途の標準ソフトとして UgCS を採用している理由を、経験にもとづいて整理します。

対応機体・地形追従・料金・用途適性を、先に一覧で確認できます。

このブログでわかること

  • 飛行計画ソフトで何ができるのか、機能の全体像
  • 主要9ソフトの対応機体・特徴・向く用途・弱み
  • 保存版の大型比較表(対応機体/ミッション機能/ライセンスと用途適性)
  • 「地形追従に対応」の中身が3方式に分かれること
  • SkyLink Japan が UgCS を標準採用している理由と、その限界

飛行計画ソフト(ミッションプランナー)とは

飛行計画ソフト、いわゆるミッションプランナーとは、ドローンの飛行経路・撮影条件・カメラ/センサー動作を事前に設計し、機体へ転送して自律飛行させるためのソフトウェアです。地上局ソフト(GCS:Ground Control Station)と呼ばれることもあり、UAV 飛行計画の中核を担うツールにあたります。

手動操縦との最大の違いは再現性です。同じルートを、同じ高度・同じ速度・同じ撮影間隔で、いつでも誰でも再飛行できる。定期点検や経年変化のモニタリングでは、この再現性そのものが成果物の価値になります

飛行計画ソフトの主なミッションタイプ:Waypoint・Grid・Corridor・Orbit・Facade
図2:主なミッションタイプ。対象物の形に合わせて使い分けます(作成:SkyLink Japan)

飛行計画ソフトでできること(主な機能)

機能 内容
Waypoint任意の点を順に通過させる基本のルート。各点で高度・速度・ジンバル角度・撮影動作を指定できるものが多い。
Grid(エリア/面)ポリゴンを描くと、オーバーラップとGSDから測線を自動生成。写真測量・オルソ作成の基本。
Corridor道路・河川・パイプライン・送電線など線状構造物に沿った帯状の飛行。
Orbit / Circle対象を中心に円周飛行。鉄塔・煙突・タンクの全周撮影に使う。
POI(注視点)飛行中つねに指定点へカメラを向け続ける制御。
Terrain Following地形の起伏に追従して対地高度を一定に保つ。山地・法面・斜面での品質確保に必須。
KML / KMZ 読込発注者から支給された測量範囲や既存GISデータを、そのまま飛行範囲として取り込む。
DSM / DTM 利用数値表層モデル/数値地形モデルを読み込み、地形追従の精度を上げる。自社取得の高解像度DSMを使えるかが分かれ目。
3D表示立体表示でルートと地形・構造物の離隔を事前確認する。
Mission プレビュー/Simulation飛ばす前に経路と標高プロファイルを検証する。オープンソース系では SITL による本格的なシミュレーションも可能。
Battery Estimation / Flight Time必要バッテリー本数・飛行時間の見積り、バッテリー交換後のミッション再開。
オフライン運用地図・標高データを事前キャッシュし、圏外の山間部・洋上でも計画どおり飛ばす。

※ ここに挙げた機能がすべてのソフトに備わっているわけではありません。むしろ「どこまで備わっているか」がソフト選定の分岐点になります。

この章のポイント

飛行計画ソフトの本質は再現性。同じルートを同じ条件でいつでも飛び直せることが、定期点検やモニタリングでは成果物の価値そのものになります。

かつては Litchi が定番だった

数年前まで、DJI機で自律飛行といえば Litchi(ライチ)というのが、ある種の共通認識でした。

Litchi が支持された理由

  • 買い切り価格で導入できた(現在も日本の App Store では 4,000円 の買い切り。サブスクリプションではありません。※ネット上には「2,800円」という古い価格情報が残っていますのでご注意ください)
  • PC のブラウザ上で Mission Hub を使い、事務所でルートを作って現場で呼び出せた
  • Waypoint に加えて Orbit・Focus・Track・Panorama・VR など撮影表現の幅が広かった
  • Phantom / Inspire / Mavic といった当時の主力機に、ほぼ横断的に対応していた

現在の状況:DJI の SDK 方針変更により3系統に分裂

ここで「じゃあ今も Litchi でいいのでは」と思われた方に、少し込み入った話をします。

Litchi が使えなくなったわけではありません。ただし DJI のモバイルSDK方針の変更に合わせて、2026年8月時点では3つの系統に分かれており、機体ごとにどれを使うかが変わります(Litchi 公式フォーラムの対応機体一覧より)。

Litchi は3系統に分かれている:Litchi for DJI Drones・Litchi Pilot BETA・Litchi Hub
図3:Litchi の3系統(2026年8月時点/作成:SkyLink Japan)
系統 主な対応機体 実行方法・備考
Litchi for DJI Drones
(従来アプリ)
Phantom 3/4 系、Inspire 1/2、Mavic / Mavic 2、Mavic Air 2、Air 2S、Mini 2 など iOS / Android。フル機能。ただし M300 RTK 等の企業機は「公式サポート・検証の対象外」と明記
Litchi Pilot(BETA) Mini 3/4 Pro、Mavic 3 Enterprise 系、M30、M300/M350 RTK、Matrice 400、Matrice 4 系 Android 専用(最新SDKがiOS非対応のため)。現時点の実装は Waypoint と Follow が中心
Litchi Hub Mavic 4 Pro、Mini 5 Pro、Air 3 / 3S、Mavic 3 系 など Webで計画を作成し、飛行は DJI Fly 側で実行する間接方式

メリット

  • 買い切りでコストが読みやすい
  • Mission Hub / Litchi Hub による事前計画の作りやすさ。Google Earth Pro へのエクスポートによる3D確認、アカウント同期によるミッション共有にも対応
  • 個人・小規模事業者にとっての導入ハードルが低い

デメリット(産業用途で見た場合)

  • RTK に未対応。Litchi 公式フォーラムでは2026年時点でも「RTK は現状有効にならない。実装は優先度の高い課題だが作業は一時停止中」と回答されています。高精度測量には決定的な制約です
  • 地形追従が静的。標高データはウェイポイント地点に対して事前計算で反映されるのみで、飛行中はリアルタイムに対地高度を補正しません
  • 機体世代ごとに使うアプリが異なり、運用が複雑化する
  • 企業機への対応はベータ扱い、または非公式

結論として、Litchi は空撮・映像制作や小規模な現況把握には今も有力な選択肢です。一方で、測量成果や点検記録として提出する業務の主力に据えるには、慎重な検討が必要な段階にあります。

現在利用されている主な飛行計画ソフト

ここからは、2026年8月時点で現行提供されている主要なミッションプランナーを、メーカー公表情報にもとづいて紹介します。優劣を断定するものではなく、それぞれの設計思想と得意領域の違いとしてお読みください。

DJI Pilot 2

対応機体Matrice 400、Matrice 350 RTK、Matrice 300 RTK、Matrice 30 シリーズ、Matrice 4 シリーズ、Mavic 3E / 3T / 3M、Matrice 3D / 3TD。DJI 公式は「ディスプレイ付き送信機での使用に限定される」としています。民生機(Mavic 4 Pro、Air、Mini など)は DJI Fly が対象で、Pilot 2 では扱えません。

特徴DJI Enterprise 機の純正アプリ。ウェイポイント、エリア(2Dマッピング)、斜め撮影(Smart Oblique)、線状飛行(Linear)、幾何ルート、斜面ルート、Smart 3D Capture、巡回ルートと、ルート種別が非常に充実しています。地形追従は①内蔵 ASTER GDEM V3(30m解像度)②TIFF形式の DSM/DEM をインポート(EPSG:4326 / WGS84 の地理座標系のみ認識)③一部機体でのリアルタイム地形追従——の3方式。KMZ/KML のインポート・エクスポート、MapTiler によるオフライン地図、通信を遮断する Local Data Mode にも対応します。

向く用途DJI Enterprise 機を中心に運用する現場全般。とくに送信機一体で完結する機動性は大きな強みです。

弱みDJI 機専用であること。他社機・オープンソース系オートパイロット機とは併用できません。また、大画面での3Dルート可視化や3Dモデルを使った計画は、上位の FlightHub 2 側の役割とされています。

UgCS(SPH Engineering)

対応機体DJI Enterprise 機(Matrice 400 / 350 RTK / 300 RTK / Matrice 4 シリーズ / M30 / Mavic 3 Enterprise 系ほか)に加え、ArduPilot・PX4(MAVLink)系の機体、固定翼、Freefly、Inspired Flight、Acecore、Autel などをサポート。メーカーは100機種以上への対応を公称しています。

特徴PC(Windows / macOS)で動作するデスクトップ型のミッションプランナー。3Dインターフェース上で標高プロファイルを確認しながら計画でき、大容量 DEM のインポート、DSM を用いた地形追従(Smart AGL)、Photogrammetry / Area Scan、Corridor Mapping、Vertical Scan(ファサード点検)、Circle、KML / CSV インポートに対応します。SkyHub(機体搭載コンピュータ)と組み合わせた True Terrain Following では、電波/レーザー高度計によるリアルタイム計測で対地 0.5m までの低高度飛行が可能とされ、GPR(地中レーダー)・磁力計・音響測深機など特殊ペイロードの運用に用いられます。

向く用途広域の測量・地質物理探査・鉱山、UAV LiDAR、送電線・河川・港湾などの線状/複雑形状の案件。

弱み有償ソフトであること(永久ライセンス 166,430円〜/税込。詳細はFAQの価格表)。PC が必要で、機体接続には Android 側のコンパニオンアプリを併用する構成になります。また公式サイト上で日本語UI対応の記載は確認できず、UI は基本的に英語です(国内代理店による日本語サポート・日本語マニュアルは提供されています)。

QGroundControl

対応機体PX4 および ArduPilot 系。Windows / macOS / Linux / Android に対応します。

特徴オープンソースの地上局ソフト。Plan 画面で Survey(面)、Corridor Scan(回廊)、Structure Scan(構造物)、着陸パターンなどを作成できます。オフライン地図のキャッシュに対応。2025年7月に v5.0 が安定版としてリリースされ、2026年7月末に v5.1 の Release Candidate が公開されています。v5.1 ではプラン画面に地形プロファイルとミッション統計を表示する Mission Status パネルが追加されました。ライセンスは Apache 2.0 と GPLv3 のデュアルで、無償です。

向く用途PX4 / ArduPilot 系の自作機・研究用機体、大学・研究機関。

弱みSurvey でカメラ諸元から測線を計算する際、公式ドキュメントは「測量エリアの地面は平坦であると仮定される」と明記しています。起伏がある現場では別途 Terrain Following を有効にする設計ですが、その標高データは AirMap サーバを参照するため、実運用では事前検証をおすすめします。また DJI 機には対応しません。

Mission Planner(ArduPilot Mission Planner)

「ArduPilot Mission Planner」と呼ばれることもありますが、同一のソフトです。ArduPilot 公式の地上局ソフトで、開発は Michael Oborne 氏。UgCS の別名や、一般名詞としての「ミッションプランナー」と混同されやすいのでご注意ください。

対応機体ArduPilot を搭載したマルチコプター、ヘリ、固定翼、QuadPlane を含むVTOL、ローバー、ボート、潜水機など、非常に幅広い機体タイプ。

特徴Survey(Grid)によるポリゴンからの測線生成、ウェイポイント、KML および SHP ファイルの読込・保存、高度フレームの Relative / Absolute / Terrain 切り替え、そして SITL(Software In The Loop)シミュレーションを内蔵。パラメータ調整・ファーム書き込み・ログ解析まで一気通貫で行える点は、他に代えがたい強みです。GPLv3 の無償ソフト。

向く用途ArduPilot 機の設定・チューニング・試験飛行、研究開発、自作機運用。

弱み公式は Windows ネイティブ設計とされ、Linux では Mono 経由で動作するものの不具合が生じる場合があると案内されています(macOS については公式ドキュメントに記載がありません)。計画画面は2D中心で、標高グラフは表示できるものの、3Dでのルート設計機能は標準搭載されていません。UI 言語は有志翻訳ベースで、日本語の網羅度は公式に示されていません。

Litchi

前章のとおり、3系統に分かれています。買い切り価格と表現力の高さが魅力である一方、RTK 非対応静的な地形追従という2点が、産業用途では制約になります。

DroneDeploy

対応機体Phantom 4 系から Mavic 3 Enterprise、Mavic 4 Pro、Mini 5 Pro、Matrice 300 / 350 RTK / 400、Matrice 4 Enterprise、Anzu Raptor、Skydio X10 まで、飛行または処理の対象として幅広くカバーしています。対応コントローラは RC Pro Enterprise、RC Plus / RC Plus 2、RC-N2 など(DJI Smart Controller・CrystalSky は非対応)。

特徴撮影から解析・レポーティングまでをクラウドで一気通貫に扱うプラットフォーム。Terrain Aware Flight(地形追従。2026年4月に対象面積の上限が200エーカーから2,000エーカーへ拡大。ただし標高データは Mapbox 由来で、高解像度データが利用できる地域は限られ、日本は SRTM ベースの低解像度となります)、Corridor Flight、Crosshatch 3D / Perimeter 3D といった斜め撮影、パノラマ、Thermal 計画、Mission Chaining、オフライン飛行計画などを備えます。近年は空中だけでなく地上ロボティクス(Boston Dynamics Spot ほか)へも領域を広げています。

向く用途建設現場の定期進捗管理、土量計算、関係者との成果共有。解析まで含めた業務フロー全体を1社でまとめたい場合。

弱み年額サブスクリプションが中心で、恒久的な無料プランはありません(個人向け Flight & Analysis で 4,188 USD/年)。Android は 14 までの対応とされており、端末選定に注意が必要です。なお 2026年7月29日、Procore による約8億4,500万ドルでの買収が発表されました(2026年内クローズ予定)。製品は統合の方向とされていますが、中長期の製品戦略は今後の情報を確認する必要があります。

Pix4Dcapture / PIX4Dcapture Pro【※提供終了】

日本語の解説ブログではいまだ現役として紹介されることがありますが、Pix4D の飛行アプリは現在提供されていません。旧 Pix4Dcapture は2023年10月に、後継の PIX4Dcapture Pro は2025年7月31日をもってサポート・開発が終了し、アプリストアからも削除されました(同時に Pix4D 自社の Web ツール「Mission Planner」も終了しています。ArduPilot の Mission Planner とは別物です)。インストール済み端末では起動するものの、ベースマップは無効化され、オフラインマップ・地形追従・DEM 機能は利用できず、Pix4D 自身が安全上の理由から継続使用を推奨していません。

Pix4D は現在、処理ソフト(PIX4Dmatic / mapper / cloud など)を「撮影アプリ非依存」と位置づけ、代替の撮影アプリとして UgCS、Drone Harmony、Dronelink、QGroundControl などを公式サポート情報で挙げています。

Autel の飛行計画アプリ

Autel Robotics は用途別に複数のアプリを提供しています。Autel Enterprise(EVO Max シリーズ等向け、Smart Controller V3 にプリインストール)、Autel Explorer / Explorer V2(EVO I / EVO II 世代向け)、Autel Voyager(Dragonfish 専用)、Autel Sky(民生機向け)という構成です。

Autel Enterprise ではウェイポイント、矩形・ポリゴンミッション、コリドー、地形追従、垂直スキャン、スパイラル、傾斜撮影、KML インポートなどに対応しています。なお2026年3月3日、Autel は Autel Sky と Autel Explorer が Apple App Store からダウンロードできなくなったことを公式に発表しました。Autel は削除の理由を「米国の輸出管理コンプライアンス方針にもとづく Apple の一方的な措置」と説明し、復旧に向けて異議申立てを行っているとしています(Android 版は自社サイトから引き続き入手可能、既存 iOS ユーザーは使用継続可能)。iOS 中心の運用を検討される場合は事前確認をおすすめします。

その他の主要ソフト

  • DJI FlightHub 2:DJI のクラウド運用管理プラットフォーム。2.5Dマップ上での3Dルート可視化、3Dモデルを用いた計画、DJI Dock 連携、遠隔操縦に対応。無料の標準版に加え Business / Enterprise の有償プランがあります。
  • Drone Harmony:3Dインターフェースでの計画に強く、送電線・鉄塔・ソーラーパネルなど構造物点検を得意とします。価格は要問合せ。
  • Dronelink:DJI・Autel 機に幅広く対応。手動と自律を組み合わせたハイブリッド飛行、機体オフセットによるミッション位置合わせ(Adaptive Flight)が特徴。
  • ArcGIS Flight(Esri):GIS 連携重視、iPad 専用。旧「Site Scan Flight for ArcGIS Limited Edition」は2025年7月1日に廃止され、本製品が後継です。
  • Skydio:機体側の自律飛行が中核。Mission Planner、3D Scan、Keyframe など専用ソフト群を提供。

※ Propeller Aero は自社の飛行アプリを持たず、撮影は DJI Pilot 2 等で行う運用です。Emlid は GNSS 受信機・測位ソフトのメーカーであり、飛行計画ソフトとはカテゴリが異なります。

この章のポイント

この数年で、提供終了・買収・アプリ分割が相次いでいます。Pix4Dcapture Pro の終了、DroneDeploy の買収発表、Litchi の3系統化、Autel の App Store 削除——。ネット上の解説ブログは情報が古いことが多いため、導入検討時は必ずメーカーの公式情報をご確認ください。

飛行計画ソフト比較表

主要ソフトを3つの観点から整理しました。◎=標準で強い/○=対応/△=条件付き・限定的/−=非対応または該当なし/要確認=公式情報で確認できずを表します。
※ 2026年8月時点の各メーカー公表情報にもとづく整理です。仕様は変更される場合があります。

① 対応機体・オートパイロット

※ 表は横にスクロールできます(右端に「RTK運用」列があります)

ソフト DJI MAVLink PX4 ArduPilot 固定翼 VTOL 複数メーカー
横断
RTK
運用
DJI Pilot 2
UgCS
ArduPilot
/PX4系

100機種以上
QGroundControl
Mission Planner要確認
Litchi
未実装
DroneDeploy
地上機

処理のみ

処理のみ
Autel Enterprise
Dragonfishは
Voyager
PIX4Dcapture Pro2025年7月31日で提供終了(比較対象外)

② ミッション機能

※ 表は横にスクロールできます(右端に「Simulator/検証」「Offline」列があります)

ソフト Waypoint Grid
(面)
Corridor Facade
(垂直)
Orbit
Circle
Terrain
Follow
DSM
利用
3D
表示
KML
読込
Simulator
/検証
Offline
DJI Pilot 2
Linear

斜面/幾何

機体により
方式が異なる

WGS84のみ
UgCS
Smart AGL
/TTF

EXPERT〜

3Dプレビュー
標高プロファイル
QGroundControl
Structure

平坦仮定
の注意
Mission Planner
専用ツールの
記載なし

60m以上
推奨

SRTM

標高グラフ
のみ

KML/SHP

SITL内蔵
Litchi
静的・WP点
のみ

Hub
DroneDeploy
2D Orbit

Beta
Autel Enterprise
Spiral
要確認要確認

③ ライセンス・費用・用途適性

※ 表は横にスクロールできます(右端に用途適性の各列があります)

ソフト ライセンス体系 価格帯
(2026年8月時点)
動作環境 日本語 商用
利用
初心者
向け
測量
向け
LiDAR
向け
インフラ
点検
研究
用途
DJI Pilot 2 機体・送信機に付随 追加費用なし ディスプレイ付き送信機
UgCS 商用
(無償版 UgCS Open あり)
月額/年額/永久
永久ライセンス(税込)
PRO 166,430円
EXPERT 288,640円
ENTERPRISE 426,030円
初年度の日本語サポート込み
月額・年額のサブスクもあり
Windows / macOS
+Android コンパニオン

UIは英語/
国内販売分は
日本語サポート付
QGroundControl OSS
Apache 2.0 / GPLv3
無償 Windows / macOS / Linux / Android 要確認
Mission Planner OSS/GPLv3 無償 Windows 中心
(Linuxは Mono、macOSは非推奨)

有志翻訳

改変再配布時は
ソース公開義務
Litchi 買い切り
(アプリごと)
4,000円(日本のApp Store)
Litchi Pilot は別売
iOS / Android
(Pilot は Android のみ)
DroneDeploy 年額サブスクリプション
(無料プランなし・14日試用)
Flight & Analysis 4,188 USD/年〜
上位は要見積
iOS / Android(14まで)
+クラウド
要確認
Autel Enterprise 送信機にプリインストール 追加費用なし Autel Smart Controller V3 要確認

※「要確認」は、公式サイト上で明確な記載を確認できなかった項目です。誤解を避けるため、推測での記載は行っていません。導入前に各メーカーへご確認ください。

用途別に見る、飛行計画ソフトの選び方

機能数だけではなく、保有機体・地形・成果物・運用体制で選ぶことが重要です。

写真測量・面的測量

DJI Enterprise機だけで迅速に運用するならDJI Pilot 2、複数メーカー機や起伏地を横断するならUgCSを比較候補にします。

UAV LiDAR

対地高度と点密度を安定させる地形追従、DSM・DEM利用、特殊ペイロードとの連携可否を重視します。

インフラ・設備点検

単一機種の定型点検は純正アプリ、線状・垂直構造物や複数機種を扱う場合はCorridor・Vertical Scan等を比較します。

防災・災害対応

初動の速さは送信機一体型、平時の事前ルート整備や複数機種運用はPC型ソフトを含めて検討します。

対応機体・機能・ライセンスは更新されるため、導入前に最新仕様と実機での事前検証をご確認ください。

比較表の次に確認すること

比較表を見ても決めきれない場合は、機体と業務条件から絞り込みます

保有機体、センサー、現場の地形、必要な成果物を確認し、候補ソフトと事前検証項目を整理します。製品が決まっていない段階でもご相談いただけます。

産業用途では、何が重要になるのか

空撮と産業用途では、飛行計画ソフトに求めるものが根本的に異なります。ここでは SkyLink Japan が現場で「ここが効く」と感じている観点を整理します。

1. Terrain Following の“実効性”

写真測量では、対地高度が変われば GSD が変わり、オーバーラップも設計値から外れます。UAV LiDAR では、対地高度が変われば点密度が変わります。起伏のある現場で対地高度を一定に保てるかどうかは、成果品の品質そのものです。

ここで注意したいのは、「地形追従に対応」と書かれていても中身が違うことです。カタログの1行だけを見て選ぶと、現場で「思っていたのと違う」となりやすい部分でもあります。

地形追従の3方式比較:全球標高モデル・自社取得DSM・リアルタイム計測
図4:「地形追従に対応」の中身は3方式に分かれます(作成:SkyLink Japan)
  • 粗い全球標高モデルを使う方式(例:ASTER GDEM 30m、SRTM 100mグリッド):広域の概査には十分でも、細かい起伏や法面には追随しきれない。ArduPilot の公式ドキュメントは「典型的な精度は約10m」「60m以上の高度での飛行に適する」と明記しています
  • 自社取得の高解像度 DSM を読み込む方式:現場の実態に近い追従が可能。ただし対応する座標系・フォーマットに制約がある場合があります(DJI Pilot 2 は EPSG:4326 の WGS84 のみ認識)
  • リアルタイム計測方式:レーダー/レーザー高度計で実際の対地高度を測りながら飛ぶ。事前データの誤差に依存しない

橋梁、送電線、ダム、法面、森林——起伏や構造物が絡む案件ほど、この差は無視できません。

現場での実感|同じ「地形追従あり」でも、平坦地の造成現場と、谷筋を含む山林とでは結果がまったく違います。導入前に、いちばん条件の厳しい現場を想定して方式を確認しておくことをおすすめします。

2. 複雑なルートを“設計”できるか

港湾の岸壁、河川の堤防、送電線の径間、ダムの堤体。これらは単純な矩形グリッドでは収まりません。Corridor、Facade(垂直面)、Circle、そして手作業でのウェイポイント微調整——複数のミッションタイプを組み合わせて1つの現場を設計できるかが問われます。

3. 飛ばす前に検証できるか

産業用途の飛行は、やり直しが効きません。足場を組んだ橋梁点検、通行規制をかけた道路上空、洋上の限られた作業窓。3D 表示と標高プロファイルでルートの離隔を事前確認できること、研究開発用途では SITL のようなシミュレーション環境があることが、事故と手戻りを防ぎます。

4. 複数バッテリー・オフライン運用への対応

広域案件では1本のバッテリーで飛び切れません。必要バッテリー本数の見積りと、交換後の中断地点からの自動再開が備わっているかで、1日あたりの取得面積が変わります。あわせて、山間部・離島・洋上・災害現場など通信を確保できない現場では、地図と標高データを事前キャッシュしてオフラインで飛ばせるかが実務を左右します。

5. 機体が変わってもワークフローが変わらないか

見落とされがちですが、複数メーカー・複数機体を運用する事業者には大きな論点です。DJI 機はこのアプリ、固定翼はこのソフト、特殊ペイロード機はまた別——となると、教育コストもミッション資産の管理も分散します。1つのソフトで機体を横断できることは、組織としての運用コストに直結します。

なぜ SkyLink Japan は UgCS を採用したのか

ここまで各ソフトを並べてきましたが、「で、結局どうしているのか」が気になる方も多いと思います。SkyLink Japan 自身の話を書きます。

当社ではこれまで、DJI Pilot / DJI Pilot 2、Mission Planner、QGroundControl、Litchi、Pix4Dcapture をはじめとする複数の飛行計画ソフトを実際に導入し、案件や検証の中で使ってきました。

そのうえで、産業用途の標準ソフトとして UgCS を採用しています。営業上の都合ではなく、業務を回すうえで理由があります。以下、事実として確認できる範囲で整理します。

理由1|対応機体の幅が、事業の幅を規定しないから

UgCS は DJI Enterprise 機(Matrice 400 / 350 RTK / 300 RTK / Matrice 4 シリーズ / M30 / Mavic 3 Enterprise 系ほか)に対応しつつ、MAVLink 経由で ArduPilot・PX4 系の機体、固定翼機、各社の産業機もサポートします。メーカーは100機種以上への対応を公称しています。

これは実務上、「機体を増やすたびに新しいソフトを覚え直さなくてよい」ということです。案件ごとに最適な機体を選べる自由度が生まれます。

理由2|地形追従に、複数の選択肢があるから

UgCS では、DSM を用いた Smart AGL(EXPERT エディション以上)に加え、SkyHub と組み合わせた True Terrain Following が利用できます。後者は電波/レーザー高度計でリアルタイムに対地高度を計測する方式で、メーカーは対地 0.5m までの低高度飛行に対応するとしています。

さらに 2026年6月の UgCS 6.0 では、Smart AGL 2.0 として安全距離チェックが機体の側方にも拡張されました。谷筋や斜面沿いの飛行では、直下と前方だけ見ていても足りない——という現場感覚に沿った改良です。

理由3|LiDAR 案件で使う機能が揃っているから

EXPERT エディション以上では、LiDAR ツール、IMU キャリブレーション用の飛行パターン(8の字・往復)、トラジェクトリスムージング、測線端のループターン/バンクターン、コーナー半径調整といった、点群品質に直結する機能が用意されています。センサープロファイルは公式に DJI Zenmuse L1 / L2、Velodyne、RIEGL 等が挙げられており、カスタムプロファイルの作成により他社 LiDAR にも対応できます。

理由4|複雑な飛行計画を、PC の大画面で設計できるから

3Dインターフェース上で標高プロファイルを見ながらルートを組み、Corridor、Vertical Scan、Circle を組み合わせる。大容量 DEM を読み込む。KML / CSV で範囲を取り込む。こうした作業は、送信機の画面ではなく事務所の PC で落ち着いて行うほうが確実です。現場では、作った計画を呼び出して飛ばすだけにする。この分業が、ミスを減らします。

理由5|大規模案件・継続案件を想定した設計になっているから

UgCS 6.0 で追加された機能は、その性格をよく表しています。

  • Large Projects:広大なポリゴンを、サイト全体でグリッドの整列を保ったまま小区画に分割
  • Tie Lines:飛行計画の段階に QA/QC の検証を組み込む
  • Shift Right:現在の飛行グリッドを、過去の測線に合わせて再整列

いずれも「1日で終わらない案件」「毎年同じ場所を測る案件」を前提にした機能です。鉱山・地質調査の分野で鍛えられてきた製品であることが分かります。

理由6|特殊ペイロードとチーム運用に対応できるから

SkyHub と組み合わせることで、GPR(地中レーダー)、磁力計、音響測深機、メタン検知器、ガンマ線スペクトロメータといったカメラ以外のセンサーを、同期ジオタギング付きで運用できます。標準フォーマット(CSV / SEG-Y / NMEA-0183 等)でのオフライン記録に対応し、インターネット接続なしでデータを保持できる点も、機微なデータを扱う現場では評価されています。

また ENTERPRISE エディションでは、最大10機のマルチドローン運用、ミッションの共有と中央サーバー管理、ライブ映像ストリーミング、SDK アクセスが利用できます。属人化させず、組織の資産としてミッションを蓄積したい事業者にとって重要な要素です。

なお補足として、Pix4D が自社の飛行アプリ提供終了にあたって公開した公式サポート情報では、代替として利用できる撮影アプリに UgCS・Drone Harmony・Dronelink・QGroundControl などが列挙されています(ただし Pix4D 自身は「自社製でないアプリは検証しておらず、性能・互換性を保証しない」と明記しています)。

正直に書いておきたいこと
UgCS は万能ではありません。有償ソフトであり、UI は英語です。PC が必要で、DJI 機との接続には Android のコンパニオンアプリを併用します。操作を覚えるまでの学習コストも、送信機だけで完結する純正アプリより確実に高い。
DJI Enterprise 機だけを運用し、標準的なマッピングと点検で足りるのであれば、DJI Pilot 2 で十分に業務は回ります。実際、SkyLink でも案件によって使い分けています。UgCS が効いてくるのは、機体が複数メーカーにまたがる、地形が厳しい、LiDAR や特殊センサーを載せる、案件が大規模で継続する——といった条件が重なったときです。

UgCS が向いている業種

業種 主な活用シーン
測量会社写真測量・UAV LiDAR による地形測量、起工測量、出来形管理。起伏地での対地高度制御
建設会社土量管理、法面・切土盛土の定期計測、大規模造成地の継続モニタリング
電力会社・送電線点検Corridor Mapping による径間巡視、鉄塔の全周撮影、離隔木調査
ガス・通信インフラパイプライン・線路沿いの定期点検、埋設物調査(GPR との組み合わせ)
港湾・海洋岸壁・護岸の垂直面撮影、音響測深機を用いた浅水域の水深計測
河川・ダム管理堤防の縦断的な点検、堤体の3D計測、出水後の変状把握
森林・林業LiDAR による樹高・材積調査。起伏の大きい山林での対地高度一定飛行
大学・研究機関磁気探査・ガンマ線測定・地中レーダーなど、再現性を要する調査飛行
自治体・官公庁防災・災害対応の事前ルート整備、インフラ資産の定点継続観測
ドローンサービス会社複数メーカー機体を横断する受託業務。案件ごとに機体を選べる運用体制

こんな方には UgCS をおすすめします

  • DJI 機と、ArduPilot / PX4 系の機体を両方運用している
  • 固定翼機を含め、複数メーカーの機体でワークフローを統一したい
  • 山地・法面・森林など、起伏の大きい現場で対地高度を安定させたい
  • UAV LiDAR を運用しており、点密度の均一性と IMU キャリブレーションにこだわりたい
  • 送電線・河川・道路など、線状構造物の点検を定期的に受注している
  • 橋梁・ダム・岸壁など、垂直面や複雑形状の撮影計画を組む必要がある方
  • GPR・磁力計・音響測深機など、カメラ以外のセンサーを載せる予定がある方
  • 広域を複数日にわたって測る案件で、グリッドの整合を保ちたい方/毎年同じ場所を測り過去の測線と揃えて経年比較したい
  • 事務所の PC で計画を作り込み、現場では実行に専念する運用にしたい方
  • 複数パイロットのチームで、ミッションを組織の資産として共有したい
  • 通信圏外の現場で、オフラインでも計画どおり飛ばしたい

逆に、DJI Enterprise 機のみを運用し、標準的なマッピング・点検で完結するのであれば、まずは DJI Pilot 2 を使い込むことをおすすめします。無理に高機能なソフトを導入する必要はありません。

よくあるご質問(FAQ)

1飛行計画ソフトは、複数を使い分けるべきですか?

用途が限定されているなら1つで十分です。ただし、DJI 機と ArduPilot / PX4 系機体を併用する、固定翼と回転翼を使い分ける、特殊センサーを載せる——といった場合は、機体を横断できるソフトを軸に据えたほうが、教育コストとミッション管理の面で有利です。SkyLink Japan では UgCS を軸に、案件によって純正アプリを併用しています。

2Pix4Dcapture は今も使えますか?

いいえ。旧 Pix4Dcapture は2023年10月に、後継の PIX4Dcapture Pro は2025年7月31日に提供終了しています。アプリストアからも削除されており、インストール済み端末でもベースマップは無効化され、オフラインマップ・地形追従・DEM 機能は利用できません。Pix4D 自身が安全上の理由から継続使用を推奨していないため、代替ソフトへの移行が必要です。

3Litchi はもう産業用途には使えないのでしょうか?

用途によります。空撮・映像制作や、精度要求の高くない現況把握であれば、現在も有力な選択肢です。ただし2026年8月時点で RTK に対応しておらず(公式フォーラムで実装作業が一時停止中と回答)、地形追従も事前計算による静的なものです。測量成果や公的な点検記録として提出する業務の主力に据えるには、慎重な検討が必要です。

4Mission Planner と UgCS は何が違うのですか?

まったく別のソフトです。Mission Planner は ArduPilot 公式の無償地上局ソフト(GPLv3)で、パラメータ調整・ファーム書き込み・ログ解析・SITL シミュレーションまで行える開発者寄りのツール。Windows 中心で、計画画面は2Dです。UgCS は SPH Engineering の商用ソフトで、3Dインターフェースと地形追従、DJI 機を含む機体横断対応が特徴です。「ミッションプランナー」という一般名詞との混同にもご注意ください。

5DJI Pilot 2 で地形追従を使うには、何が必要ですか?

3つの方式があります。①内蔵の ASTER GDEM V3(30m解像度)を使う ②TIFF 形式の DSM/DEM をインポートする ③対応機体でリアルタイム地形追従を使う。②の場合、DJI 公式は「EPSG:4326 の地理座標系 WGS84 の DEM/DSM のみ認識する」と明記しています。投影座標系の DSM は読み込めないため、事前の座標系変換が必要です。

6UgCS は日本語に対応していますか?

公式サイト上で日本語UI対応の記載は確認できておらず、UI は基本的に英語とお考えください。ただし国内の取扱事業者による日本語サポートや日本語のリファレンス資料は提供されています。SkyLink Japan でも導入時の設定支援・操作トレーニングを日本語で対応しています。

7UgCS の価格を教えてください。無料で試せますか?

2026年8月時点の国内販売価格(永久ライセンス・税込)は次のとおりです。

エディション 価格(税込) 主な位置づけ
PRO166,430円RGBカメラでの写真測量が中心の方向け
EXPERT288,640円LiDAR運用・DSMを使った地形追従(Smart AGL)が必要な方向け
ENTERPRISE426,030円複数機の同時運用・ミッション共有・ライブ映像配信が必要な方向け

いずれも買い切りで、初年度の日本語サポートとアップデートが含まれます。2年目以降のサポート&アップデートは有料オプションです(継続は任意)。月額・年額のサブスクリプションもメーカーから提供されており、公表価格は PRO 109 USD/月・790 USD/年、EXPERT 189 USD/月・1,290 USD/年、ENTERPRISE 279 USD/月・1,990 USD/年です。

無償版「UgCS Open」もありますが、1日2ルートまで/1ルートの最遠点間250mまでという運用制限があるため、実務投入ではなく評価・学習用と位置づけるのが現実的です。最新の価格・改定状況、ご要件に合ったエディションについてはお問い合わせください。

8UgCS のエディションはどれを選べばよいですか?

おおまかな目安は次のとおりです。RGB カメラでの写真測量が中心なら PRO。LiDAR を運用する、DSM を使った地形追従(Smart AGL)が必要ならEXPERT。複数機の同時運用、ミッションの中央共有、ライブ映像配信が必要なら ENTERPRISE。判断に迷う場合は、実際の案件内容をお聞かせいただければ具体的にご提案します。

9Terrain Follow(地形追従)があれば、どんな地形でも安全に飛べますか?

いいえ。地形追従の精度は、参照する標高データの精度に依存します。全球標高モデル(SRTM や ASTER GDEM)を使う方式では、ArduPilot 公式ドキュメントが「典型的な精度は約10m」「60m以上の高度での飛行に適する」としているとおり、低高度飛行には不向きです。より高い精度が必要な場合は、自社取得の高解像度 DSM を用いるか、レーダー/レーザー高度計によるリアルタイム計測方式を検討してください。いずれの方式でも、送電線や樹木など標高モデルに現れない障害物は別途確認が必要です。

10MAVLink とは何ですか? 対応していると何が良いのですか?

MAVLink は、ドローンと地上局の間で使われるオープンな通信プロトコルです。ArduPilot や PX4 といったオープンソースのフライトコントローラが採用しており、MAVLink に対応した地上局ソフトであれば、メーカーの異なる機体でも同じソフトから計画・制御できます。自社開発機や研究用機体、固定翼機を扱う場合に重要になります。

11オープンソースの無償ソフトではダメなのでしょうか?

ダメということはありません。QGroundControl も Mission Planner も、開発が活発で信頼性の高いソフトです。研究機関や自作機の運用では第一選択になります。一方、受託業務として品質と納期を保証する立場では、①DJI Enterprise 機に対応していない ②起伏地では Survey の測線計算に平坦仮定が入るため Terrain Following の併用と事前検証が必要になる ③サポート窓口がコミュニティベースになる——といった点が判断材料になります。

12DroneDeploy が買収されると聞きました。影響はありますか?

2026年7月29日、建設管理プラットフォームの Procore が DroneDeploy を約8億4,500万ドルで買収すると発表しました。クローズは2026年内の予定で、現時点では手続き中です。両社は製品を廃止せず統合していく方針を示していますが、中長期の製品戦略や価格体系については、今後の公式発表を確認されることをおすすめします。

13飛行計画ソフトを変えると、これまでのミッションデータは移行できますか?

形式によります。KML / KMZ は多くのソフトで読み書きでき、飛行範囲の移行には使えます。ただしウェイポイントごとの詳細なアクション(ジンバル角度、撮影トリガー、速度変化など)はソフト固有の仕様に依存するため、完全には引き継げないことが一般的です。代表的なミッションで事前検証を行うことをおすすめします。

14ソフトを導入すれば、すぐに自動飛行を始められますか?

ソフトの導入と、安全に運用できる体制の構築は別の話です。100g 以上の機体は登録とリモートIDの搭載が必要です(係留飛行など一部例外あり)。加えて、DID上空・夜間・目視外・人や物件から30m未満といった特定飛行に該当する場合は、飛行許可・承認、飛行計画の通報、飛行日誌の記録が義務づけられます。ソフトによる自動飛行そのものを規制する規定はありませんが、実務では目視外飛行を伴うケースが多く、その場合は承認が必要です。これらの要件は使用するソフトにかかわらず変わりません。初回は必ず開けた場所で低リスクのミッションから検証することをおすすめします。SkyLink Japan では、機体・ソフトの導入から運用体制の構築までご相談を承っています。

まとめ|最適解は、現場によって変わる

このブログでは、DJI Pilot 2、UgCS、Mission Planner、QGroundControl、Litchi、DroneDeploy、Autel Enterprise ほか、主要なドローン飛行計画ソフトを比較しました。

最後に、ここまでの内容を1枚のフローチャートに整理しておきます。

飛行計画ソフトの選び方フローチャート
図5:飛行計画ソフトの選び方フローチャート(作成:SkyLink Japan)

整理すると、選定の軸はおおよそ次の3つに集約されます。

  • 運用する機体の範囲——DJI 機だけか、複数メーカー・複数方式にまたがるか
  • 現場の地形と対象物——平坦な面か、起伏や垂直構造物を含むか
  • 成果物に求められる精度と再現性——記録用か、測量成果・点検記録として提出するものか

SkyLink Japan では、これまで複数の飛行計画ソフトを実際に導入・検証してきました。その経験から、現在もっとも幅広い業務へ対応できるソフトとして UgCS を標準採用しています。機体を横断できること、地形追従に複数の選択肢があること、LiDAR や特殊ペイロードまで含めて1つのワークフローに収まること——この3点が、産業用途では効いてくると考えているためです。

もちろん、用途によって最適解は変わります。DJI Enterprise 機のみの運用であれば DJI Pilot 2 で十分ですし、ArduPilot 機の開発・チューニングなら Mission Planner に勝るものはありません。空撮表現なら Litchi、解析まで含めたクラウド一体運用なら DroneDeploy という選び方もあります。

大切なのは、カタログの機能数ではなく、自社の機体・現場・成果物に対して過不足がないかどうかです。

機体構成や業務内容に合わせた飛行計画ソフトのご提案、UgCS のエディション選定、導入後のトレーニングまで対応しております。お気軽にご相談ください。

飛行計画ソフトの選定・UgCS の導入をご検討の方へ

SkyLink Japan では、以下のご相談を承っています。

  • 保有機体・業務内容にもとづく飛行計画ソフトの選定相談
  • UgCS のエディション選定・機能のご説明
  • 導入時の初期設定、日本語での操作トレーニング
  • LiDAR・特殊ペイロードを含めたシステム構成のご提案
  • 既存ソフトからの移行にあたっての検証支援

保有機体と用途に合うソフトを相談する UgCS 製品ページを見る

関連ブログ・関連ページ

参考・出典

このブログは以下の各社公式情報(2026年8月時点)を参照して作成しています。
SPH Engineering(UgCS 製品ページ/リリースノート/ライセンス価格ページ/SkyHub 製品ページ)、DJI(対応アプリ一覧/DJI Enterprise Geospatial Solutions FAQ/Matrice 4 シリーズ リリースノート/Trust Center)、ArduPilot(Mission Planner ドキュメント/Terrain Following ドキュメント)、QGroundControl 公式ドキュメント、Litchi 公式サイト・公式フォーラム、DroneDeploy 公式(ヘルプセンター/価格ページ/リリースノート)、Procore プレスリリース(2026年7月29日)、Pix4D 公式サポート、Autel Robotics 公式サイト。

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