PIX4DシリーズがNETIS「-VE」認定|加点は維持、活用効果調査表は不要に(KT-230067-VE)

Pix4D株式会社の「モバイル端末による3次元計測ソリューション『PIX4Dシリーズ』」(NETIS登録番号:KT-230067)が、事後評価を経て登録区分「-VE」となりました。

施工者にとっての意味は明快です。公共工事で活用すれば工事成績評定の加点対象でありながら、活用後の「活用効果調査表」の提出が不要になります。加点はほしいが竣工間際の書類は増やしたくない、という現場にとっては最も扱いやすい区分です。

本記事では、「-VE」の正確な意味、加点と書類の実務、そしてカタログには書かれていない「精度を出すための前提条件」までを、PIX4D製品の正規販売代理店の立場で整理します。

NETIS「-VE」とは何か

NETIS(新技術情報提供システム)は、国土交通省が公共工事における新技術の活用を促進するために運営するデータベースです。登録された技術は、活用実績と事後評価の進み方に応じて、登録番号の末尾記号(区分)が変化します。

区分状態活用効果調査表
-A登録済み。事後評価はこれから提出が必要
-V旧実施要領に基づき評価済み提出が必要
-VR事後評価済み。継続調査が必要と判断提出が必要
-VE事後評価済み。継続調査等は不要と判断原則不要

「-VE」は、活用効果評価を実施した技術のうち、継続調査等の対象としないと判断された技術に付与される区分です。全国の整備局で活用実績が積み上がり、現場による効果のばらつきが小さく、従来技術より優れていることが確認された結果として、「今後の活用調査および事後評価は実施しない」とされたものです。

「有用な技術」との違い(混同されやすい点)

NETISには、本省が選定する「推奨技術」「準推奨技術」「評価促進技術」を指す「有用な技術」という別枠の呼称があります。これは事後評価の区分(-A/-V/-VR/-VE)とは選定の枠組みが異なります。

「-VE」は事後評価プロセスを完了した区分であり、発注者との協議では「継続調査不要の評価済み技術」として説明するのが正確です。呼称を混同すると発注者側の担当者に確認を求められることがあるため、提案書では登録番号(KT-230067-VE)と区分名で記載することをおすすめします。

施工者にとって何が変わるか

1. 工事成績評定の加点

新技術を施工者が提案し、実際に工事で活用した場合、その効果に応じて工事成績評定での加点対象になります(発注者指定型の場合を除く)。複数技術を活用した場合でも最大加点数は2点です。

2. 提出書類が減る

ここが「-VE」の実務上の最大のメリットです。

  • 「-A」「-V」「-VR」の技術は、活用効果調査表を提出しないと加点されません
  • 「-VE」の技術は、活用後の実施報告書・活用効果調査表の作成提出が原則不要

つまり「-VE」は、書類を出さずに加点対象になるという非対称なメリットを持ちます。竣工間際の事務負担が読めない現場ほど効いてきます。

3. 例外:調査表が必要になるケース

ご注意:「-VE」であっても、「フィールド提供型」「テーマ設定型(技術公募)」として活用する場合は活用効果調査表が必要です。また、活用当初に「-A」「-VR」だった技術が活用期間中に「-VE」へ変わった場合の扱いは、発注者および各地方整備局の技術事務所にご確認ください。

4. 手続きの流れ

令和4年4月1日以降、新技術活用計画書の作成から活用効果調査表の提出までは、原則としてオンラインで行います。活用にあたっては、施工計画段階で新技術活用計画書を作成し、発注者の承認を得る流れになります。

事後評価で評価された4つのポイント

従来、土木・建設現場の出来形管理(工事の仕上がり寸法が設計どおりかを測って記録する作業)や測量は、トータルステーション(TS)やGNSSレシーバーといった機器での計測と、手作業による集計が中心でした。PIX4Dシリーズはこの計測作業をモバイル端末中心のワークフローに置き換え、取得データをクラウドまたはデスクトップで自動的に3次元モデル化します。事後評価では、以下の4項目で評価を獲得しています。

  1. 経済性の向上 — 作業員1名で計測が完結するため、測量にかかる人員を削減できる
  2. 工程の短縮 — 3次元モデルが自動生成されるため、従来の集計作業の手間が大幅に減少する
  3. 施工性の向上(省力化・省人化) — 大型の専門機器の設置が不要で、短時間での計測が可能
  4. 品質・出来形の向上 — 高精度な測量データを3Dモデルとして可視化でき、土量などを正確に把握できる
スマートフォンで現場を計測するPIX4Dcatchの利用イメージ

現場の93%が継続活用を希望

Pix4D社の発表によると、全国の工事現場を対象にしたアンケートで「今後も是非活用したい」が65%、「活用を検討したい」が28%となり、合わせて93%の現場から継続活用への前向きな回答が得られたとされています。

日常的に使い慣れたモバイル端末を起点とするワークフローで、ここまでの実作業効果が裏付けられた点が、この評価の実質的な意味だと考えています。

PIX4Dシリーズの構成(NETIS登録技術の範囲)

「PIX4Dシリーズ」とは単体のアプリ名ではなく、データ取得 → データ処理 → 3次元モデル上での計測までを含む一連の地上写真測量ワークフローを指します。NETIS登録技術としての構成製品は以下のとおりです。

役割製品概要
データ取得PIX4Dcatchモバイル端末にインストールするだけで、専門知識がなくても3Dスキャンに適した画像・LiDARデータを取得できる無料アプリ
位置情報の取得viDoc RTK rover端末に装着することで、測量レベルの精度のジオロケーションを取得する外付けRTKローバー
クラウド処理・共有PIX4Dcloud取得画像をクラウドで高速処理し2D・3Dモデルを自動生成。URL共有で関係者との情報共有が容易
デスクトップ処理PIX4Dmatic大規模なドローン空撮・地上プロジェクト向けの高速・高精度な写真測量ソフト。クラウドにアップせず手元で処理できるため、機密性の高い案件にも対応
点群編集・図化PIX4Dsurvey点群からのCADデータ作成、土量計算など、測量成果物の作成に強い
汎用写真測量PIX4Dmapper長年の実績を持つ汎用フォトグラメトリソフト

この6製品すべてを導入する必要はありません。取得(catch+RTK)+処理(cloud または matic)が基本構成で、成果物の要件に応じて survey などを追加します。用途別の選び方はPIX4Dシリーズ 製品一覧・選び方をご覧ください。

PIX4Dcloudで生成された3次元モデルと計測画面

精度を出すための前提:RTK測位が必要です

ここは導入前に必ず押さえていただきたい点です。

「スマートフォンだけで測量ができる」と理解されることがありますが、出来形管理などで求められる精度を安定して得るには、RTK測位による高精度な位置情報が前提になります。NETIS登録技術としての構成に viDoc RTK rover が含まれているのは、そのためです。

RTK測位とは、衛星測位の誤差を基準局からの補正情報で打ち消し、位置をセンチメートル単位で求める方式です。カーナビなどの一般的なGPS(誤差数メートル)とは精度の桁が異なります。

端末単体(GNSSなし)での計測は、形状把握や記録には有効ですが、そのままでは測量成果としての精度は担保されません。導入検討の際は、以下をセットで考えてください。

  • RTKローバー:NETIS登録構成の viDoc RTK rover のほか、国内では PIX4Dcatch と組み合わせて使える Emlid Reach RX / RX2 という選択肢もあります(いずれの構成で申請するかは、事前に発注者・Pix4D社にご確認ください)
  • 補正情報の受信環境:ネットワーク型RTK(Ntrip)の契約、または基準局の設置
  • 対象と範囲の適性:構造物まわりや小規模土工は地上計測が得意な領域です。広域・大規模な土工はUAV写真点群測量やレーザー測量との併用が効率的で、条件によってはドローン計測のほうが短時間で終わります
  • 要領への準拠:出来形管理で使う場合は、適用される要領・基準の最新版と対象工種の範囲を、発注者とあわせてご確認ください

「どちらが向いているか分からない」という段階からのご相談で構いません。現場条件をうかがったうえで、地上計測とUAV計測のどちらが適切かをお伝えします。

SkyLink Japanができること

SkyLink Japan(株式会社WorldLink & Company)は、PIX4D製品の正規販売代理店です。ライセンス販売にとどまらず、以下まで一括でご支援しています。

  • 構成の設計と見積 — ソフトウェア+RTKローバー+補正情報まで含めた、現場条件に合う構成をご提案します
  • 導入後の操作トレーニング — 取得から成果物作成までのワークフロー習得を支援します
  • 3Dデータ処理・点群解析の受託 — 自社で処理しきれない案件は、データをお預かりして成果物としてご納品します
  • 機材レンタル — RTKローバーは購入前にレンタルで試すこともできます
  • 測量・計測ソリューション全体でのご提案 — 地上計測とUAV測量を組み合わせた最適解をご提示します

実機でのデモ、構成別のお見積り、点群処理の受託可否など、導入検討の初期段階からご相談いただけます。まずはお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。

よくある質問

Q. 「-VE」だと、工事成績評定の加点はなくなるのですか?
A. いいえ。加点の対象からは外れません。活用効果調査表の提出が原則不要になる、という点が変わります。「-A」「-VR」の技術は調査表を提出しないと加点されないため、書類面では「-VE」のほうが負担が軽くなります。

Q. 「-VE」でも調査表が必要になることはありますか?
A. あります。「フィールド提供型」「テーマ設定型(技術公募)」として活用する場合は必要です。発注者の指示を必ずご確認ください。

Q. スマートフォンだけで導入できますか?
A. 形状の記録や概略把握であれば端末とPIX4Dcatchだけでも可能ですが、測量精度が求められる用途ではRTKローバーが必要です。

Q. 認定を受けたのはSkyLink Japanですか?
A. NETIS登録技術の登録者はPix4D株式会社です。SkyLink Japanは同社製品の正規販売代理店として、国内での導入・運用をご支援しています。

出典・参考資料
  • 国土交通省 NETIS 掲載ページ「モバイル端末による3次元計測ソリューション『PIX4Dシリーズ』」(登録番号:KT-230067)
    https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=KT-230067
  • Pix4D株式会社 プレスリリース(2026年9月)「現場の93%が『次も使いたい』と評価!『PIX4Dシリーズ』がNETIS事後評価で最高水準『-VE』に認定」
  • 国土交通省 北陸地方整備局 北陸技術事務所「NETIS 新技術活用効果調査 記入要領」(種別記号による活用効果調査の要否区分)
  • 国土交通省 近畿地方整備局 近畿技術事務所「NETISについて」(工事成績評定での加点/「有用な技術」の定義)

※本記事の内容は公開日時点の情報に基づきます。制度の運用や登録情報は変更される場合がありますので、実際の活用にあたっては発注者および各地方整備局の技術事務所にご確認ください。

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