スイス・Wingtra社の広域測量・マッピング用VTOLドローン「WingtraRAY」を、SkyLink Japanとして初めて国内で飛行させました。その様子を動画でご紹介します。
WingtraRAYは、機体を垂直に立てて離着陸するテールシッター型の固定翼ドローンです。滑走路やランチャーを使わずに離着陸でき、上空では固定翼として効率よく巡航します。
1フライトあたりの最大飛行時間は59分(RGB・マルチスペクトルセンサー搭載時。LiDAR搭載時は45分)。写真測量では1フライトで最大550haの撮影に対応し、広大な現場のデータ取得から成果作成までを効率化します。一人での現場運用を想定した設計です。
WingtraRAYの特徴
垂直離着陸の扱いやすさと、固定翼の飛行効率を両立した機体です。造成地、採石場、山間部など、滑走路やランチャーを準備しにくい現場でも離着陸できます。巡航速度は最大22m/sで、限られた時間でも広い範囲のデータを取得できます。
搭載センサーは、広域写真測量用のRGB、植生下の地形を取得するLiDAR、植生解析用のマルチスペクトルから用途に応じて選択でき、工具なしで交換できます。取得したデータは、飛行計画からPPK処理、CAD/GIS向け出力までを一つの流れで扱えます。
なぜ広域測量にVTOLなのか
広い現場ほど、マルチコプター型では飛行とバッテリー交換の往復回数がかさみます。WingtraRAYは離着陸をマルチコプター型と同じ垂直方式で行い、巡航時は固定翼として最大22m/sで飛行します。Wingtra公式では、100haを約10分で取得でき、マルチコプター型ドローンと比較して約10倍、前世代のWingtraOne GEN IIと比較して約40%速いとされています。
一方で、狭い範囲の詳細点検や構造物への近接撮影は、マルチコプター型のほうが適しています。面積、必要精度、成果物から機体形式を選ぶのが現実的です。SkyLink Japanでは両方の形式を取り扱っていますので、現場条件に応じてどちらが適切かを含めてご提案します。
製造国とサプライチェーンという判断軸
WingtraRAYは、スイス・チューリッヒに本社を置くWingtra AGが開発・製造する機体です。近年、機体の製造国やサプライチェーンを調達条件に含める案件が増えています。
米国においてWingtraRAYは、NDAA準拠機として国防総省DIUのBlue UASリストおよびGreen UASの認定を受けています。これらは米国の制度であり、日本国内の調達要件への適合を示すものではありませんが、非中国製の広域測量機を検討する際の判断材料になります。国内の調達条件への適合可否は、案件ごとにご相談ください。
中国製ドローンの供給リスクと実務上の対応については、こちらの記事で整理しています。
主な仕様
| 機体形式 | テールシッター型VTOL固定翼ドローン |
| 最大飛行時間 | RGB・マルチスペクトル:59分/LiDAR:45分 |
| 最大カバー面積(1飛行) | 写真測量:550ha |
| 飛行速度 | 適応速度16〜22m/s |
| PPK絶対精度 | 3cm RMS(推奨ワークフローおよび条件下) |
| 最大連続風速 | 12m/s |
| 通信距離 | 見通し最大10km |
| 対応センサー | RGB写真測量、LiDAR、マルチスペクトル |
※数値は搭載センサー、飛行高度、オーバーラップ率、気象条件、PPK・基準局・GCP・解析条件等により異なります。550haはMAP61センサー、対地高度120m、GSD 2.7cm、サイドラップ60%の条件における値です。
国内での運用について
日本国内で飛行する際は、飛行場所、飛行方法、機体、運用条件によって必要な許可・承認や手続きが異なります。電波を含む国内提供構成・運用条件についても、案件ごとに確認のうえご案内しています。導入をご検討の際はお問い合わせください。
機体導入だけでなく、測量役務としてもお受けします
広域案件はあるものの機体導入の判断はこれから、という場合は、SkyLink Japanが測量役務としてお受けすることもできます。UAVレーザー測量、UAV写真点群測量に加え、3Dデータ処理・点群解析や数値図化・補備測量まで、成果物の形でご提供します。
機体を導入される場合も、PPK・基準局・座標系の設計から、PIX4Dシリーズなどの解析ソフトを含めた構成までご相談いただけます。
関連情報
- WingtraRAY 製品詳細ページ
- 中国製ドローンはいつまで使えるのか|レアアース輸出規制と部材供給リスクの実務対応【2026年版】
- UAVレーザー測量は何を選ぶべき?用途別に最適なセンサーの選び方を徹底比較【2026年版】
- 「PIX4Dシリーズ」がNETIS事後評価で最高水準「-VE」に認定されました
- 測量・計測ソリューション
業務活用にご興味があるお客様はお気軽にお問い合わせください。
※本記事の仕様は、Wingtra公式情報および当社WingtraRAY製品ページに基づきます。
BLOG REQUEST
次に読みたいブログを教えてください
「こんなドローン情報を知りたい」「この機種を比較してほしい」など、今後のブログへのご要望をお寄せください。
