ドローン散布で使える農薬の題名と、水田で農薬を散布する黄色いAC102のイメージ図

ドローン散布で使える農薬|種類・選び方・散布前の確認ポイント

ドローン散布で使える農薬の題名と、水田で農薬を散布する黄色いAC102のイメージ図

ドローン散布で使える農薬種類・選び方・散布前の確認ポイント

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いつも使っている農薬を、次の防除ではドローンで散布したい。そう考えたとき、最初に確かめたいのは機体の性能よりも、農薬のラベルです。

同じ製品でも、通常の散布とドローン散布では、希釈倍数や使用液量が大きく変わることがあります。農薬名だけでは、ドローンで使えるかを判断できません。

このブログでは、ドローン散布で使える農薬の見分け方、殺虫剤・殺菌剤・除草剤の違い、散布前に確認したい条件を、登録例とともに整理します。

まずは、入力と検索結果の例をご覧ください

下の2つの例で、使い方を確認できます。作物・病害虫・使う機械を入力すると、薬剤の候補と、薄め方・まく量・使える時期を調べられます。

検索結果に出てくる言葉
希釈倍数(きしゃくばいすう)
農薬を何倍に薄めるかを示します。
散布液量
まく薬液の量です。農薬と水を合わせた量を指します。
10a(10アール)当たり
1,000m²の面積にまく量を示します。
例1|作物・病害虫から探す

稲のウンカ類幼虫を、ドローンで防除したい

入力する条件
作物・対象
稲/ウンカ類幼虫
機械・方法
農業用ドローン無人散布・滴下の登録
薬剤名
空欄のまま候補を探す
所在地
静岡県 静岡市
表示される検索結果

国の登録条件から、候補の1つを紹介

アプロードモンカットエアー

登録番号22916|稲・ウンカ類幼虫

希釈倍数8倍
散布液量0.8 L10a当たり(800 mL)
使用方法
無人航空機による散布
使用時期
収穫14日前まで
本剤の回数
4回以内
ドローンで使えるかを確認ドローンの散布装置が、この剤型・液量に対応するかを確認します。
例2|いつもの薬剤名から探す

同じ薬剤を、XAG R200で散布する条件を調べたい

入力する条件
作物・対象
稲/ウンカ類幼虫
機械・方法
XAG R200機器指定のない「散布」
薬剤名
アプロードモンカットエアー
所在地
静岡県 静岡市
表示される検索結果

国の登録条件から、1件を紹介

アプロードモンカットエアー

登録番号22916|稲・ウンカ類幼虫

希釈倍数1,000倍
散布液量60〜150 L10a当たり
使用方法
散布
使用時期
収穫14日前まで
本剤の回数
4回以内
R200で使えるかは別途確認この登録だけで使用可とは判定しません。ノズル・剤型・必要液量をメーカーと照合します。
所在地を選ぶと、地域の資料も確認できます

この例では、静岡県の防除基準・確認先と、稲について確認できた自治体の推奨・採用例を表示します。地域資料は、国の登録条件や特定機種への適合とは分けて確認できます。

2026年10月4日確認の登録条件を使った表示例です。実際の検索では、ほかの候補や有効成分ごとの総使用回数も確認できます。使用前には最新の登録・製品ラベル・機器の条件を照合してください。自治体の推奨・採用例は、確認できた資料の範囲を掲載しています。

出典・参考資料

自分の作物や機械で調べるには、無料の利用登録が必要です。

無料登録して薬剤を探す下の登録フォームに、お名前・農園名・メールアドレス・田畑の場所・作物・検討中の機械を入力してください。

圃場の条件から探す

自分の圃場に合う薬剤候補を見つける

作物・病害虫・散布する機械で、登録された使用条件を絞り込めます。地域の推奨・採用例と、散布前に確認したい条件も合わせて確認できます。

  1. 1農家情報を登録
  2. 2圃場の条件を選ぶ
  3. 3候補と使用条件を確認

利用状況を確認しています…

まず押さえたい3つのポイント
  • 作物・防除対象・使用方法まで、登録された条件を一組で確認する。
  • 希釈倍数と10a当たりの使用量は、両方を確認する。
  • 農薬の条件に加え、機体の取扱説明書と当日の周辺環境も確認する。

ドローンで使えるかは、使用方法から確かめる

水田のそばで農業用ドローンを操作する作業者
散布の準備は、農薬の登録条件と圃場の状況を確かめるところから始まります。

農林水産省は、使用方法、希釈倍数、使用量などを農薬登録の範囲内で守れる場合に、ドローンで散布できると説明しています。液剤の高濃度・少量散布では、次の使用方法が登録されているかを確認するのが基本です。

  • 無人航空機による散布
  • 無人航空機による滴下
  • 無人ヘリコプターによる散布
  • 無人ヘリコプターによる滴下

ただし、「無人」と書かれていなければ、すべて使えないというわけではありません。粒剤などで機器の指定がない「散布」「全面土壌散布」等も、登録された使用方法・量などを守れる場合にはドローンを使用できます。農薬の剤型と登録内容に沿って判断します。

紹介文の「空中散布」だけで判断しない

製品紹介などに「空中散布」と書かれていても、その言葉だけでは使用条件は分かりません。実際に使う農薬の登録表で、使用方法の名称と、その行に並ぶ希釈倍数・使用量などを一緒に確認してください。

出典・参考資料

XAG無人車では、地上散布の条件を確認する

XAG R100/R150/R200の導入を考えている方は、地上散布に登録された使用条件を確認します。同じ薬剤でも、ドローンと地上の散布機では、参照する使用方法・希釈倍数・使用液量が異なります。

農薬の登録があるだけで、特定の機種で使えると確定するものではありません。機器の指定がない「散布」の登録を出発点に、対象作物、防除対象、ノズルや剤型、散布量、農薬メーカーの使用条件を照合します。使用方法が不明な場合は、農薬メーカーと機器メーカーの双方に確認してください。

地域の防除を考える際は、自治体が公表する防除情報や推奨・採用例も参考になります。農薬そのものの登録は国の制度です。自治体の推奨・採用例を、全国共通の使用許可や、特定機種への適合認定として読み替えないことが大切です。

水稲以外にも広がる農薬の選択肢

ドローン散布を考える際、水稲の防除がまず思い浮かぶかもしれません。登録は野菜、いも類、豆類、果樹などにも広がっています。

1,562件2026年4月1日時点のドローンに適した農薬の登録数

農林水産省が公表した集計。作物や防除の目的に合わせた選択肢が広がっています。

その前の2024年度末は1,461件で、作物区分別の内訳は次のとおりです。

稲・麦類
582件
野菜類等
450件
いも類
142件
豆類
84件
果樹類
70件
その他
133件

上の内訳は2024年度末の数値です。2026年4月1日時点の合計とは集計時点が異なります。

一方、この合計は農林水産省の分類に沿った登録数です。すべての圃場で使える製品数を表すものではありません。実際の選定は、自分の作物と防除対象まで絞って行います。

出典・参考資料

防除する対象で、農薬の種類を選ぶ

ドローンに対応しているかを調べる前に、何を防除したいのかを明確にします。害虫、病気、雑草では、選ぶ農薬も散布の方法も変わります。

1.殺虫剤・殺虫殺菌剤:害虫や病害を防ぐ

殺虫剤はウンカ類やカメムシ類などの害虫を防除するために使います。製品によっては、殺虫と殺菌の両方の機能を持ちます。

例えばアプロードモンカットエアーは殺虫殺菌剤です。稲のウンカ類幼虫、ツマグロヨコバイ幼虫、紋枯病に対し、「無人航空機による散布」の登録があります。単に「殺虫剤」とまとめず、対象と用途を確認したい製品です。

2.殺菌剤:対象の病気まで確認する

殺菌剤は、いもち病や紋枯病などの病害を防除するために使います。病名が似ていても、登録された対象が同じとは限りません。

ガルーダフロアブルでは、稲のいもち病、稲こうじ病、穂枯れ(ごま葉枯病菌)に対して、「無人航空機による散布」が登録されています。

3.除草剤:「散布」と「滴下」を区別する

水田の雑草防除には、薬液を霧状に散布する方法のほか、薬剤を水田へ滴下する方法もあります。

ぞっこんフロアブルは、移植水稲の一年生雑草やホタルイ、ミズガヤツリなどを対象に、「湛水散布又は無人航空機による滴下」が登録されています。機体側も、その使用方法に対応した装置と設定を確認する必要があります。

ここで挙げた製品は、登録の読み方を説明するための例です。使用する際は、対象作物・病害虫等・使用時期などを含む最新の登録内容と製品ラベルを確認してください。

出典・参考資料

同じ農薬でも、希釈倍数と液量は変わる

ドローンは、地上の散布機と比べて搭載できる薬液量が限られます。そのため液剤では、高濃度・少量で使用する登録が多く見られます。

アプロードモンカットエアーの稲への登録を例にすると、使用方法によって次の違いがあります。

散布

希釈倍数 1,000倍
使用液量 60~150L10a当たり

無人航空機による散布

希釈倍数 8倍
使用液量 0.8L10a当たり

これは、この製品に登録された条件の比較です。ほかの農薬にも同じ倍率や液量を当てはめることはできません。タンク容量に合わせて、自己判断で濃くする使い方は避けてください。

調製前には希釈倍数を、機体の設定時には面積当たりの使用量を確認します。二つを別々に見ると、濃度は正しくても散布量が合わない、といった食い違いを見落としかねません。

出典・参考資料
  • 農林水産省 農薬登録情報提供システム「アプロードモンカットエアー」。稲の「散布」「無人航空機による散布」における希釈倍数と使用液量。確認日:2026年10月4日。

散布前にそろえたい5つの確認

水田の上を飛行する黄色い農業用ドローンと周辺の住宅や樹木
水田の周辺には住宅や樹木もあります。農薬の条件に加え、飛行経路と周辺への配慮を確認します。

製品名が分かったら、登録表の同じ行を横にたどって確認します。一つの条件だけが合っていても、そのまま使えるとは判断できません。

  1. 作物が登録対象に含まれているか

    稲の登録を、そのまま麦や大豆へ読み替えることはできません。栽培する作物名を確認します。

  2. 防除したい病害虫・雑草が対象か

    同じ作物でも対象は製品ごとに異なります。病害虫の種類や、幼虫などの対象段階まで確認します。

  3. 実施する使用方法と登録が合うか

    散布、滴下、粒剤の散布など、実際の作業方法を登録内容と照らし合わせます。

  4. 希釈倍数と面積当たりの使用量が合うか

    何倍に希釈するかと、10a当たり何L・何g使うかを一緒に確認します。

  5. 使用時期・回数と過去の使用履歴が合うか

    「収穫○日前まで」「○回以内」などの条件を確認します。同じ有効成分を含む他の製品も含め、成分ごとの総使用回数を確認してください。

登録情報は、最新のデータで調べる

農林水産省の農薬登録情報提供システムでは、製品名や作物から登録内容を確認できます。使用方法、希釈倍数、使用量、使用時期、使用回数まで調べられます。

液剤などでドローンに適した登録を探す場合は、「様々な項目から探す」で使用方法に「無人」を入力し、作物名を指定する方法があります。ただし、この検索だけでは機器指定のない粒剤等を網羅しません。候補が見つからない場合も、剤型と使用方法を確認します。

見つけた登録は、製品ラベルと照合する

登録情報は更新されます。以前の一覧や製品紹介だけに頼らず、散布前に最新の情報と手元の製品ラベル・注意事項を照合してください。条件の読み方が不明な場合は、農薬メーカーや指導機関に確認します。

出典・参考資料

農薬と機体の条件を、現場でつなぐ

使える農薬が決まっても、散布の準備はそこで終わりません。飛行高度、速度、散布幅、ノズル、散布量、飛行間隔は、使用する機体の取扱説明書に沿って設定します。

農林水産省の安全ガイドラインも、機体メーカーが示す散布方法を参考に散布するよう説明しています。よく見かける「作物上2m以下」という目安は、メーカーの散布方法が取扱説明書等に記載されていない場合の条件です。すべての機体に一律に当てはめるものではありません。

当日は風向・風速を確認し、周辺の住宅、他の作物、水域などへの飛散を避けます。防護具の着用、散布後の機体・器具の洗浄まで含めて、一連の作業として準備することが大切です。

出典・参考資料

ドローン散布の省力化を現場で生かすには、農薬の登録条件と、機体の設定をつなぐ準備が欠かせません。

次の防除を検討するときは、候補の農薬について5つの条件をそろえ、圃場ごとの散布計画と使用履歴に残すところから始めてみてください。SkyLink Japanも、機体の選定とあわせて、その現場でどう運用するかを大切にしています。

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