親子で学ぶドローン第2弾。スカイ博士とひなたが、昔の実験機と現代のドローンを見ながら100年の歴史を探検するイラスト。

ドローンの歴史を親子で探検!なぜ今の形になった?100年のなぞを解く年表

前回は「なぜ飛ぶか」。今回は「なぜこの形になったか」を、100年の歴史から考えます。
第1弾「飛ばなくてもわかる!ドローンのひみつ」を読んでいなくても、ここから楽しめます。

空に止まっているように見える、小さなドローン。ところが、よく似た4つのローターを持つ機械は、100年以上前にもありました。形を思いついたのは昔なのに、家族で動画を見たり、仕事に使ったりする道具になったのは、ずっと後です。その間に、何が変わったのでしょう。

今日は工作の代わりに、時代を行き来する調べ学習です。年号を覚えるより、「それができたから、次に何ができた?」を探してみてください。

今回のナビゲーター

スカイ博士

スカイ博士:ドローン研究ひとすじ40年。「なぜだと思う?」と問いを返します。

ひなた

ひなた:小学4年生。口ぐせは「なんで?やってみたい!」。みんなの代わりに、気になることを聞きます。

第1章 「ドローン」の名前はハチから?

ひなたひなた

博士、ドローンって、だれかが考えた新しい名前なの?

スカイ博士スカイ博士

英語には昔から、オスのハチを表す「drone」という言葉があるんじゃ。飛ぶ機械とハチ。なぜ同じ名前になったと思う?

ひなたは「ブーン」という音を思い浮かべました。たしかに、似た音に聞こえることがあります。でも、音が似ているから名づけられた、と決めつけることはできません

無人の飛行機が軍の標的機と結びついて使われるなかで、この呼び名も広まったと言われています。標的機とは、訓練の目標に使う飛行機です。名前の広がり方には諸説があり、ハチの意味があることと、機械の命名のいきさつは分けて考えます。ハチの展示解説言葉の歴史

名前が違うのは、見ている範囲が違うから

図書館やインターネットでは「UAV」「UAS」という名前も見つかります。別々の発明というより、何を指すかをはっきりさせる言葉です。

呼び方 何を指す? 覚え方
ドローン 人が乗らない飛行機などの、広く使われる呼び名 ふだんの名前
UAV/UAS UAVは無人の飛行機。UASは操縦装置や通信なども含む仕組み 機体を見るか、仕組み全体を見るか
無人航空機むじんこうくうき 日本の航空法で、構造や飛ばし方、重さによって範囲を決めた言葉 ルールを確かめるときの名前

身近な呼び名と法律の名前は、ぴったり同じ範囲ではありません。たとえば、とても軽いおもちゃもドローンと呼ばれますが、航空法では重さによる区別があります。詳しくは第6章で見てみましょう。

クイズ 1

ドローンに関係する「UAS」が表す範囲は?

  1. プロペラだけ
  2. 機体と、操縦や通信などの仕組み
  3. オスのハチだけ
答えを見る

答え:2。 UASは飛ぶ機体だけでなく、安全に動かすための周りの装置なども含みます。同じ空の道具でも、どの範囲を見るかで言葉を使い分けます。

第2章 100年前にも、無人で飛ぶ機械はあった

いまから100年以上前、人が乗らずに飛ぶ機械を作ろうとした人たちがいました。米国には1918年の無人機の飛行試験の記録があります。1930〜40年代には、地上から無線で操縦する標的機も使われていました。多くは軍事目的でしたが、ここでは「人が乗らずに動かす」という技術に目を向けます。米国空軍博物館RAF Museum

「無人で飛ぶ」と「4つのローター」は別の話

もう一つ、別の流れがありました。1922年、ジョージ・ド・ボテザットの4ローター実験機が飛びました。ただし、これは操縦する人が乗る機体です。現在の小型ドローンそのものではありません。当時の飛行記録米国空軍の歴史解説

ひなたひなた

え、100年前に4枚のがあったの? じゃあなんで広まらなかったの?

スカイ博士スカイ博士

いいところに気づいたね。正確には、羽根が4枚ではなく、回る装置のローターが4つじゃ。形があっても、思いどおりに飛ばし続けるのは難しかったんじゃよ。

当時は大きな機械を使い、人が操縦していました。実験機の開発計画はやがて終わり、その形のまま身近な道具として広がることはありませんでした。図で似て見えても、現代の機体とは大きさも、動力の伝え方も、操縦を助ける仕組みも違います。

1922年の有人4ローター実験機と現代の小型ドローン。骨組み・操縦席のある機体と、電子制御・カメラを備える小型機の比較イメージ。
図1|4つのローター、100年の変化。仕組みを伝えるイメージ図で、実機の厳密な復元・縮尺比較ではありません。画像をタップすると拡大できます。

「人が乗らずに動く」という流れと、「複数のローターで浮く」という流れ。この2本が、後に小さな電子部品と出会います。昔の人が形を思いつかなかった、という話ではないのです。

クイズ 2

1922年の4ローター実験機と、今の小型ドローンについて正しいのは?

  1. 当時から同じスマホ部品を使っていた
  2. 当時の実験機にも人は乗っていなかった
  3. 形に共通点はあるが、当時の実験機には人が乗っていた
答えを見る

答え:3。 4ローターという形の歴史と、無人化の歴史は別々に始まりました。外見だけで同じ種類の機械だと決めないことが、調べ学習のコツです。

第3章 なぜ小さな4ローター機は、すぐに広まらなかった?

第1弾の「なんで昔からドローンがなかったの?」という、ひなたの質問を覚えていますか。博士は、小さくて速いコンピューターとセンサーが安くなった、だいたい2010年ごろ、と答えました。

ここで、その答えをもう少し正確にします。昔から無人機はありました。2010年ごろに身近になり始めたのは、一般の人も使える小型マルチコプターです。約100年の隔たりは、「無人機がなかった時間」ではありません。

ひなたひなた

形は前からあったんだね。なんで、2010年ごろに小さくできたの?

スカイ博士スカイ博士

なぜだと思う? 前回の4つのモーターの話を思い出そう。風でかたむいた瞬間に、どのモーターをどれだけ変えるか。機体の中に、その仕事をする助っ人が必要なんじゃ。

機体は「感じる→計算する→モーターへの指示を変える」を、すばやく繰り返します。1秒間に何百回もの細かな調整です。回数は機体や仕組みによって違いますが、人がその一つ一つを手で操作する代わりに、機体の中で行います。

屋外で位置を保ちながら撮影できる小型機を作るには、主に次の4つが必要でした。昔は、それぞれに「大きすぎる」「重い」「高い」といった壁が残っていたのです。

1 姿勢を感じる部品が、小さくなった

目をつぶっても、体がかたむいた感じは分かりますね。ドローンでは、ジャイロが回転の変化を測り、加速度センサーが動きや重力に関わる情報を測ります。その情報を組み合わせて、姿勢しせいを調べます。

昔の航空機用の装置をそのまま載せると、小型機には大きすぎたり高すぎたりしました。MEMSメムスという、とても小さな構造を半導体に作る技術で、数mmほどの部品でも測れるようになりました。軽くなれば、飛ばすための負担も減ります。

ひなたひなた

博士、日本の会社も、早くから4つのローターの機体を作っていたの?

スカイ博士スカイ博士

そうじゃ。日本のキーエンスは、1989年に「ジャイロソーサ」という4ローターの機体を発売したんじゃ。JAXAも、後のマルチローターの先駆けとして紹介しておる。スマホが広まる前から、日本にもこんな挑戦があったんじゃよ。

キーエンスの歩みも、ドローンの歴史の一つです。 ただし、機体を発売したことと、ジャイロセンサーそのものを初めて発明したことは別の話です。ここでは「1989年に登場した、後のマルチローターの先駆け」として覚えておきましょう。JAXAの解説

2 考える部品が、間に合う速さになった

感じるだけでは、かたむきは直りません。マイコンという小さなコンピューターが、センサーの数字を読み、次の指示を計算します。小さくても速く働く半導体が、安く手に入るようになったことが大切でした。

ただの計算の速さ比べでもありません。必要な仕事を時間どおりに繰り返せることが重要です。どう直すかを決めるプログラムと、指示どおりにモーターを動かす電子回路も、いっしょに育ちました。

3 電池が、軽さと力を両立してきた

大きな電池なら安心、とは限りません。電池を増やせば機体が重くなり、浮くためにもっと力がいります。小型電動機には、軽く、必要なときに大きな電流を出せる電池が必要でした。

リチウムイオン電池の仲間で、リチウムポリマー電池、略してLiPoリポと呼ばれる電池も、その役目を担いました。同じ仲間でも、スマホ用の電池をそのまま飛行用に使えるわけではありません。モーターを動かすのに合った仕様が必要です。

4 位置を知る部品が、屋外飛行を助けた

かたむいていなくても、風で横へ流されることはあります。そこでGPSジーピーエスなどのGNSSジーエヌエスエスが役立ちます。宇宙の人工衛星から届く信号で、自分の位置を調べる仕組みです。

GPSは以前から民間でも使われていました。2000年には、民間向け信号の精度をわざと下げる仕組みが止められ、使いやすくなりました。受信機も小さくなり、屋外で同じ位置を保つ助けになりました。なお、屋内などで飛ぶ機体には、GPSを使わずカメラなどを頼りにするものもあります。GPSの精度改善

4つの進歩をつないだ、大きな市場

この部品づくりを、ぐっと後押しした身近な製品があります。スマートフォンです。向きを感じ、計算し、電池で動き、地図に位置を出す。ドローンと共通する仕事がたくさんあります。

多くの人が使う製品向けに部品を大量に作れば、1個あたりの製造費を下げやすくなります。自動車、パソコン、模型などで育った技術も合流しました。ドローンは、スマホと部品技術を分け合う乗りものだったのです。

図は横にスクロールできます →

4つの部品がそろった時期を重ねた年表センサー、マイコン、電池、GNSSの改良が重なり、2010年ごろから一般向け小型マルチコプターが広がりました。GNSSはすべての機体の必須部品ではありません。別々の進歩が、小型ドローンにつながった技術の重なりを示す概念図/価格・性能の実測グラフではありません1990年代2000年代2010年ごろ2010年代へ姿勢センサー1995年:MEMS量産の例2010年:スマホにも3軸ジャイロマイコン小型・高速の半導体と飛行を支えるプログラムが発達電池1991年:Li-ion電池市販軽量・高出力の電池を飛行へGPS/GNSS2000年:GPSの精度改善受信機の小型化・屋外位置保持ここで、身近な小型ドローンの普及へスマホなどの量産市場 + 模型・自動車・ソフトウェアの技術
図2|小さく、軽く、買いやすく。4つの条件が重なった時期の概念図です。各線の始点は発明年を意味しません。
スカイ博士スカイ博士

発明とは、まったく新しいものを思いつくことだけではない。バラバラにあったものが、ちょうど良い値段でそろう瞬間を待つことでもあるんじゃ。

ひなたひなた

じゃあ、わたしのおうちのスマホと、ドローンって親せきなんだ!

クイズ 3

ジャイロだけを小さく安くすれば、小型ドローンは完成する?

  1. ほかの部品やプログラムも必要
  2. 電池がなくても完成する
  3. 操縦や安全の仕組みは不要になる
答えを見る

答え:1。 姿勢を感じても、計算やモーターへの指示、電力がなければ飛べません。いくつもの条件がそろうことが、普及につながりました。

クイズ 4

GPSについて正しい説明は?

  1. 2000年に初めて民間で使えるようになった
  2. どんなドローンにも必ず必要
  3. 2000年に民間向けの意図的な精度低下が止められた
答えを見る

答え:3。 民間利用は、それより前からありました。GPSは屋外で位置を知る助けになりますが、屋内などでは別の方法も使われます。

第4章 日本の田んぼには、先に無人ヘリがいた

スマホが広まるずっと前、日本の田んぼには、人が乗らないヘリコプターがありました。農薬をまく作業を助ける農業用無人ヘリコプターです。ヤマハ発動機のR-50は1987年に完成し、農林水産省は1991年を無人ヘリによる空中散布の現場導入年としています。メーカー沿革農林水産省資料

ひなたひなた

スマホがなくても、仕事をしていたんだ! 何に困っていたの?

スカイ博士スカイ博士

広い田んぼを歩き、重い道具を持って薬をまくのは大変じゃ。先に「助けたい仕事」があって、それに合う機械を作ったんじゃよ。

農業用無人ヘリには、薬剤を積む力、田んぼで使える丈夫さ、操縦を学ぶ仕組みが必要でした。おもちゃのような値段や小ささを目指すのとは、違う道です。高い専門性が必要でも、作業の負担を減らせれば、仕事として使う理由が生まれます。

日本の無人ヘリと、後から広がるマルチコプター

時期 日本・世界での節目 何が変わった?
1987年・日本 農業用無人ヘリR-50完成 田んぼで使う無人の散布機を実用へ近づけた
1989年・日本キーエンスがジャイロソーサを発売後のマルチローターにつながる先駆的な機体が登場
1991年・日本 無人ヘリによる空中散布の現場導入 農作業を助ける仕組みとして使われるようになった
2015年・海外メーカーの例 農業用マルチコプターの発表 電動の複数ローター機にも散布の用途が広がった
2016年・日本 農水省資料で無人マルチローター導入 農地や作業に応じた機体の選択肢が増えた

表は世界全体の普及開始年ではなく、確認できる節目の比較です。日本は、小型空撮機のブームより前に、無人機を農業で実用化していた国でした。海外メーカーの発表

クイズ 5

日本の農業用無人ヘリが示すのは、どんなこと?

  1. 無人機の仕事は空撮からしか始まらない
  2. 小型空撮機のブームより前にも、無人機は実用化されていた
  3. 昔の機体はすべてスマホで操縦していた
答えを見る

答え:2。 日本の田んぼでは、農作業を助ける必要から無人ヘリが使われました。技術の広がりは、一つの道筋だけではありません。

第5章 2010年代、「空から撮る」が身近になった

2010年のParrot AR.Drone、2013年の初代DJI Phantom。一般の人向けの小型機が登場し、空を飛ぶカメラを楽しむ入口が広がりました。機種によってカメラの有無や操作方法は違いますが、機体を一から組み上げる専門知識がなくても使える方向へ進みました。Parrot資料初代Phantom発表

ひなたひなた

いつもの川も、上から見たら地図みたい。撮るだけで発見がありそう!

スカイ博士スカイ博士

その「見え方が変わる」が大事じゃ。同じ写真を見て、工事をする人なら地面の形を、橋を調べる人なら傷みを知りたいと思うかもしれんね。

空の写真に、「測る」「調べる」という役目が加わった

きれいな景色を残すことと、仕事の判断に使えるデータを作ることは、同じではありません。写真に正しい位置をつける、重なる写真から立体の形を求める、熱の分布を写す。カメラと処理する技術が加わることで、用途も広がりました。

使う人の広がり 求めていたこと 次につながる変化
軍・研究所 無人で動かす技術を試す 遠隔操作や自動制御が育つ
映像のプロ 空からの視点を映像にする 撮影の安定性が重視される
一般の人 扱いやすい機体で撮影を楽しむ 量産・操作の簡単さが進む
企業・自治体 測る、点検する、運ぶ 仕事に合うセンサーや運航体制が必要になる

この表は使い手の範囲が広がるイメージです。前の人が使わなくなったわけでも、すべての用途がこの順番だったわけでもありません。日本の農業は、その分かりやすい例外でした。

図は横にスクロールできます →

ドローンを使う人の広がり軍・研究、映像、一般の人、企業・自治体へ。単一の年代順ではなく、日本の農業は先行しました。使う人が増えると、求めるものも増える1軍・研究動かす技術2映像のプロ撮影の安定3一般の人扱いやすさ4企業・自治体仕事の品質使い手の広がりの模式図。農業などは先行し、各用途は並行して発展しました。
図3|前の使い手が消えるのではなく、用途が重なって広がります。
クイズ 6

空撮から測量に用途を広げるとき、特に大切になるのは?

  1. 写真の位置や形を、必要な正確さで確かめること
  2. 写真を明るくするだけで十分
  3. 飛ぶ音を大きくすること
答えを見る

答え:1。 きれいな写真と、測るために使える写真は同じではありません。用途が変わると、求められるデータの条件も変わります。

第6章 日本のルールは、道具とともに育ってきた

飛ばせる人が増えると、空を使う飛行機や、地上の人との関係も変わります。2015年4月22日、首相官邸の屋上でドローンが発見される事件が起きました。 これを受け、政府は4月24日に関係府省庁の連絡会議を設け、重要施設の警備や、飛ばすときのルール・法律について検討を進めました。

その流れの中で航空法が改正され、同年12月10日、無人航空機の飛行場所や飛ばし方についての基本ルールが施行されました。 官邸の事件は、安全に使うための制度づくりを進めるきっかけとなったのです。政府資料:事件からルール整備までの経緯

ひなたひなた

便利な道具ができてから、ルールを考えることもあるの?

スカイ博士スカイ博士

あるとも。新しい使い方が増えれば、前のルールだけでは足りないこともある。飛ばす人も、近くで暮らす人も、安心できるよう考え直すんじゃ。

「いつ始まったか」を分けて見る

始まった日 制度・変更 何を確かめるため?
2015年12月10日 改正航空法の飛行ルール施行(しこう) 飛行場所や方法に基本的な条件を設ける
2022年6月20日 機体登録の義務化 どの機体を誰が持つか、分かるようにする
2022年6月20日 対象重量を200g以上から100g以上へ変更 より軽い機体も無人航空機のルールに含める
2022年6月20日 リモートIDの原則搭載 登録情報などを電波で発信し、機体を識別する
2022年12月5日 無人航空機操縦者技能証明の制度開始 飛ばす人の知識や能力を証明する
2022年12月5日 機体認証・型式認証の制度開始 個々の機体や、設計・製造の安全性を確かめる
2022年12月5日 レベル4飛行を可能にする制度開始 第三者上空の目視外飛行を、条件付きで可能にする

日付は制度が動き始めた日です。法律を知らせる「公布こうふ」の日や、最初に認証が交付された日とは区別します。対象機体登録技能証明など認証

レベル4とは、操縦する人が機体を直接見られない場所まで、補助者を置かずに、第三者の上空も飛ぶことです。第三者とは、その飛行に関係していない人のこと。「都会ならレベル4」「資格があればどこでも飛べる」という意味ではありません。

新しい道具の使い方に合わせて、ルールが後から整えられることがあります。研究する人、使う人、暮らす人の声や実際の経験をもとに、みんなで作り、見直していくものです。

クイズ 7

2022年6月20日に始まったことは?

  1. すべての場所で自由に飛ばせるようになった
  2. 空撮が初めて発明された
  3. 機体登録が義務になり、対象重量も100g以上になった
答えを見る

答え:3。 登録と重量の変更は6月、技能証明などの制度開始は12月です。同じ年でも、始まった時期と内容を分けて覚えましょう。

クイズ 8

レベル4の説明として正しいのは?

  1. 高さ4mで飛ぶこと
  2. 第三者上空で行う、補助者なしの目視外飛行
  3. 操縦資格さえあれば、どんな場所でも飛ぶこと
答えを見る

答え:2。 目で直接見る範囲の外を飛び、第三者の上空も含むため、厳しい条件があります。高さや町の大きさにつけた番号ではありません。

第7章 仕事ごとに違う、ドローンが働き始めた時期

第1弾の「お仕事ずかん」では、いろいろな仕事を見ました。今回は「いつ、何がそろって、その仕事に使いやすくなったか」を見てみます。

ひなたひなた

カメラがついたら、いっぺんに全部のお仕事ができたの?

スカイ博士スカイ博士

写真を撮れただけでは、仕事が終わらないこともあるんじゃ。測る正確さ、使う人の訓練、データの受け渡し。仕事ごとに、待っていた条件が違うんじゃよ。

用途 導入・普及に向けた節目 可能にした技術・仕組み
測量そくりょう 2016年、国土地理院が公共測量マニュアルを公表 写真から立体の形を求め、精度を確認する手順
インフラ点検 2010年代、橋などの点検技術を実証・評価 細部の撮影、位置の記録、性能を比べる試験
農業 1991年に無人ヘリ、2016年にマルチローターの現場導入 薬剤を積んで散布する機構と、作業の訓練
防災・災害 2010年代に活用。2016年熊本地震も一例 近づきにくい場所の撮影と、情報共有
物流ぶつりゅう 2010年代から実証、2020年代に一部地域で実装 目視外飛行、通信、配送の仕組みづくり
設備点検 2019年、プラントの安全運用ガイドライン公表 高所の撮影と、設備ごとの安全確認

※全国一斉の普及開始年や、普及順の表ではありません。農業は先行しており、今も実証と実際の仕事が並んで進んでいます。測量のマニュアル公表年も、測量に初めて使った年ではありません。

資料:測量インフラ農業災害物流設備

たとえば山の向こうへ荷物を届けるなら、空を進むことで遠回りを減らせるかもしれません。でも、強い風で飛べない日はどうするか、荷物を誰が受け取るかも決める必要があります。飛べた、の次に、続けて使えるかを考える。それが歴史の現在地です。

クイズ 9

ドローン配送が仕事として続くか考えるとき、必要なのは?

  1. 飛行できたかに加え、費用や飛べない日の対応も考える
  2. 一度飛べたら、どこでも同じように続けられる
  3. 荷物を受け取る人のことは考えない
答えを見る

答え:1。 実験の成功と、毎日のサービスの成立は別です。利用する回数や人の配置、天候も含めて考えます。

第8章 これからの100年、キミなら何を変える?

ドローンはこれから、周りの様子を調べ、自分で進み方を判断する自律じりつの技術を、さらに使うようになるでしょう。決められた道をたどるだけでなく、何かが変わったときに安全な行動を選ぶ。そのためには、上手に飛ぶ力と同じくらい、「分からないときに止まる」仕組みも大事です。

ひなたひなた

たくさんのドローンが、相談しながら働く未来もあるかな?

スカイ博士スカイ博士

考えられるね。ただ、数が増えたら、ぶつからずに飛ぶ約束も必要じゃ。キミなら、どんな仕事を分担させたい?

空の外では、別の動き方が必要になる

水中のロボット、地中を調べるロボット、遠い惑星で働く探査機にも、人が行きにくい場所を代わりに調べるという共通点があります。ただし、どれも法律上の「無人航空機」になるわけではなく、ドローンという呼び名の範囲も場面によって違います。

2021年には、NASAの小さなヘリコプターが火星で飛びました。地球からの通信には時間がかかるため、すべてをその場で手動操縦することはできません。遠くへ行くほど、自分で動きを保つ技術が役立ちます。NASA JPL

第1弾のワークブックにある「未来のドローン発想シート」を、もう一度見てみましょう。今回は絵に、「まだ足りない部品や仕組み」を一つ書き足してみてください。長持ちする電池? 水の中で位置を知る方法? 近くにいる人との約束?

100年前に思いついた形が、後の部品と出会ったように、今日のアイデアも未来の発明を待っているかもしれません。次は、キミが考える番です。

クイズ 10

未来のドローンを考えるとき、歴史から使えるヒントは?

  1. 形だけ決めれば、部品やルールは考えなくてよい
  2. 昔できなかったことは、未来にもできない
  3. 役立つ仕事と、まだ足りない条件をセットで考える
答えを見る

答え:3。 形のアイデアだけでなく、部品、費用、使い方がそろうと実用に近づきます。歴史は、これから何が必要かを考える手がかりになります。

今日わかったこと10

  • 名前の意味と命名のいきさつは違うので、「ハチの言葉」だけで語源の話を決めつけない。
  • 無人で飛ばす工夫と、4ローターで浮く工夫は、別の流れとして育った。
  • 形を思いついても、安定して動かす仕組みがそろわなければ広く使えない。
  • 小さなセンサーと速い計算が、モーターへの細かな指示を可能にした。
  • 軽い電池や位置を知る技術も進歩し、屋外で使いやすい小型機に近づいた。
  • スマホなどの大量生産は、共通する部品技術を身近にする後押しになった。
  • 日本の田んぼでは、散布の負担を減らす必要が無人ヘリの実用化を促した。
  • 空撮から仕事へ用途を広げるには、正確なデータや業務の手順も必要になった。
  • 飛行の使い方が広がると、人・機体・運航を確かめるルールも育つ。
  • 未来を考えるには、助けたい仕事と、まだ足りない条件を一緒に探す。

巻末:ドローン年表

横に時代、縦に世界の技術・日本・制度を並べてみました。同じころに、別の場所で何が起きていたかも見てください。図の間隔は読みやすさのために調整しています。

図は横にスクロールできます →

世界・日本・制度の3段パラレル年表世界では1918年の実験から電子部品の小型化へ。日本では1987年の無人ヘリ完成から農業などへ。制度は2015年、2022年に大きな節目があります。1910〜40年代1980年代1990年代2000年代2010年代2020年代世界の技術1918 無人機の試験1922 有人4ローター無線操縦も発達1991 Li-ion電池1995 MEMS量産2000 GPS精度改善2010 小型機登場2013 完成機が身近に2021 火星で飛行日本の歩み1987 無人ヘリ完成1991 田んぼへ導入2016 農業・測量2019 設備点検分野ごとに運用を積み重ねる制度2015.12.10飛行ルール施行2022.6.20 登録等2022.12.5技能証明・認証等年代の間隔は一定ではありません。「—」は、この年表では取り上げない期間です。
図4|同じ時代を3本の線で読むと、技術だけで普及したのではないことが見えてきます。
できごと これで何ができるようになった?
1918年 米国で初期無人機の飛行試験 人が乗らずに動く飛行機を試せた
1922年 ド・ボテザットの有人4ローター機が飛行 複数のローターで浮く形を実機で試せた
1930〜40年代 無線操縦の標的機が使われる 地上から機体を動かす経験が蓄積した
1987年 日本で農業用無人ヘリR-50完成 農作業向けの無人散布機を実用へ近づけた
1989年キーエンスが4ローターのジャイロソーサを発売日本でも、後のマルチローターの先駆けとなる機体が登場
1991年 日本で無人ヘリの現場導入/リチウムイオン電池市販 田んぼの作業を助ける道と、小型電子機器を電池で動かす道が進んだ
1995年 BoschがMEMSの工業生産を開始 小さなセンサーをまとめて作る技術が広がった
2000年 GPSの意図的な精度低下を停止 民間利用の位置情報を、より正確に得られた
2010年 AR.Drone登場/スマホへの3軸ジャイロ搭載の例 小型機を楽しむ入口と、姿勢を感じる部品の市場が広がった
2013年 初代Phantom登場 一般向け完成機で、GPSを使う飛行に取り組みやすくなった
2015年 海外メーカーが農業用マルチコプターを発表/日本では4月の官邸ドローン事件を受けルール整備が進み、12月10日に改正航空法施行 用途の選択肢が広がる一方、事件をきっかけに飛行の基本ルールが整えられた
2016年 日本で農業用マルチローター導入/公共測量マニュアル公表 農作業の選択肢が増え、測量で精度を確認する手順がそろった
2019年 プラントの安全運用ガイドライン公表 設備のある場所で、ドローンを安全に使う条件を検討しやすくなった
2021年 火星で小さなヘリコプターが飛行 別の惑星を空から調べる可能性を試せた
2022年6月20日 登録義務化・100g以上へ変更・リモートID原則搭載 機体と所有者を把握し、より軽い機体も制度で扱うようになった
2022年12月5日 技能証明・機体認証・型式認証など開始 人と機体と運航の条件をそろえ、レベル4飛行を可能にした

※年表は主要な節目の抜粋です。発明年、機体完成、現場導入、制度施行は同じ意味ではありません。各項目の出典は本文と以下の参考リンクを参照してください。

無料ダウンロード|ドローン100年年表ポスター

上段に世界の技術史、中段に日本の歩み、下段に制度を並べた年表です。右側の「キミが生まれた年のドローンは?」を書いて、家族の歴史と重ねてみましょう。

年表ポスターを開く(PDF・A3横1枚)

A4で使う場合は、PDF印刷の「ポスター/分割」でA4縦を選び、倍率90%程度を目安に、プレビューが2枚になるよう調整してください。ご家庭・学校・科学クラブで、学習目的の印刷・配布ができます。

参考リンク集

年代を調べ直すときは、「発表した年」「現場で使い始めた年」「ルールが始まった年」のどれが書かれているかにも注目してください。

このブログをつくった会社について

SkyLink Japanは、測量・点検・農業・防災などの現場で使うドローンやロボットを、必要とする人へ届ける仕事をしています。このシリーズでは、技術が人の暮らしとどうつながるのかを、親子で考えるきっかけをお届けします。

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※このブログは教育目的のコンテンツです。

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