2010年台前半から徐々に世の中に普及してきたドローンは、機体性能の進化や世界各国での法律の整備が進んでおり、国内のドローンビジネスの市場規模も拡大し続けています。
世界を見渡すと大小様々なドローンメーカーが存在しており、各社が活用が想定される産業の用途に合わせた機体開発を行なっています。
今回は日本国内でも販売・ソリューション展開をしているドローンメーカーの中から、海外メーカー10社、国内メーカー10社の計20社をピックアップしてご紹介します。
海外ドローンメーカー
DJI
言わずと知れたドローン業界の王者で、世界中で圧倒的シェアを誇るドローンメーカーがDJIです。中国・深圳に本社を置き、世界中に開発・営業拠点を構え、コンシューマー/プロシューマー向けの空撮ドローンではほぼDJI以外の選択肢がないといえるほど圧倒的なポジションを築いています。
世界のドローンの7割以上のシェアを持っているとされており、産業向けドローンとしても農業/測量/点検/調査など、各用途に向けたハードウェアを展開しています。
Parrot
Parrotは1994年に創業したフランスのメーカーで、ドローン業界の老舗として有名。フランスメーカーならではのデザインが詰まったドローンを設計開発しています。現在は点検や測量用途に向けたコンパクトなハイエンドドローン「ANAFI」を主体とし業界でのシェアをより高めています。
Autel Robotics
2014年に設立されたAutel Roboticsは、中国深圳に本社をおき、欧米そして日本にも拠点を構えるドローンメーカーです。コンパクトな折りたたみ式高性能ドローンであるEVOシリーズで業界にインパクトを与え、近年では産業用途の機体も積極的に開発展開しています。
EVO Max シリーズ 製品ページ
EVO II シリーズ V3 製品ページ
Skydio
Skydioは2014年に設立されたアメリカのドローンメーカーです。同社のドローンの特徴はVisual SLAM技術を用いたAIによる全方位の障害物認識・回避を実現する自律飛行機能で、搭載されたカメラ、センサーの情報をリアルタイムで3D化、AIによる自己位置測定機能で360°の障害物回避を行いながら飛行を行います。操縦技術への依存を極力減らし自律的に飛行、衝突リスクを回避することで、パイロットの負担を軽減するとともに円滑なミッションを実行します。
Wingcopter
Wingcopterは、マルチコプターと固定翼機の両方の特徴を併せ持つVTOL型のドローンを開発するドイツのメーカーです。主に物流用途に使用される機体に力を入れており、アフリカでの医療用物資輸送などグローバルで使用実績を重ねています。弊社でもいくつかの実証実験などで活用している機体の一つです。
VTOL機「Wingcopter」を使ったレベル3飛行による実証実験の様子をご紹介
FIXAR
FIXARは、2018年に設立されたヨーロッパのラトビアに拠点を置くVTOL型ドローンを開発する企業です。長距離、長時間、高速飛行を得意とする固定翼機のメリットを活かして広域測量や調査などの用途に活用されます。
Wingtra
Wingtraは、広域マッピングを得意とするVTOL機を開発するスイスに拠点を置くドローンメーカーです。長距離、長時間、高速飛行と搭載された高解像度カメラで効率的なデータ取得を可能にする機体でマッピングソリューションを提供しています。
Aurelia Aerospace
Aurelia Aerospaceは、主にヘビーペイロードの搭載に向けたマルチコプターを開発するアメリカのドローンメーカーです。重量物輸送や大型センサーを搭載したミッション用に最適な機体で、高いカスタム性も魅力の一つです。
Flyability
Flyabilityは、同社のELIOSシリーズで知られるスイスのドローンメーカーです。特徴的な球体型のガードで囲まれた形状のドローンは、人が入り込むことが危険で難しい狭小空間での点検用途に力を発揮します。
Velos Rotors
Velos Rotorsはギリシャに拠点を置くヘリコプター型UAVを開発するドローンメーカーです。同社のシングルローター型ドローンは、重いペイロードを搭載しながら長時間飛行できるように最適化されています。
国内ドローンメーカー
SONY
2020年に開始されたソニーによるドローンの新たなプロジェクト第一弾としてリリースされたのが、プロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」です。独自開発のモーターやプロペラ、制御システム、 センシング技術などにより、高い敏捷性を有しダイナミックかつ緻密な飛行が可能で、フルサイズミラーレス一眼カメラαシリーズ搭載可能機種で世界最小クラスを実現していることから、映像制作クリエイターの創造力を余すことなく支援します。また産業利用に必要な機能を提供する各種アクセサリーを搭載することによって産業用途でも活用が広がりつつあります。
NTT e-Drone Technology
NTT e-Drone Technologyは、東日本電信電話株式会社と株式会社オプティム、株式会社WorldLink&Companyの3社による合弁会社として2020年に設立されました。パートナーとの繋がりや地域アセット、最先端の革新技術とビジネスモデル創造、産業分野ドローン活用に関するノウハウの3社の強みで、社会とパートナーとテクノロジーを「つなぐ」力で驚きあるドローンを創出していきます。現在は農薬散布ドローン「AC101」の展開を中心にビジネスを行なっています。
ACSL
2013年に設立された株式会社自律制御システム研究所を前身とするACSLは、自律制御技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、様々な産業課題を解決するためのソリューションを提供するためのドローンを開発する国内メーカーです。ドローン専業メーカーとして国内で唯一上場している企業でもあります。
石川エナジーリサーチ
2010年本田技術研究所からスピンアウトした技術者集団で構成される国内ドローンメーカーです。自動車づくりで得たノウハウを基に工業製品を意識したドローンの開発に注力し、あらゆる業界・用途の業務プロセスに安全性・秘匿性をもたらす国内開発・国内製造のドローンを提供しています。
PRODRONE
PRODRONEは様々なペイロードに対応したマルチローター型のドローンから長距離長時間運用可能なシングルローター型ドローンまで幅広いラインナップのドローンを提供する国内メーカーです。国産ドローンメーカートップの特許出願取得数を誇り、各産業のニーズに応える機体を製造しています。
ヤマハ発動機
バイクやマリン用品など幅広い産業でビジネスを展開しているヤマハ発動機も無人航空機業界に古くから関わるメーカーです。マルチコプターが普及する以前より同社の産業用無人ヘリによる農薬散布が農業分野で活用されており、今もなお農業分野で大きな存在感を持っています。産業用無人ヘリコプターの開発・散布事業で培った防除ノウハウをもとに開発されたマルチローター型ドローンも開発しています。
エアロセンス
2015年にソニーとロボット事業に特化したZMPから出資を受け設立されたエアロセンスは、VTOL型の固定翼ドローンであるエアロボウイングなどの機体を展開しています。
建築・土木、農業、点検、物流など、さまざまな日本の現場環境に合わせたドローンを自社設計かつ国内工場で製造しています。
マゼックス
2009年創業のマゼックスは、農業・林業・電設・運搬などさまざまな産業向けの高機能・低価格を両立した産業用ドローンを独自の技術により開発しています。
東光鉄工
建設・土木、産業機械の設計製作を展開する東光鉄工株式会社がUAV事業部としてドローンの設計・開発・製造・販売まで一貫して行なっています。農業、レスキュー用途の機体を展開しており、秋田県発の国産ドローンメーカーとして社会課題を解決するドローンの開発を行なっています。
エアロジーラボ
エンジンジェネレーター(発電機)と燃料を搭載したハイブリッドドローンを開発しています。エンジン搭載により2時間以上の飛行を実現し、一般的なバッテリー駆動のドローンでは実現できない長距離輸送や長時間飛行の可能性を提供します。
まとめ
今回ご紹介したドローンメーカーの他にも、日本国内、世界を見渡すと様々な用途に向けた多種多様なドローンが存在しています。SkyLink Japanでは世界中のメーカーとのネットワークにより、お客様の事業課題に応じたドローンソリューションを提案可能ですので、ご興味のあるお客様はお気軽にご連絡ください。