ドローンを仕事にするためにとるべきアクション

2010年代中頃から急速に発展してきたドローン市場。空撮から始まり、建築・土木、点検、農業、物流など様々な産業への活用が広がるとともに、ドローンに関する様々な法律・ルールが整備されてきており、これまでの業務の代替、そしてこれまでになかったソリューション・サービスがドローンの発展とともに創出されています。

インプレス総合研究所が発行する『ドローンビジネス調査報告書2023』によると、2022年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は3086億円(前年度比33.7%増)と推測されており、2023年度には前年度比24.0%増の3828億円、2028年度には9340億円に達するという見込みも発表されています。

そんな急速に成長するドローンビジネスに興味を持っておられる方も多いのではないかと思い、今回はドローンを仕事にしていく上でどういうアクションを取ればいいのか、いくつかヒントになるかもしれないものをご紹介いたします。

■ドローン機材購入

ソニーAirpeak S1飛行画像

まず何よりも仕事道具であるドローンを購入しないことには何も始まりません。ドローンの種類としては、一般的な空撮用ドローンやFPVドローン、測量・点検などの業務で利用される産業用ドローン、農業で活用される農薬散布用ドローンなど様々な選択肢があります。

ご自身がドローンを使ってどういった業務を行いたいのか?どんなサービスを提供したいのか?によって購入すべきドローンは変わってきます。
ドローン購入前にあらかじめこのイメージを持っておかないと、用途とマッチしない機種を選んでしまい結局買い直すことになり余計な費用が発生する可能性もあります。ドローンのスペックや金額など表面上の情報の比較以上に、自分がそのドローンを使って仕事をするイメージをしっかり持てるかどうかが、適切なドローンをチョイスする上で重要なことになってきます。

また、ドローン本体セットに加えて予備バッテリーなどのアクセサリ、ソフトウェア・アプリ操作用のパソコンやタブレット、移動用の車両まで、ドローンをビジネスにしていく上では様々な投資が必要になります。業務フローを想定してこれらの周辺機器への予算もしっかり確保しておきましょう。

■ドローンの操縦技術を磨く

プロパイロット技能認定会

業務でドローンを使用する場合、もちろんのことですがドローンの操縦技術が必要になります。ドローンの技術は日々進歩しており、自律飛行やあらかじめ決められたルートを飛行する自動航行で飛ばすシチュエーションも多いですが、緊急時に操縦に介入して安全な地点に着陸させたり、高い制御技術が求められるような難易度の高い撮影現場など手動による操縦が必要になるシーンはまだまだ多く、一定の操縦技術を習得することはドローンを仕事にする上で必須と言えるでしょう。ドローン操縦技術のレベルアップにはとにかく練習あるのみ。毎日ドローンに触れ、練習を重ねましょう。

■安全に業務に使用するための知識を習得する

ドローンを業務で使用する場合、最重要なことの一つが「事故なく安全に運用する」ということ。ドローンは空を飛ぶものですので落下すればドローン自体の破損はもちろん、人や物に危害や損害を与えてしまう可能性も当然あります。そのような状況を最小限にするべく、ドローンの仕組みや構造をメンテナンスを定期的に行い、安全に操縦できるように心がけましょう。また、法律や規制に違反しないように、常に最新の情報を把握しておくことも重要です。

関連記事 → ドローン免許制度(国家資格)の最新状況。取得は必須なのか?

■自分が提供できるサービスを明確にする

機材を一式揃えて、練習を重ね技術を磨き、最新情報を常に入手したところからが本当のスタートラインです。ドローンを活用して行う仕事は多岐に渡り、どのような形で収入を得るのかは様々ですが、例えば、クライアントから業務を請け負う形で仕事を獲得するのであれば、「自分は何が出来て、どのような成果物を納品することが出来るのか」を明確にすることが必要でしょう。

客観的に判断しやすいのはこれまでの実績をアピールすることですが、最初から実績がある人はいません。自分が撮影したドローン映像・画像をまとめた撮影例や保有しているドローン・カメラで撮影できるデータの種類などをアピールする所から始めてみるのもいいかもしれません。

■マーケティング/営業活動を行う

ドローンでの検査

仕事を獲得するためには自分自身を売り込むマーケティング・営業活動が不可欠です。仕事依頼の受け皿としてウェブサイトやSNSアカウントの開設は必ずしておきたいことの一つです。今はビジネスの規模に関わらず個人でもいくらでも情報発信ができる時代です。YouTubeやTwitter、InstagramなどSNSでの活動が仕事に繋がることは少なくありません。

また、リアルでのコミュニティやSNS上のコミュニティに積極的に参加していくことで人脈を構築し仕事につなげるというのも一つの手段かもしれません。

自分が獲得したいクライアントが興味を持ちそうなコンテンツを不特定多数に向けて発信し続けることで仕事を獲得するための裾の尾を広げるとともに、特定の顧客候補に対して個別で営業活動も行うことも重要でしょう。自分のスキルや提供できるサービスの特徴を踏まえて、自分が得意な分野や顧客にアプローチすることが重要です。

■まとめ

冒頭でご紹介したようにドローンビジネスはまだまだ成長フェーズにあり、今後もドローン自体の性能の進化と法律の整備が進むにつれてドローンが活用される業務や、ドローンを取り巻く周辺サービスのビジネスは拡大を続けていくと予想されます。

ここ数年で、ドローンビジネスに参入しようと大金を払ってスクールに通ったはいいものの、卒業しても仕事がなかった。。。といった事例も多く聞くことがあります。参入される方にとってドローンという新しい業界への期待値が大きいことも理解はできますが、ドローン業界に限らず、少しスクールで学んだ人が待っているだけで仕事が向こうからやってくる、といった事はないのではないでしょうか。

技術や知識を常にアップデートしつつ、自ら仕事を獲得しにいくという姿勢がドローンを仕事にする上で必要なマインドだと言えるでしょう。

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