ドローンプロパイロット馬渡登

ドローンPROパイロットインタビュー -Vol.1 SkyLink Japan 技術統合課 馬渡 登 氏

本シリーズは、合格率わずか7%の超難関ドローン操縦技能認定試験を突破した、ドローン操縦のトップガンであるPROパイロットたちにインタビューをしていく企画です。
SkyLinkでは2016年からRave Projectと共催でPROパイロット技能認定会を開催しており、これまで37名もの合格者を輩出してきました。(2023年2月現在)
そんなドローン操縦のスペシャリストたちにインタビューする企画がスタート!

記念すべき第一回は、SkyLink Japanに在籍するPROパイロット・馬渡 登 氏にインタビューしました。ドローンとの出会いやドローンスクールでの思い出、PROパイロットを受けようと思ったきっかけなどお話ししていただきました。 

まずは自己紹介を簡単にお願いします。 

馬渡登と申します。青森出身です。大学卒業後は某IT企業にシステムエンジニアとして就職、2年目から東京・横浜に転勤となり、そこで約20年間勤務しました。
業務としては、お客様の希望する業務アプリケーションが正しく動作するようにシステムインフラと呼ばれるサーバやストレージの設計・設定をするといったことを主に担当してやっていました。

そして2022年、SkyLinkに転職します。入社した経緯としては、ドローンを活用する会社の就職先を探していた時期にSkyLink主催のAirpeak※1デモフライト会の横浜開催をSNSで知り、参加したことがきっかけです。そこで当時SkyLinkにいたパイロットからお誘いがありました。実は、その日あわよくば面接とかしてもらえることを少し期待して、履歴書を忍ばせて参加してたんですよ。まあその時は使わなかったのですが(笑)、後日改めて採用担当の方にコンタクトし、晴れて入社が決まりました。

おかげさまで、今SkyLinkではドローンパイロットとしてさまざまな案件やデモ会等に参画させていただきながら、国内外の多種多様なドローンに触れることができています。もちろん操縦だけでなく、案件の計画段階から採取したデータの解析まで、幅広い業務に携わらせていただいています。

※1 …ソニー製ドローン「Airpeak S1」→ 製品ページ

■ドローンをはじめたきっかけとドローン歴を教えてください。

元々、学生の頃からずっと映像をやりたいという願望がありました。当時はテープでビデオを撮ってミュージックビデオを作ろうとしてみたり、内輪イベント用のスクリーンに映す映像を作ったりと多少やっていましたが、結局前職に就職したため諦めた…というかそのまま時間が経ってしまったんですよね。
それとは別でラジコンもやりたいという思いもずっと持っていました。

そんな中、2015年に官邸にドローンが落下した事件※2をニュースで見ました。それまでドローンというのは、軍事や映画、ゲームの中の存在だと思っていたので、ついに一般の人でも使える時代だということを知り、驚きと同時に期待が膨らみました。事件自体は良くないことですけどね。
それがきっかけで、翌年に5000円くらいのトイドローンを買いました。この操作がまた難しくて、当時はずっと練習していましたね。
そしてその数ヶ月後には、映像+ラジコン=“ドローンで仕事がしたい”と考えるようになり、ドローンスクールを探し、ドローン大学校※3に通い始めました。ドローンの“ビジネススクール”と謳っていたので、仕事に繋げたかった私は“ここだ!”と思いました。

ドローン大学校では、ドローンの基礎知識や操縦技術、関連する法令の遵守や安全確保の重要性、リスクの考え方等を学びました。当然どれも大切で非常に勉強になりましたが、その学びの中で“ドローンを扱うということは航空関係者の一員である”という意識を持たせていただいたことがその後の仕事に活かされ、私の中でとても重要だったんじゃないかなと思います。

また、会社員の方としかほとんど繋がりがなかったものですから、会社経営者や個人事業をしている方々と一緒に学ぶということ自体が本当に楽しく、刺激的な時間を過ごさせてもらったなと感じています。
平日は会社員として働いて土日はスクールに通うといった生活でしたが、全然苦じゃなかったんですよね。むしろ早く週末にならないかと思うほどでした。当時のスクールに通う方々と切磋琢磨した日々はとても充実していたと今でも思います。
そこで出会った仲間とはいまだに繋がっていて、連絡を取り合っていますしね。

※2…2015年に起きた首相官邸無人機落下事件。これによりドローンの法整備がされ、航空法が改正された
※3…全国に6キャンパスを構えるドローンのビジネススクール

■PROパイロット認定会に挑戦しようと思った理由と実際受けてみた感想を聞かせてください。

ドローン大学校には3ヵ月ほど通い、卒業しました。
しかし卒業したはいいものの、すぐに仕事があるはずもなく、このままだと“埋もれるのではないか”という危機感を持ちました。
「埋もれないために何をするか」と考えていく中で見つけたものの一つが、“PROパイロット”でした。
はじめて受けたのが2017年。正直はじめは割といけるんじゃないかなって少し舐めていたところがあったと思います。Phantom 2で参加していましたし。一度受けて合格ラインの高さに畏れの念を抱きましたが、練習に練習を重ね、結局8回も受けて2019年にやっと合格することができました。

「ドローンパイロットとして埋もれないために何をするか」と考えていく中で見つけたものの一つが、“PROパイロット”でした。

上記に挑戦するにあたり、どのくらい練習をしましたか?

僕の場合、“PROパイロットに合格すること”が最終目的ではなく、あくまでドローンで仕事をするためのマイルストーンとして考え、臨んでいました。
平日は普通に会社員をしていたので、練習できる時間は土曜と日曜。そのため基本土日のどちらかはフライト場所を借りたり、誰かの練習に混ぜてもらったりして練習していました。自分の飛行を客観的に見てくれる人というのも大切で、自分では気づかないところを指摘してくれます。気づいたことを言い合う練習法は技術向上にとても良かったと思いますし、一緒に練習させていただいた方々に感謝しています。

機体に関しても、先ほどお伝えしたように最初はPhantom 2を使用していたのですが、プロポのスティック操作を細かく設定することが難しいことが分かってきたため、以前から欲しかった“Inspire”を買いました。カメラはX5SでなくX4Sでしたが…。そうそう、たしかハードケースはSkyLinkから買ったんじゃなかったかな(笑)

これまでやってきたドローン業務/今やっているドローン業務はなんですか?

今はSkyLinkのパイロットとして日々案件をこなしている毎日です。法人さん相手に点検業務や空撮案件など、多岐に渡る企業案件をやらせていただいています。
また、PoC(実証実験)のような、誰もまだしていないことに挑戦したり、まだ誰も飛ばしていない機体を試したりできるので、やりがいがあると感じています。
特に今SkyLinkは国内外の様々なメーカーのUAVを取り扱っています。機体によって操作感など全く違いますし、そういう機体を要件に合わせて使っていくのが難しくもあり面白いところでもありますね。

得意とする飛行・撮影シチュエーションを教えてください。

まだ本格的に業務としてドローンを扱って1年も経っていないため、自分としてはまだ得意と言えるシチュエーションを意識したことはありません。
前述したことと被るかもしれませんが、色々な機体を使ってお客様の要望に沿って柔軟に飛行を行うことを得意としたいなと思っています。
今の業務で言えば、点検や測量向けのデータを正確に取得できるような飛行を自動・手動問わずででできるようになりたいです。
それに加え、映像分野の空撮に関しても動体の撮影経験をもっと積みたいと思っています。

将来のドローン業界やドローンに期待することはありますか?また、個人的な目標などがあれば教えてください。

日本のドローンメーカーから世界中で使われるような機体が出てくることを期待しています。DJI機を飛ばしたことのある方が分かってくれると思うのですが、やっぱりDJIってすごいんですよ。だからこそ、それを超えるようなドローンが日本から現れて欲しいと思っています。使用させていただいてそれに近いと感じるのはソニーのAirpeakかなと思います。

個人の目標としては、映像・産業関わらず、お客様の望む「データ」を確実に撮れる・採れるようなパイロットになりたいと思っています。
そして、そのことが結果的により良い社会につながっていくと信じて、これからもこの仕事に励んでいきたいと思っています。

SkyLink Japan 技術統合課
馬渡 登

長年務めたシステムエンジニアを経て、2022年にSkyLink Japanに入社。ドローンパイロットとしてPoC、空撮、点検、デモ会などマルチに活躍し、日々全国を飛び回る。PROパイロットには2017年に初挑戦、2019年に合格。

PROパイロット一覧

ドローン操縦技能認定試験(現在合格率7%)を突破した、ドローン操縦のトップガンをご紹介します。GPSを利用しない飛行においても、自転車のごとくドローンを操縦できるパイロットのみが試験を通過します。

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