SkyLink Japanでは、レベル4飛行を前提としたドローンのさらなる社会実装を推し進めるべく、日々世界中のドローンハードウェア、ソフトウェア開発企業と連携し、長距離飛行、物資輸送、広域測量、広域点検、災害対策などの実証実験を数多く実施しています。
今回は新しい飛行プラットフォームとしてVTOL機「FIXAR 007」という機体のテストを技術部門が行うということで、その様子を取材してきました。
VTOLとは?
そもそもドローン業界で時折目にするVTOLとはなんなのでしょうか?
VTOLとは「垂直離着陸(Vertical Take-Off and Landing)」の略称で、マルチコプターの特徴であるホバリング機能や垂直離着陸機能、固定翼機の特徴である長いフライト時間/航続距離、速い飛行速度を掛け合わせ、両方の特徴を持った機体のことをVTOL機と言います。
マルチコプター、固定翼機をミックスさせることにより、広い離発着ポイントを必要とせずに離陸、着陸が可能になるとともに、長時間・広範囲の飛行が可能になることで、広範囲のマッピングや監視、ラストワンマイルの物流などへの幅広い活用が期待されるのがこのVTOLスタイルのドローンです。
FIXAR 007 とは?
FIXARはヨーロッパのラトビアに拠点を置く商用自立型UAVとソフトウェアを開発する企業で、007はFIXARにより開発された完全自立型のVTOL固定翼ドローンです。
最大2kgまでのRGBカメラ、マルチスペクトルカメラ、LiDAR等のペイロードを搭載し、最高時速72km/hの高速飛行で最大60分の長時間飛行が出来るという、さまざまなドローンミッションに対応可能な機体です。
セットアップ
FIXAR 007は専用のハードケースにウイングを取り外した状態で収納されており、胴体部分を取り出し左右のウイングを取り付けることで飛行準備が完了します。
バッテリーはボディ部の後方から挿入します。
離着陸
FIXAR 007は離着陸時、下記の写真のように機体の頭が斜め上を向くような姿勢になります。
これはアームに取り付けられたプロペラは可動式ではないため斜めの姿勢になることによってバランスをとっている為です。
離陸時は結構な勢いで上空に飛び立つ為、写真がブレブレになっています。すいません。
フライトミッション
FIXAR 007は専用のXGROUND CONTROLというソフトウェアを使用して飛行ミッションの作成や飛行中のモニタリングをPCから行います。
オペレーターは万が一の場合に操縦に介入出来るよう送信機を持ってモニタリングはしていますが、基本的には離陸から着陸まで一連のフライトミッションが全自動で行われます。
今回は琵琶湖湖畔のグラウンドを離陸し、湖の上をぐるっと一周して戻ってくるミッションを行いました。
飛行の様子
実際のフライトは固定翼機ならではの高速飛行、滑らかな旋回で安定飛行をしていました。
下記の動画にてご確認いただけます。
FIXAR 007はどういう人におすすめか?
固定翼機としては中型レベルのFIXAR 007は、
- 最大2kgという比較的余裕のあるペイロード容量
- VTOL機としての特徴を活かした離発着ポイントの制限を軽減させる機動力
- マルチコプターでは実現できない長距離、長時間、高速のフライト
という特徴から現状普及しているドローンではいま一歩届かないというミッションへ活用できる機体を探しているユーザーにおすすめです。
SkyLink Japanでは機体の導入に加えて、本機体を活用した各種PoCやサービス提供のご相談にも対応可能です。
ご興味をあるお客様はまず弊社営業担当までお問い合わせください。