M300RTK検証その2

M300RTK検証その②

皆さまこんにちは。SkyLink Japanオフィシャルブログです。

前回に引き続き、Matrice300 RTK(以下M300RTK)とZenmuse H20Tの検証実験の結果を少しだけ報告させていただきます。

M300RTK

Zenmuse H20T

まずはM300RTKに搭載可能なカメラについて、ご紹介したいと思います。

機種Matrice 300 RTKMatrice 200/210 シリーズ V2
対応カメラZenmuse
XT2 /Z30/H20/H20T
Zenmuse
X4S/X5S/X7/XT/XT2/Z30

M300RTKでは、Zenmuse H20/H20TはもちろんのことM200シリーズで活躍したXT2やZ30との互換性があります。

しかし、グローバルシャッター機構を搭載するZenmuse X7(高解像度カメラ)には対応しておらず、測量には不向きな面もあります。

現状、M300RTKはより点検用途に特化した機体と言えます。

今回はそんな点検用途で使用されるカメラについて検証を交えながら、以下2点についてご紹介したいと思います。

  • H20Tのサーマル(遠赤外線)見え方
  • XT2とH20T比較

◎H20Tのサーマル(遠赤外線)見え方

下の図は、撮影したサーマル画像と、可視画像(ズーム、ワイド)になります。

サーマル画像(Fulgurite)
ズーム画像【20倍】

ワイド画像

1つのカメラで3種類のデータ取得ができ、サーマルの熱画像をもとに各可視画像で表面の様子を点検する用途で使用できます。

撮影のタイミングで上記の3種類のデータを同時に保存する事ができます。

Zoom画像の画角は撮影するタイミングでの画角になっているので、使用者が必要に応じて設定する事が出来ます。

パレットの種類

サーマルの視認性にも工夫がみられ、10種類のパレットで表示が可能となっています。

識別しやすいパレットの選択ができるほか、DJIのPC専用のソフトウェアを用いることで、パレットの変更や表面温度の計測が出来ます。

使用者の用途によって表示を変更できるのは便利ですね!

また、DJI Pilotを使用しミッション飛行を行う事で、オルソ画像を作成することも可能です。

GSD 5㎝/pix Pix4Dで作成しました。(詳細は割愛します。興味があればお問い合わせください)

◎H20TとXT2比較

ホームページのスペック表を見る限り、H20TとXT2に大きな差はないように感じますが、細かな違いがいくつかありましたので4つ紹介します。

  • 画像の違い
  • レンズの違い
  • 送信機の表示の違い
  • フォーマット及び保存の違い

●画像の違い

XT2画像
H20T画像

本来、サーマル画像は物体を温度で識別し、色彩や濃淡で表示します。そのため対象物同士の温度差がない場合、物体の輪郭や境界線があいまいになります。しかしH20Tのサーマル画像の場合、XT2のMSXのように物体のアウトラインがはっきりと表現されています。

※MSXとは、可視光画像のディテールをリアルタイムで赤外線画像に反映させるツール。画像融合(可視光画像と赤外線画像を融合させたもの)とは異なり、MSXは赤外線画像の濃度を下げたり赤外線画像の透明度を減少させたりすることがありません。

●レンズの違い

XT2には9mm/13mm/19mm/25mmの4種類があり、対象物や環境条件に応じてカメラの付け替えての撮影が可能です。

H20Tには、13.5mmのモデルしかないため、機体と対象物との距離を調整する必要があります。

XT2の各種レンズの画像 ※約24mの高さから真下に向かって撮影したもの(DJI社説明資料より)

●送信機の表示の違い

M300RTKにH20Tを取り付けた際の表示画面(分割表示)
XT2の表示画面(M210使用)

H20Tの映像表示で感銘を受けたポイントとして、サーマルと可視画像の画角が合った状態で表示・確認できる点です。

一目でホットスポット箇所を見比べることができて便利になりました。

太陽光パネル点検の際に、割れや汚れなどのパネル表面の発熱原因を早期に発見判別ができると感じました。

●フォーマット及び保存の違い

フォーマット一覧

Zenmuse H20/H20TZenmuse XT2
動画フォーマットMP4MOV、MP4、TIFFシーケンス、 SEQ
画像フォーマットR-JPEGJPEG、TIFF、R-JPEG

保存フォーマットは、上の表のとおり、H20Tの静止画のフォーマットはR-JPEGのみが採用され、動画フォーマットはMP4のみとなっています。

一方でZenmuse XT2は静止画、動画共に豊富なフォーマットに対応していますね。

保存データの選択が可能

XT2では赤外線と可視の両方とも記録されていましたが、H20Tでは画像/動画ともに保存する種類の選択が可能となっています。

長時間フライトする上でSDカード容量問題が解決できる優れた機能が備わっていますね!

H20Tの取得データには位置情報が表示可能

取得した写真や動画の座標位置を画面左上に表示可能です。

点検や獣害調査などの特定の位置を把握する際に有効なデータになると思いました。

まとめ

前回に続き、M300RTKとH20Tの機能に関して簡単に報告させていただきました。

これまでのXT2で出来ていた事に加えて、H20Tでは新たに備わったレーザー距離計やM300機体に搭載された6方向障害物検知システムなどを組み合わせる事によって、点検や災害時に活躍できるドローンとなっているのではないかと思います。

まだまだ、M300RTKの機能やポテンシャルについてお伝えできていない部分がありますので、次の機会に検証その③をお届けします。

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